古代犬をふかぼり
スピッツと古代犬
JKCグループ5G:原始的な犬・スピッツ
日本人にとって親しみのある「立ち耳」、「巻尾」の犬たちは、
様々な犬種の中でももっとも古いグループに属する。
以下に紹介するイビサンハウンドやファラオハウンドが
作られた歴史は意外にも比較的新しく、むしろ
バセンジーやチャウチャウ、シャーペイなどの方が
古いという結果が報告された。
Cell Reportsこのグループ、分類上は一緒にされていますが、
共通項は「古い」と言うだけでタイプがちょっと違うため
分けて深掘りしていきます。
今回は「フェニキア人とチズム起源の犬」になります。
いよいよ日本犬か!と思った方がいたら、ごめんなさい。次の機会にします。
フェニキア人とチズム起源の犬たち
まとめ
こう見ていくと古代地中海で犬を広げたのはやはり
フェニキア人なんですよよね。
フェニキアと言う呼称はギリシャ人が付けたもので、
交易を目的として東から来た人をこう呼んだそうです。
2大古代文明のエジプトとメソポタミアのはざまに居住区域を
おいて発展し、主に北アフリカを伝ってイベリア半島や
西アフリカのカナリア諸島まで進出。
地中海全体に古代オリエントの文明・文化を伝えていったんですね。
うーん。深い。
ファラオハウンド
写真だけではなかなか伝わりづらいですが、
体重20キロ前後の大型犬。
元はケルタ・デル・フェネック(ウサギ猟犬と言う意味)
と呼ばれ、その名の通りウサギ狩りで活躍したらしい。
生粋の「サイトハウンド」ですね。
原産地はマルタ島。
起源は、
「紀元前1,000年頃、フェニキア人がチズムという
超古代犬をマルタ島に持ち込んだのが始まり」とある。
フェニキア人がマルタ島に持ち込んだというのは
マルチーズと全く同じ経歴!、、、フェニキア人すげぇ。
中東〜地中海にかけて活躍した、貿易と航海に長けた民族
(勝手にきょうたまとめ)
「古代エジプト」感満載ですが、実際の歴史は
マルチーズの歴史の方がちょっと古い。
ファラオハウンドと名付けられたのも1900年代とのこと。
名前を変えてから人気が急上昇したとか、、、なるほど。
芸能人みたいだ。そういう大人の事情も含まれるんですね。
それにしても、マルチーズとは全然違いますよね。
イビサンハウンド
なぜかイビサンハウンドは日本語wikiがない。
もうファラオハウンドをコピペしてしまおうかと言うくらい同じ経歴。
場所がマルタ島ではなく、イビサ島になっただけ。
チルネコ・デル・エトナ
チルネコ・デル・エトナも紀元前1,000年ころ、フェニキア人が
シチリア島に持ち込んだチズムが始まり。
ファラオ、イビサンと違うのはそのサイズで体重約10キロ前後。
イタグレとウィペットの中間くらいのサイズです。
エトナ山の険しい環境で育つため、前脚の可動域が
大きいとムツさんは以前紹介していましたね。
クレタン・グレイハウンド
wikiではファラオ、イビサン、チルネコと比べる中で「最も小型」と
書いておきながら、体重20キロ前後の大型犬とも書いてあり、
既に同じ項で矛盾が生じている=それだけ情報量が少ないのだと思う。
やはり紀元前1500年前からその存在は確認され
後述のバセンジー同様、
サイトハウンドと嗅覚ハウンドの両方で活躍する犬種のようです。
バセンジー
バセンジーも非常に古いタイプの犬であることが遺伝的にわかっていて
チズムが起源である説が有力ですが、
さすがにコンゴ共和国までフェニキア人が運んだとは思えない。
また、この地域に住むザンデ族のみが飼育しているという
「ニャム・ニャム」と言うバセンジーによく似た犬もいるらしい。
写真など一切情報が見つからない、、、うぉぉ・・・見たい、、、
バセンジーの項には
「サイトハウンド」と「嗅覚ハウンド」を同時に行える能力が、
とあり、姿形は立ち耳の巻尾=「スピッツ」タイプ。
いろんな要素が詰まっている犬。
確かに、最も古い犬と言われても納得がいく。
ここまでだと普通。さらにさらに掘り下げて
レア犬種にも触れていきます。
ポーチュギース・ポデンゴ
これまでに出てきた犬たちより歴史は浅いですが
それでも紀元前6、7世紀頃のことです。
同じくフェニキア人がポルトガルに連れてきた
「サイト」と「嗅覚」の両方の「ハウンド」です。
毛質が写真のスムースタイプと毛がワイヤーのタイプ、
さらにはピケーノ、メディオ、グランデと
プードルのようにサイズでも別れているそうです。
ポデンコ・カナリオ
カナリア諸島のポテンゴですね。
カナリア諸島といえば、
ビションフリーゼの時に紹介した
テネリフェ島があるところですね!