飢えについて考える(後編)
飢えについて考える(後編)
草食動物の場合
動物王国のような場所を作るべく、活動と発信をしています。
毎日365日こうやって活動報告や思ったことを記事にしています。
動物王国をふかぼり
2021年抱負
前編の続きです。
これまでは狩る方の動物がメインでしたが、草食動物はどうでしょうか。
ヤギは放牧中はずーーーっと草を食べています。1時間なら1時間、ずっとウロウロむしゃむしゃ。歩き回りながら餌を探して食べ続けています。
植物は狩る必要もなく、そこにありますからね。
でも、柵の中に入れるとそんなに食べていません。のんびり寝ていたりするのです。
ご覧のように、中にいても食べられるように、と一応草木を入れたりしているのですが。
放牧中は延々と食べ続け、柵の中ではあんまり食べない。
夜は横になって反芻したりしています。そう、ヤギなど偶蹄目は反芻があるんですよね。
(あれは食餌にカウントするべきかどうか・・・)
胃が一つしかない馬は草食動物でもまた別で考える必要がありそうです。
草食動物は飢えることはないのか。否。
今、この青草が豊富に生えている時期はお腹いっぱい食べられますが、
冬、草が少ない時期は木の皮や根をかじって食べたりします。
ヤギやヒツジは草が豊かではない土地でも育てられるので、
貧乏な民族の貴重な家畜として残ってきたものです。
つまり、数日とか数時間とか短期的な飢餓というより、
乾季とか冬のような季節的、長期的な粗食に耐えうる能力があると考えるべきでしょう。
ヒトの場合
思えば、多くのいきものは基本的に空腹であることがわかります。
常に餌を探し、今日生き延びることに全力を尽くす。
毎日、いつでも、美味しいものをお腹いっぱい食べられるのは(私たち日本人をはじめとした)一部の裕福な人間たちだけでしょう。飽食の時代。
余った栄養を脂肪として蓄える機能。現代ではちょっと迷惑に思う人も多いかもしれませんが。古代の人類は恵まれた食生活が送れていなかったことによる進化の過程で得た機能なのかもしれません。
いつでも、美味しいものがたらふく食べられる状態、お腹いっぱいで幸せな状態を長く続けることは、いきものとしてあまりいいことではないように思いました。空腹、飢えの時間を持つことがいきものとしてはスタンダードということになります。
満腹状態だと頭に血が回らず、集中力も落ちるとか。
適度に空腹状態の方が仕事や作業が捗ることもわかっています。
最近では断食をする「ファスティング」をやる人も多いそうですね。
いきものはデトックスとかそんな悠長なことを考えるまでもなく、
普通に生きていたらファスティングになってた、ということなのでしょう。
いつでもすぐに美味しいものがお手軽に食べられる。
他の多くのいきものも、それはなんて幸せなことだろう!と思っているに違いない。
でも、それを享受している私たち人間は果たして幸せなことになっているのだろうか。