レモンを通して自然を知る

植物, 生きもの

無農薬レモン収穫

自然相手のものだから

5月、花を咲かせ、夏にはアゲハたちの揺りかごになっていたレモン
庭で育てて約10年。もちろん無農薬です

夏にたくさん太陽の光を浴びて、青々とした実をつけました。
(後述しますが、8月のこのタイミングで収穫してもいいんです)

昨年は大きな台風が関東を襲って
多くの実を落としてしまい、例年の半分も行かない数しか取れませんでした。

自然を相手にするというのはこういうことですよね。。。

天候、天災を前にすると改めて
自然の偉大さ、人間の無力さ傲慢さを感じます。

今年は台風が来る前に選定&収穫しようということで。

強風で根元から倒れかかったこともあるので、剪定も兼ねてバッサリ切りました。

漂うレモンの香り。爽やか。好き。

枝についていたレモンを収穫します。

今年は約70個ほど収穫できました。
数年前は200個くらい取れたので、それに比べると少ないですが
まぁまぁといったところ。(まだ高いところに残ってそう)

ツヤッツヤですごく強い香りがします。

緑色のレモンと黄色のレモン

ところで、レモンというと黄色いのを思い浮かべるヒトも多いと思います。

これはバナナと同じで、緑の状態で収穫したものが、
「輸送の段階で追熟されて黄色くなったから」
です。つまり黄色=外国産のレモンです。

飛行機や保存法などが確立した現代においては、
完熟したバナナやレモンを急いで運ぶ技術もなくはないはず。

が、今度は「植物防疫法」が邪魔をします。
完熟した果物についている虫や病気を国内に万が一持ち込まれると
日本の農作物に被害が及ぶので、
(虫がいる心配がない)未熟なものでないと
輸入できないことになっています。(へーへー)

今回収穫した緑色のレモンも、リンゴなどエチレンガスを出すものと
一緒に保管しておくと黄色く熟してきます。
また、収穫せず木につけたままにしておいても12月頃になると黄色く熟すようになります。

毎年、収穫し忘れた実が
「おーい!まだここにいるよー!」
って黄色くなって教えてくれる感じがして可愛いんです。

しかし、(どの果物もそうですが)熟すと甘くなります。
レモンも緑色の方がクエン酸も多く酸っぱいのですが、
黄色く熟すと甘みが増えて酸味、香りが減ります。

それ、レモンとしてどうなの?!ってなりますよね。
そもそもレモンの良さは未熟な時の酸味と香りにあるということ。

さらに、長く実を木に付けていると木にかかる負担も大きくなります。
黄色くなるまでにだいぶ時間がかかりますからね。。。

だから国産レモンは緑色で収穫して緑色のまま使うのがいいんです。

実がつけば大きさ次第で、8月にとろうが11月にとろうが、
いつ収穫してもいいんですね。便利です。

皮と病気

今回収穫したレモンで目立ったのが皮の茶色い病変です。

これはかんきつカイヨウ病という細菌が原因となるものです。

かんきつカイヨウ病

強風や害虫による傷に菌がついた部分です。
「病変」とありますが、皮の内部までは侵されていないんです。

さらに割ってみました

専門家ではないので正確なことは言えませんが、
虫に食われたり、風で飛んできた石や砂で表面が傷がついて、
そこに細菌が繁殖したのでしょう。
それに対し、いきものであるレモンが抵抗しないわけがないんです。
大事な実の部分に侵入しないように、閉じ込めたのでは?

まさに動物でいうところのかさぶたと同じことだと思うのです。

これが皮、動物でいうと皮膚の役割です!
生きるって、生き物ってこういうことですよ。

怪我したことがない、かさぶたができたことがない、
いきものの方が少ないでしょう?

今年もありがたく自然の恵みをいただきます。

植物, 生きもの

Posted by kyotako

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