生き方の指針
生き方の指針
君たちはどう生きるか
宮﨑駿監督の最新作映画「君たちはどう生きるか」が話題になっています。皆さんもうご覧になりましたでしょうか。
このタイトルは「1937年(昭和12年)」に出版された吉野源三郎の小説から来たものです。
漫画でも再販されたりして、本屋に行くとオススメやベストセラーの棚に並んでいます。内容や感想は一旦置いておいて。ムツゴロウさんの最新エッセイも7月25日に出版されました。
二人の巨匠が「生きる」をタイトルに入れた作品を世に送り出しました。
この映画と本を結びつけて考える人は私くらいのものでしょう。でも改めて掘り下げてみるとこの二つの作品の共通点はとても多いことに気づくと思います。
二つの作品の共通点
一つは先述のように「生きる」をテーマにしているということ。二つ目は世代。宮﨑駿さんは昭和16年生まれ、ムツさんは昭和10年生まれ。ムツさんは今年5月に亡くなられてしまいましたが、二人とも80歳を超え、共に戦争を経験した世代です。そして二つの作品の内容をみると、幼少期の体験がベースになっていることがわかります。
作品を通して得られるメッセージ、難しいことはよくわかりません。でも、要するに、もっと、情熱的に、一生懸命、生きろよ!ってことですね。
それだけ、生きるに悩む人が多いのだと思います。生き方を求めて彷徨う人が増えた。そこに貧富も身分も立場も関係ない。
有名人の『よろしくない方の死』のニュースが次々と思い浮かぶ。仕事もされてお金に困っている様子もなく、ご家族もいたりもして、よそからは幸せそうに見えるのに、残念な選択をしてしまって、ニュースになる。
亡くなると、なぜかみんないい人だったと報じられる。そういう風潮ありますよね。例えば、私が幼かった頃はドリフなんて下品で子供に見せたくない番組の上位だったけど、志村けんさんが亡くなったら偉大だったってみんないう(志村さんは自殺ではなくコロナでお亡くなりになってしまいましたけど)りゅうちぇるさんもジェンダーについて常に真摯に向き合い、世に訴えてましたって、亡くなった後でたくさん報じられてた。こういうのが続くと、あぁ、死ねばこうやって褒められるし崇められるし、生きてるよりずっといいじゃん、と勘違いする人が増えてしまう。勘違いするなよ?生きてるのが一番なんだから。死んだらおしまいだよ。大前提として、死を選ぶのはよくないことだ。というのはしっかり押さえておかないと。 自殺はダメ。絶対。
これからの私たちはどう生きていけばいいのか
戦争というあってはならない時代を経験したお二人が、その幼少期に得た体験をベースにして、世のどんな人たちよりも情熱的に、一生懸命、生きて、生きろよ!と訴えてる。とても皮肉なことです。
実際、戦争が起こると自殺率は減るそうです。これは統計的な事実。
だからと言って戦争が良かったわけじゃないことは言わずもがな!です。
問題なのは死者の数だけじゃないですから。
20代、30代の自殺率が非常に高いこの国で、もしかしたら近代ハイテク化が進む近代の戦争よりも自殺の死者の方が多いんじゃないかと思います。死者の数「だけ」で言えば戦争よりもひどいことが起きてるとも言えます。
自分だけでなく他の生きものも含めた「命」を感じ、熱く燃焼させて生きていく姿に心打たれます。ぜひ二つとも作品をみてもらいたい。
私も「場」としてそういうものが訴えられるファーム、王国を作り上げて生きたいと改めて思いました。
本が本を呼ぶ
ムツさんの本に出てきた、菅能さんの本も入手しました。
すると、帯の推薦の言葉はムツゴロウの656でも出てくる東大名誉教授の末広恭雄さん(油壺マリンパークの初代館長)、冒頭の著書紹介はムツさんが書いていまして、タイムリーだなぁ、びっくりするなぁと思った次第。読み進めると、これまたムツさんを見ているような錯覚。文章にも艶があるし、溺れた人を助けたエピソードも似ているし、この世代の人たちはとても共通点が多いなぁと思いました。いろんな意味で感動。これもおすすめ。
最近、海にまつわる話が多くて。海に呼ばれてる気がする。