暮らしの実験室

国づくり

視察・研修へ

暮らしの実験室

こんにちは!きょうたです。
動物王国のような場所を作るべく、活動と発信をしています。
毎日365日こうやって活動報告や思ったことを記事にしています。
動物王国をふかぼり
2021年抱負

数日前まで雨だった予報が変わり、春の陽気が感じられる好天に恵まれたこの日。
研修&視察で
暮らしの実験室
に行って来ました!

40年以上も前から有機農法と畜産を組み合わせた有畜複合という農法を行なっている、知る人ぞ知る施設です。コロナがなければ宿泊もできるそうです。

料金表や利用例など

ニワトリ

こちらで飼育されているのはボリスブラウン。約300羽ほどが平飼いされています。

雄2羽に対し雌100羽でグループ管理をされています。
雄は1羽で約20羽くらいと交尾するらしく、生産される卵の約4割が有精卵になります。
ここでは有精卵を作るためというよりも、群の統制を図るための雄、ということらしいです。

成熟するまで半年育てて、2年卵を産ませたら、鶏肉として出荷という流れになっています。

養豚では肥育して大きくなる三元豚が多い中、ここは黒豚を飼育されていました。
黒豚は他の種に比べて小さめ。

オスで推定100kgくらい。ミニブタといっていいサイズだと思います。

生後2ヶ月の子豚たち。可愛い〜!

耳と鼻が大きく発達していて、目は小さい。
聴覚・嗅覚に特化した動物なんですね。タイプとしてはコウモリと同じ。

大きな音に敏感で臆病。繊細な動物です。

餌やり、豚舎掃除をお手伝いさせてもらいました。

たい肥

豚糞のたい肥。与えてるご飯はオカラや畑から出る野菜クズ、除草した際の青草、近所の学校給食の残飯だそうです。いわゆる、粗食。
通常はより早く、より重く、太らせるために濃厚飼料を与えるところが多い。
「1kgいくら」の世界ですから。

植物性のご飯がメインなので、糞も馬糞に近い感じがしました。

素手で触ったら引かれたけど、素手じゃないと温度や感触がわからないでしょう。
雑食性の(人間の)ウンコよりよっぽど綺麗です。

日々積み上げられたうんち捨て場。これはフレッシュなやつ。
すぐに発酵がすすみ、発酵熱で湯気がたっています。乳酸系のちょっと酸っぱい香り。
おしっこが混ざって水分過多になると雑菌も増えるので脇に溝を作って水切りをします。

水分を抜き、発酵が進むとサラサラの土のような状態に。
こうなると、ほぼ、土ですね。

 

続いて向かったのは畑

遠くに筑波連邦が見えますね。
ここは連邦に囲まれた盆地のような地形になっています。
おそらく、内陸的な気候で寒暖差も大きいのではないかと予想されます。

その土は石が少なく、肥沃。

畑の横に作られた土の室。

里芋などの野菜が貯蔵されているそうです。
上にかけられているのは土と大豆の殻
こちらでは大豆も無農薬で育てられるんですね!
作付けのタイミングを見誤らなければ可能とのこと。
丹波篠山での農業研修では、大豆を無農薬で作るのは非常に難しいと聞いていたので。

やはりその土地、その土地の環境や土壌によって育てられる作物は変わってくるのです。

だから、「別の地域で得た知識をそのまま自分のところに利用しても、
役に立たない、間違っていることもある」ということです。

参考にはなりますが、真似をしても意味がない。

まず、自分たちのところでやってみて、問題があったらそれに対してどう対処するか。
必要になるのは、知識ではなく、困難を乗り越える知恵です。

谷津田

畑に続いて向かったのは、「谷津田」です。
このブログではおなじみ「森に挟まれた谷で育まれた田んぼ」のことです。

一応この石岡も、「霞ヶ浦流域」と言えるので、アサザ基金の範疇としていいでしょう。

確かに谷津田です。
見慣れた風景のようにも思いましたが、よく見ると全然違うことがわかってきました。

まずその豊かな水系です。

霞ヶ浦にごく近い牛久周辺の谷津田はほぼ平野で湧き水が主な水源ですが、
ここの谷津田は筑波山系から流れる清流が水源となっています。

ミネラルと酸素を多く含む清流で作られるお米はさぞ美味しいでしょう!
(酸素を豊富に含む水で育ったコメは美味しいらしい!)

土壌の質は火山礫が崩れて細かくなった砂が多い。よく水路が詰まって困っていたそうです。

下向きに作られたパイプを用意して砂抜きを可能に。

水路の向きを工夫して砂が逃がせるようにしていました。

SDGs7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンにもありますが

何もエネルギー=電力にこだわる必要はないですよね。
水の流れをそのまま利用して砂の詰まりを防ぐようにしたり、
水を一度貯めることで太陽の力を使って温めるようにしたり、

なるべく高価な機械や道具を使わず、自然のエネルギーをそのまま利用して活かすのも大切な省エネの取り組みだと思いました。

そこにはやはり自然と共に生きる知恵が必要になってくるんですね。

実験室とは

以前記事にも書きましたが、私は研究所とか実験室って響きが好きなんです。
ここの一体どこが「実験室」なのだろう?と思っていました。

その答えはホームページにありました。

暮らしの実験室は特定の誰かのものではなく、開かれた公共の場です。ここでは誰もが対等であり、代表はいません。この農場は食の安全など暮らしへの不安の高まっていた1974年に、都市に暮らす人々が、安心して食べられる食べ物を自分たちで作って都市まで運んで食べるために、自分たちで出資し合って立ち上げた「たまごの会」が前身になっています。
2007年に名称を「暮らしの実験室」へと変更してからも、関わるすべての人にとって自分たちの農場であるという性格は変えていません。

公共の場?対等?代表がいない?
なんのこっちゃ?と思っていましたが、実はこの組織、
会社とかNPOとかそういう集まりではないんです。

立ち上げ当初、有志がお金を出し合い、
「自分たちで食べるものは自分たちで作ろう」
というところからずっと変わってないんです。

敢えていうなら、サークル?同好会?そういうことになります。
リーダーも代表もいないので、個々が平等に尊重され、全て「話し合い」で決定していくとのこと。

この組織構造、絶妙なバランスと雰囲気。
それで40年近く維持してきたというのは驚きです。

今、日本にある組織は全てピラミッド構造になっています。
会社には社長がいて、組織には代表がいて。それがないというんですから。

お昼ご飯は当番制で作り、みんなで一緒に食べた後、雑談も含めて話をするそうです。

そういう細かいブリーフィングが組織運営を健全にしているのだと感じました。
「同じ釜の飯を食う」というのは普通の人が思う以上に重要なことだと思いました。

会社=companyの語源はcom(共に)panis(パンを食べる)です。
ここはれっきとした"company"ですね。

昨今、SNSが発展し、個人での活動や発信が自由に行われるようになり、
少し前までは「個の時代」が来たと言われていました。

個が平等な立場で集まって組織をなす。

これからくる時代の先端を行く新スタイルになって行くかもしれないと思いました。

うん、これは、確かに、「実験室」だ。

おまけ

地元住民を巻き込んでのお祭り開催や、地域通貨の発行には驚かされました!

国づくり

Posted by kyotako

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