しっぽの尾はなし

犬猫, 生きもの

しっぽの尾はなし

ラブラドールレトリーバー

犬種の話で何度も登場するのはやっぱり人気があるからでしょうか。
ラブラドールレトリーバー

いわゆる、オッターテイルと呼ばれる尾で
意味はカワウソ:Otterです。

ちょうど先日カワウソカフェに行く機会がありました。

ちょっとヒラペッたくて太くてしっかり。
確かに、似てる。

尾でバランスを取るってよく言われますよね。

陸上で活動している時にはあまり気になりませんが、
水中になると尾で上手に舵をとっているのがよくわかります。

尾に注目して犬たちの動きをみるとまた面白い!

犬たちも相撲を取るんだ

ウェルシュコーギー・ペンブローク

尻尾が短いといえばウェルシュコーギー・ペンブローク
このまあるいお尻がキュート!でファンも多いと思います。
一部では生まれつき短い子もいますが、
ほとんどが生まれてすぐに尾を切る、いわゆる
断尾が行われているので、その是非が問われることもしばしば。

これまでの犬種ふかぼりシリーズをご覧頂いてきた皆様には
お分かり頂いていると思いますが、
私は個人的にはその成り立ちや文化、歴史も含めての
「犬種」だと思っているので、それ自体にそこまで否定的ではありません。

絶滅の危機を報じたニュース
その後危機を脱したというニュースもありました。
危機を脱したというニュース

良し悪しはさておき、尾は泳ぎにも影響を及ぼします。

ご覧のように、尾が無いと下半身が安定せず、
回転・転覆しそうになるんですね。
また、舵としての尾もないので泳ぎにくそうです。
逆に泳ぐことに尾が重要な役割を果たしているかが見えてきますね。

プードル


断尾と言うとコーギーがよく「槍玉」に挙げられますが
それはスパッとなくなってしまって目立つからであり、
日本で最も人気があって頭数の多い(トイ)プードルも
断尾をする代表的な犬種です。
これを言うと結構驚かれる方も多いのですが。。。

他にシュナウザー、ヨーキー、ジャックラッセルテリア、
ミニチュアピンシャー、ボクサー、ロットワイラー・・・
断尾をする犬種は他にもいっぱい、います。


生後数日の断尾前のワイマラナーの子犬

柴犬

キリッと巻いた尾が凛々しくも見える柴の巻尾。
右巻き、左巻きもありますし、
巻かないで、剣のようになっている太刀尾や差尾と呼ばれるものもあります。

昔飼ってた柴犬の尾をなんとか右巻きから左巻きに
矯正してやろうと、毎日、気がつくたびに
左に、左に、とやっていましたが、叶いませんでしたね。


柴犬のラッキーは太刀尾・・・?
いえいえ、実は幼い頃に交通事故に遭い、
骨盤と尾の付け根を骨折した後遺症なんです。
事故直後の獣医さんの診断では
2度と尾は振れないでしょうと言われたのですが
見事に復活しました。

こんなに種類があるなんて知りませんでした!⇩
いくつ知ってた?柴犬の種類、尻尾の形や色にも種類があった!?

サモエド


動物王国にいた「ワイルド」なサモエドの尻尾はこんな感じ。

シャンプーしたてだとふわっふわ。
毛ぶきの良い子だと「花」が咲いた感じになります。

ウィペット

ウィペットの尻尾はムチのように硬く締まって細い。
で、いつも、「し」の形になっています。

ただ、そんなに激しく尾を振ることは少なく、
テーブルの上にあるものを吹っ飛ばすようなこともありません。

ローデシアンリッジバッグ

こんなに細くて長くて立派な尻尾を持つのも珍しいなと思います。

でも、どんなに長くても地面を引きずってしまうような
長さには絶対にならない。不思議。

ボーダーコリー


バランスを取る役割を果たすとするならば、
激しく動くボーダーコリーのような犬種では
尻尾にもそれなりの重さがないと反動にならないですよね。

その犬種の動きや仕事の内容によっても
「良い尻尾とは何か」は変わってきますね。

ナポリタンマスチフ


ガードドッグや闘犬系は耳を短く切って立たせる「断耳」も
合わせて行われることが多い。

断尾、断耳をする理由の一つとして
怪我をしやすく、治りにくいと云うのが
挙げられている。
もう、猟犬、闘犬、オオカミと戦うというような
本来の仕事をしなくなった今、怪我をする機会も
少なくなくなったのはあるかもしれない。

でも、家具にぶつけたりして万が一傷ができた時、
周りに血飛沫が飛び、包帯やガーゼをつけても
すぐ外されれたり、ブンブン振られて取れてしまったり・・・
怪我が治りにくい部分である、というのもまた、事実。

ジャックラッセルテリア

ジャックラッセルテリアは穴の中に獲物を追い詰めた際、
尾を掴んで引っ張り出すのにちょうど良い握り拳1つ分を残して断尾する。
と言われている。ただそれは歴史上の話。

断尾をする、しないにかかわらず、
尾は大事な神経、脊髄にも繋がる部分で
とても敏感で繊細な器官。

引っ張ったり掴んだり、乱暴に扱うのはオススメできない。

尾の役割

一説にはコミュニケーションツールであるとも言われる尾。

ですが、犬同士のコミュニケーションを考えた際に、
体の後方にある尾は死角になりやすく、
これで意思表示(コミュニケーション)をするのはちょっと難しい。

もし、そうだとするなら、犬同士の会話の時に
チラチラと相手の尾を見るような動作があってもいいはず。
(もちろんそんな挙動不審な犬は見たことがない)

対ヒトへのコミュニケーションだ!という説もありますが
そうだとすると犬同士の会話の際は尻尾を動かす必要性がなくなる。

匂いによるコミュニケーションの可能性

肛門線や匂いを出すためとか心を落ち着かせるためとか
そっちの方の理由が主ではないかなーと思っています。

特に、匂いのコミュニケーションは
ヒトが感知できていないだけで
絶対今知られている以上に行われているはずなんです。

ヒトは視覚>嗅覚の動物なので、
どうしても視覚によるコミュニケーションを重視しがち。
でも
犬は視覚<嗅覚の動物です。
視覚重視のヒトには気づけない、わからない
嗅覚によるコミュニケーションが絶対にあるはずなんです。

ヒトが緊張したりしてアドレナリンが出ているのを
犬が感知しているんだ、という話も聞きますよね。


例えば上位の犬に対して下位の犬がお腹を見せるとか
時におしっこを漏らして服従の意を表すというのも
「匂い」でコミュニケーションをとっているのだと思います。


犬と同じ視点(高さ)だと尾が振られている様子は
あまり見ることができない。
けど、尾を振ることである種の「匂い」を撒いているとしたら??

資生堂、緊張によるストレスで皮膚から特徴的なニオイが発生することを発見

私たちの知らないところでコミュニケーションをとっているなんて
なんか嫉妬しますよねー。

猫の場合

和猫は尾が短い

短尾猫の話は以前記事にしました。
日本の猫には生まれつき尾が短かったり、
曲がっていたりする子が多くいます。

怪我や事故で曲がったり短くなったりしたと
誤解しているヒトが多いようですが、違います。

無ければないで普通に生活できている猫もいるんです。
一方、野生の動物で短尾って聞いたことがないですね。

「猫のヒゲはバランスを取るために付いているので
切るとフラフラして歩けなくなる」
という話を聞いたことがあります。でもトリミングの際にヒゲを
全部切っちゃってる子がいましたがそんなことはありませんでした。

ヒゲよりも尾の方がよほどバランスをとったりするのに重要な気がします。

一つの部位を掘り下げて注目していくのもまた面白いですね!

犬猫, 生きもの

Posted by kyotako

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