人気猫種と遺伝的疾患
近親交配に弱い動物
群れ型と単独行動型
犬や人は群れを形成する群れ型の動物で
猫はゆるい単独行動型の動物です。
ゆえに、近親交配に弱い動物と言えます。
群れ型動物にあるパーソナルスペースが猫にはほぼない、とか
妊娠中の猫が授乳すると流産してしまうブロック機能がない、とか
単独行動型の特徴がいくつか見られます。
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その中の一つに、近親交配に弱いという特性が挙げられます。
犬はチワワからセントバーナードまで大きさから性格、特性まで
いろんな可能性を広げられてきました。それは遺伝子が「柔らかかったから」です。
他の生き物は同じようにはいきません。
猫に近親交配が起きると・・・?
猫に近親交配が起きると体の端々にいわゆる「奇形」ができると言われています。
耽美な短尾猫
日本では尾の長い猫が長生きすると化け猫になると忌み嫌われていた歴史があるのと
島国で他の猫との交雑が少なかったこと(近親交配)
猫はネズミを駆除する貴重な動物だからむやみに放して飼ってはいけない(!)
と言われてきたことなどから
日本では短い尾の猫やおが曲がった猫が多く残っています。
昔は猫の放し飼いが禁止されてたってなんか不思議で面白いですよね!
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スコティッシュフォールド
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人気の折れ耳猫も軟骨の病気で有名です。
多かれ少なかれ他の軟骨にも異常をきたしているために関節痛を発症していたり、
「スコ座り」というおっさんみたいな独特の座り方をするようになったりします。
知らない人たちはその姿が「かわいい!」と
持てはやされている一面もありますが、その裏には悲しい事実もあるということです。
その交配には慎重かつ熟練した知識と経験を要するはずが
人気で売れる種であるためにそうでない方もいっぱい繁殖させています。
一般的には折れ耳同士の交配は避けるべきで、
そうなると折れ耳になる可能性は20%〜30%になると言われています。
折れ耳同士で交配すれば、折れ耳の子が生まれる可能性が増える一方、
遺伝的な奇形が重度になる可能性もあります。
マンチカン
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もう一つ、人気種といえば足の短いマンチカンですね。
マンチカンもスコティッシュと同様、骨軟骨異形成と言われていますが、
スコティッシュと違って、マンチカンの場合は
足が短いこと以外、他の軟骨に影響はない、とも言われています。
犬でいうミニチュアダックスと同じと考えている人たちがいるということです。
なので短足同士で交配させるブリーダーさんも多いと思います。
実際、明確に禁止されているわけでもなくスコの場合もそうですが
あくまでもモラルの問題です。
さらに、スコ同士、マンチカン同士でダメなら
スコティッシュとマンチカンで交配をしよう
というブリーダーも出てきます。
一部では奇形同士の交配だ!と非難の対象にもなっていますね。
遺伝的特性は違うとはいえ、両方とも骨軟骨異形成の要素を持っていますから。
今はマンチカンを起点として他の純血種と組み合わせることで
ミヌエット、ジェネッタ、バンビーノ、ラムキン、
などなど、新種?も次々登録されているようです。
ヘミングウェイの猫
文豪ヘミングウェイが愛した猫たちは指が多い、
「多指症」であったことは有名ですね。
さすがにこういう猫たちは見たことがありません。
不幸な猫生を送っていないことを祈ります。
ヘミングウェイのような作家がいたら・・・と思ってしまいます。
猫でも犬でも、命を扱うのでむやみなことはよくありません。
こんなところで叫んで届くものかは微妙ですが。
しっかり勉強しモラルを守って行っていってほしいです。