動物と気
動物と気
ある新米猫飼いさんの話
私はその人の話を聞いて相談に乗っていた。
これまでペットを飼ったことがなかった人が思い立って猫を飼い始めた。元々動物は好きで、兼ねてからの夢だったらしい。ペットショップで買ってきたアメリカンショートヘアは、迎えた日はずっとシャーシャー言い続け、ご飯を食べずトイレすらしなかった。
1ヶ月経ち、普通に生きていくだけの生活はできるようになったものの、まだ抱っこができないという。まぁ、警戒心が強い子なら多少時間はかかるでしょう。でも、聞くところによるとどうやら、猫の前足をつかんで引き寄せようとしているところから始めていたらしい。
「それはまずいよ、いきなりそれじゃあ警戒されても仕方ない」
まずは人差し指をさしだして、向こうが匂いを嗅いでくるのを待つことだ。それが猫流の挨拶なんだ。
ダメダメ、そんな威圧的な出し方じゃ。
手を差し伸べるような、そんな感じで出さないと。
そして向こうから寄ってくるのを待つ。興味を示して匂いを嗅いできて、嫌なことされないなって思ってもらうこと。
「捕まえて抱っこしてやるぞ!」って気持ちが漏れると、寄ってこない。
気持ちを消さないと。
そんなこと、、、と戸惑っていたその方も、
「そういえば、出勤前は意外と近くにきて撫でさせてもらえたりする・・・」
ね?捕まえようとする心を無くせば彼らも警戒しなくなる。ちゃんと消せるんです。
気は大事
猫以外の動物たちも含め、言葉を話せない彼らは雰囲気で私たちの気持ちを読み取っています。だから動物たちと接するときは気の持ちようや気持ちのコントロールがすごく大事ってことに気付かされます。
慣れている人は自然とそれができているのでなんてことないと思うかもしれませんが。
ドッグランで犬を回収するとき、野良猫を保護するとき、脱柵した馬を捕まえるとき・・・
様々なシーンで、捕まえることって出てくると思うんですが、その時に捕まえる気マンマンだと、だいたい逃げられます。彼らは捕まっていいことがあまりないですもんね。
怒るときも同じ。
怒ってるんだぞ!って気を出せば、彼らは自然と、「あ、やべ・・・」って反応をします。悪いことをしたってわかるんですよね。
ワ●ピースの覇気みたいですね。
動物とのコミュニケーションの能力、技術ってどうやってやって身につけて行けばいいんですかねぇ。
やっぱり経験と場数でしょうか。机に向かってるだけでは絶対ダメですよね。
気の究極の使い手は間違いなく、ムツさんでしょう。
動物の気持ちを読み取る見聞色、怒りで相手を威圧する覇王色、、、