有機農法の祖

国づくり

霜里農場へ

有機農法の祖

こんにちは!きょうたです。
動物王国のような場所を作るべく、活動と発信をしています。
毎日365日こうやって活動報告や思ったことを記事にしています。
動物王国をふかぼり
2021年抱負

今日ある有機農法の祖ともいえる、埼玉県小川町の霜里農場に行ってきました!

 

有機農法を志す者であれば知らないものはいないというくらい有名。
こんにち、日本中にある有機農家、有機農場の中でなぜここが長く続き、有名になったのか。
その秘密を見てまいりました。

案内してくれたのはこの霜里農場に関わって20年になるベテラン、
NPO生活工房つばさ・游 代表の高橋さんです。

SVOオイル

家庭や食品業者からでる、捨てる油「廃食油」。
主にナタネ油ですが、これをうまく活用しようというのがSVOオイル

原料となる大豆を卸している豆腐屋さんからでる廃油。
油あげなどを作るときに使うそう。高級で品質の良い油だから捨てるには勿体無い。

グリセリンの除去など面倒で環境負荷の大きなことはせず、
濾過をして直接使えるようにしたシステム。
この農場で働くトラクターやベンツをも改造し、SVOで動くようにしてあります。

原理はいたってシンプル。
冷えると固まってしまうグリセリンを溶かすため、オイル注入前に湯煎をして溶かすシステム。

発電にも利用していました。

現在は大手企業がSVOオイル産業に進出してきたため、オイル製造はやめたそうですがSVOオイルを利用した機械類はまだまだ現役とのこと。

ガラス温室

有機農法をやっている農家が石油製品の塊であるビニルハウスを使ってしまっては。。。
ハウスで使われるビニルは太陽光による劣化で数年で張り替えなければなりません。
その量は膨大です。
一方、このガラス温室は作られて数十年このままだそう。

「環境に負荷をかけない」

ということを、全体を通して見ていかないといけません。
電気自動車を作るためにガソリン車の何倍もCO2を使ってしまうとか、
太陽光パネルのために山林を切り開いて設置するとか、

一部だけを見たら環境に良さそうだけど、
結果的にそれは環境にめちゃくちゃ負荷をかけちゃってますよ!

ということが往往にしてあるということです。
それに対して多くの資金や寄付、協力、助成金が投入されていたりします。

もう一度言います。

環境にできるだけ負荷をかけない、ということを全体を通して考えること。

バイオガス

私がもっとも注目したのがこのバイオガス。
家畜の糞尿から残渣まで全部投入してそこからでるメタンガスを利用します。

しかし、設備投資の割に得られるガスは少ない。

5人家族の生活をまかなうためには1日約2立方メートルのガスが必要です。
それを得るためには・・
ウシ2頭 ブタ8頭 鶏280羽 人間40人
分の糞尿が必要です。(霜里農場ウェブサイトより引用)

それよりもカスとして出る液肥の方が有効利用できそうです。

うーん。悩ましい。

少量多品目

これは有機農法のなかで初歩の初歩かもしれません。

単品目大規模で有機は難しい。
コンパニオンプランツとなるある程度の犠牲を考えて少量多品種の方が良い。

家畜

こちらでは牛と鶏が飼われていました。大きな動物をそばに置くことで

鶏の害獣被害も少ないという。番犬ならぬ、番牛。

ちなみにイチゴは無農薬で育てるのは相当難しいらしい。

最近は特に甘くて香りの良い品種が多いですから、そりゃ他の生き物も食べたくなりますわな。と妙に納得しました。

バイオトイレ

最近作られた最新型?バイオトイレ。

システムが手作りかつ複雑で何が起こっているのかよくわかりません。笑

複合発酵あ・うんユニット

複合発酵浄化槽「あ・うんユニット」を超わかりやすくまとめてみた

でも、トイレってもっと、こう、ナチュラルにできそうな気がしますけどね。
動物のたい肥のような。

なぜここの有機農法が広がったのか

ここが最大の研修の目的でもあります。
最近は有機農法、自然農法を行う農家も増えています。
なぜこの霜里農場は金子さんという一人の人間を発端として小川町全体を有機農法の町として全国的に有名にできたのか。
なぜこの農場は多くの人が集まってここまで進展できているのか。

有機農法、自然農法、いいものを作れても、売れなければただのゴミ。
維持継続をするためには売り続けなければ。
また、これは動物の世界でもいえることですが、少しの違いで分裂して大成しない。
先日訪問した暮らしの実験室も、スタートから分裂を繰り返して今に至るという話を聞きました。

私なりにこのあたりの理由を考えて見ました。

その1:販路
この農場で作られた農作物は地元の飲食店や企業と地域提携しています。
さらにその提携の3原則として
①全量買取②即金現金支払③再生可能な価格
農家さんとしてはありがたいですよね。維持継続ができるような値段で、作った分だけ全量買い取ってくれる。
何と言ってもこの販路が仲間を増やしてきた一つのポイントだと思いました。
少々考え方ややり方に異議があっても、この条件なら仲間に入ってもいいよね。
そういうことだと思います。

その2:金子氏の人間性
数十年前より、金子さんは野菜に値段をつけないで売っていたそうです。
自分が丹精込めて作った野菜に対して、
値段という尺度で高い、安いと言われるのがすごく嫌だったのだそう。
いわゆる、「ギフトエコノミー」ですよね。
善意と信頼の上に成り立つ「ギフトエコノミー」 

今でこそ見直される資本主義社会ですが数十年前にこれをやっていたというのは驚きです。

その3:NPO生活工房つばさ・游
今回案内してくれた高橋さんが3つ目のポイントです。
これが最大のポイントではないかと思っています。

いいものを作る農家さんほど、営業やマーケティングが上手ではない。
いい農家さんはそこまで手が回らない、というのが正しいかもしれません。
この霜里農場の広報や販路、マネジメントを高橋さんが一手に引き受けています。
いうならば、
金子さん:アイドル、高橋さん:秋元康
金子さん:ミスチル、高橋さん:小林武史
何も全部一人でやる必要はないわけで、得意なところを分け合って事業を進めた方がいいに決まってます。

早く行きたいなら一人で行け。遠くへ行きたいならみんなで行け。
つまりそういうことなんですね。

私たちの組織のあり方も考えて行きたいと思いました。

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Posted by kyotako

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