さよなら代々木ビレッジ
代々木ヴィレッジお庭ツアー
惜しまれつつも
こんにちは!きょうたです。
動物王国のような場所を作りたいと日々活動しています。
動物王国をふかぼり
以前記事にもしましたが、長年愛された代々木ヴィレッジが今年で閉館します。
救いは、人気がなかったからとか、ダメだったからというネガティブな理由ではなく、
そもそも期間限定でのプロジェクトだったのを、伸ばして伸ばしてやっと今年、閉館の流れになったということ。
西畠清順氏のインスタグラムより。
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今回、西畠清純氏自ら解説しながら回る代々木ビレッジのお庭ツアーが開催されるということで。この素晴らしい施設の最後の姿を目に焼き付けておこうと、(コロナの心配もありましたが十分対処した上で)一も二もなく参加してきました。
刺さった場所
視点をコントロール
都会のど真ん中に突如として現れる緑のオアシスのようなこの施設。
「緑があって癒されるねー」
というだけのものではもちろんありません。
鉄のフレームとガラスという無骨でありながらも美しいゲートを、一歩くぐれば別世界。
しかしここは紛れもなく代々木。見上げれば都会のビル群が目に入り、一気に現実に引き戻されてしまいます。
植栽はなるべく視界を下に、下に、行くように、低い高さの植物を配置したのだそう。
また、入ってすぐの階段の手すりにはぶどうのツルがぐるぐる。
植えた時は数十センチしかなかったのが9年経った今、階段を這ってテラスまで伸びています。そこまで計算して植えていたと言うことですね。
美しい花を咲かせるハンカチの木。でもその花は木の上の方に咲くので人目に止まらない。
2回テラスの中央に配置すれば、目の前にハンカチの木の花を見ることができます。
植物を植えるときに成長を見越し、視点も考える。
ただの植物好き、植木屋では止まらない所業だ。
枯れかけていたオリーブ
ゲートをくぐってすぐにあった、樹齢500年のオリーブ。
でもご覧のように、先の方にわずかながら葉が出ているだけのちょっと寂しいもの。
9年経った今でこの状態ですから、植えた時は「ほぼ枯れてた」はずです。
綺麗に、元気に育っているだけの姿だけを集めた場所は他にもある。
枯れてくるとすぐ植え替えて元気のいい植物に差し替えられるのが普通かもしれない。
でもここはそんなところにしたくなかった。
9年経ってようやく葉が少し出るようになったオリーブに、
「お前、よぅ生きてたな!頑張ったな!」
と声をかける西畠さんの目はとても優しかった。
こういうことを、見せたかったんだ。
ここの存在意義は他の多くの植物園やフラワーパークより、一段も二段も深いところにありました。
共生
西畠さんは植物の出身地をさして、
「こいつはアフリカ人」「こいつは南米」「こいつはアメリカ人だな」
と表現していました。
多種多様な地域の植物が、一つところに共存している不思議。
植物と植物。人と植物。人と人。様々な共存をテーマにしていると。
(私が目指す王国もそうですよ!共存や多様性)
でも言うのは簡単。奇を衒うだけなら誰でもできる。
枯らしまくって、世界中から笑い者になる可能性もあったはず。
「俺、天才だから。失敗しないんで」
有言実行型。。。
裏付け
最近人気のコウモリラン(ビカクシダ)
熱帯植物なはずなのに、屋外にぶら下げた状態なのに青々としています。なんで?
「こんなところで屋外にコウモリランなんて非常識だって言われましたよ」
と西畠氏。私もそう思いました。
まず一つは採取場所。これは比較的標高が高く、寒いところにあったもの。
もう一つは個体差。同じコウモリランであっても寒さに強い個体、弱い個体がある。
最後は管理方法。水を与えすぎると寒さに弱くなる。極限まで水やりを減らすと寒さに強くなる。
自信の裏には根拠があるものですね。
疑問も残る
ツアー参加者、オンライン視聴者の質問コーナーの中で西畠さんご本人も仰っていましたが、このお仕事、世界中の王族や大富豪など、規格外のお偉いさんを相手にすることも多く。
失敗は許されない
のだそう。でしょうね。。。言ってることはなんとなくでもわかる。
一回信用を失ったらアウトな世界
巨大な植物を運ぶのには膨大な時間と労力と人工とコストがかかる。
そして、過去の事例を調べると、移植にことごとく失敗している記録が目に付き、焦ると言っていました。無謀なやつ、ギャンブラー、チャレンジャーはどこにでもいるものです。
それだと、この世界では、命がいくつあっても足りない。
なぜ彼だけは失敗しないんだ。なぜ彼だけは生き続けていられているんだ。
多分聞いたら、彼はこう答えるでしょう。
「俺、天才だから」
→絶対嘘
そんなごまかしの答えを聞きたいのではない。
絶対、彼がたどり着いた植物の秘密領域があるのだと確信している。
図鑑を作る
以前、西畠さんが口を滑らせて、
「これから日本のどこかに、世界レベルの植物園を作る」
と言っていました。でもこの日はちょっと言い方が違いました。
「これから、図鑑を作る計画があるんです」と。
これには、ピンと来ましたよ。
図鑑といっても紙でできたものではなく、リアルな植物そのものを植えた、まさにこの代々木ヴィレッジのようなところを作ろうとしているんだと。
「ある意味この代々木ビレッジはその図鑑の一部と思って頂いていいです」
リアル植物図鑑を作る試験的なものになっていたんですね。
代々木ビレッジで彼なりの手応えを感じていたのだと思います。
世界中の植物が植えられた植物園考えただけでもゾクゾクします。
昔、ムツさんが世界中の犬種を集めて、「動く犬種図鑑を作るのが夢なんだ」と言ってたことを思い出しました。全体的に、言ってることがムツさんに似てるんだよなぁ・・・。