純血猫種の不都合な真実
前回のスコティッシュフォールドに続き第二弾
マンチカン編
前回、純血猫種の不都合な真実としてスコティッシュフォールドを
あげさせていただきましたが、今回は第二弾、マンチカンを取り上げます。
マンチカンといえば、我が愛猫、ゆきちです。
ご覧の通り、足の短い猫として有名です。
足が短い猫の記録は古くからありましたが、
マンチカンとして登録されたのはごく最近のこと。
短足は2、3割
マンチカンもスコティッシュフォールド同様、
全部が短足で生まれてくるわけではありません。
スコティッシュ同様、原則短足同士では交配できないのです。
なので、極端に短くもなく、長くもない、
「中足」チュウソクと呼ばれる子がいます。
スコティッシュフォールド同様、足の短い方が高い値段で取引がされます。
足の長いマンチカンは普通にみられる雑種の猫となんら変わりません。
骨軟骨異形成症?
マンチカンもスコティッシュフォールド同様、軟骨の病気
骨軟骨異形成の一種と考えられていましたが、
「短足は優性遺伝で足が短いこと以外は普通の猫」
「スコティッシュのそれとは別である」
という主張もあります。
人気犬種、ダックスフンドと同じ!という考えですね。
確かに、ダックスフンドをみて、
病気だ!と思う人はほとんどいないかと思います。
スコティッシュフォールドの記事で紹介した
「スコ座り」もマンチカンでは聞きません。
他の軟骨に異常が出ていない?
やっぱりスコティッシュの「病気」とは違う?
今の所いずれも科学的根拠、証明はされていません。
団体、国、個人での見解が異なる
犬の血統書
JKC(ジャパンケネルクラブ)という団体名は聞いたことがあるかもしれません。
日本最大の犬の血統登録管理団体です。
世界にはFCA(世界畜犬連盟)という団体があって、
日本にはJKC、アメリカにはAKC(アメリカケネルクラブ)と
各国にその傘下にある団体があるという構図です。
国によって若干の誤差はあるものの、統一感があります。
一方、猫の血統書ではどうでしょうか。
猫の血統書
世界的に大きな猫種登録機関としてはTICAとCFAがあります。
しかし、日本には犬におけるJKCのような
大きな血統書管理団体が存在せず、小さな団体が乱立状態です。
参考サイト→猫の独り言
ゆきちは
ICC(インターナショナルキャットクラブ)の血統書があります。
猫種ってそもそも何?
それぞれの団体でスタンダードの基準や交配可・不可、
そもそも純血種として認めるかまで全部違います。
「ICCの血統書があればTICAに登録が可能」
など、変更、互換性のあるなしも無数!
TICA
マンチカンと交配できるのはマンチカンと雑種のみ。
その他の純血種と交配することを認めていません。
(後述のスコマンチなどのことですね)
CFA
マンチカンを遺伝的疾患を持つ種とみなし、
繁殖するには不適切、猫種としての登録が認められていません。
(スコティッシュは認めているのに?!)
純血種とか雑種というのも所詮は人間が引いた線引き。
猫種という概念が生まれたのもは犬に比べて歴史も浅いので
より混在してしまっています。
何が本質かわからなくなってしまいますね。
スコマンチの存在
スコティッシュの時にも書きましたが、
マンチカン✖︎スコティッシュフォールドをかけて
「スコマンチ」「足が短くて垂れ耳」
のような子を狙って作ろうとするブリーダーもいるのです。
そういう子は正式には(TICA、CFA共に)認められません!となりますが
独自の非公認団体がそれぞれの基準で血統書を出していますし、
人気や流行、可愛さに釣られて飼うオーナーさんは
TICA、CFAの公認、非公認にこだわる飼い主さんは皆無でしょう。
私個人の意見としては、知識や
エビデンスのない状態での無理な交配は反対です。
嫌なのは、そういうリスクや状況をきちんと説明せず、
繁殖や販売をするブリーダーやショップがあることです。