植物染め コブナグサ染め
コブナグサで染める
コブナグサとは
コブナグサとは沖縄以外の全国の、田んぼなどの湿地に生えるイネ科の一年草です。
茎をくるっと葉が回り込むのがその名の由来だそう。
これで染めると綺麗な黄色が出るらしい。
八丈島の伝統工芸絹織物、黄八丈はこのコブナグサで染めたもの。
これに挑戦します。
コブナグサを探して乾かすまでの記事はこちら
プラントハンティングコブナグサ編
今回挑戦するにあたり、染物のプロである友人のKさんのご指導、ご協力を頂きました。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました!
無地の綿Tシャツをゲット
ユ●クロとか●Uは科学的に暖かくなる系の化学繊維素材ばかりで綿100%は見つからず。
しまむらに行ったらありましたよ!綿100Tシャツ。2枚組みで700円くらい。
買ったばかりのシャツには製造時のノリなどがついているので、一度普通に洗濯をします。
呉汁処理
植物染料は、シルクやウールなど、たんぱく質を含む繊維はよく染まるけど、
綿のような植物素材は染まりにくいのだそう。なので、植物素材にたんぱく質コーティングを施します。これを呉汁処理と言います。
ホントは豆を煮出してやるそうですが、今回は豆乳で簡単にすませます。(牛乳だと臭くなるのでNG)昔の日本では牛乳より大豆の方が入手しやすかったでしょうね。豆を煮る機会も多かったんだと思います。
大きな鍋に水を張り、シャツ2枚を浸したらそこに成分無調整の豆乳を入れます。
分量が心配でしたが、染める物の同重量くらいあれば十分みたいです。
今回Tシャツ2枚が約200gなので200cc。成分無調整が大事。
時々シャツを揺らしたりかき混ぜたりしてよく染み込ませます。
30分浸したら、絞って乾かします。濯いじゃダメ。
秋のこの時期だとカラッとした天気でまる1日あれば乾きます。
ミョウバン媒染(先媒染)
次に、ミョウバンを使って媒染します。ミョウバンも一緒に投入しちゃうやり方や、後でミョウバンに浸すやり方もあるようですが、先媒染が基本だそうです。
ミョウバンって何?!って思いますよね。アルミ化合物で膨張剤(ベーキングパウダー)やナスの漬物、ウニなどの色素安定剤など食品添加物や入浴剤など生活に幅広く使われています。
私、自炊も結構やって来ましたけどミョウバンは初めて使いました。
染物の5%重量のミョウバンを水に溶かし、30分浸けます。
Tシャツ200gだったので10gくらい。
呉汁処理同様、よく浸して30分浸けたら水で濯ぎ、水に浸しておきます(染料液に浸す準備)
染料準備
乾燥させたコブナグサ、このままでもいいですが、細かくした方がより色が出ると。
ハサミで3センチくらいの長さにカットして行きます。これが地味でなかなか大変。乾いた草は硬くて、切るとペチペチ飛んで行きます。
ここでもどのくらいの量が必要か悩みましたが、染物の重さの5%を目安にしました。
今回はTシャツ2枚200gなので100gの乾燥コブナグサを用意。
左が大体100gの乾燥コブナグサ。結構かさばる。
煮出し
煮出して染色液を作ります。鍋に先ほど細かくしたコブナグサを入れ、ひたひたくらいに水を張って火にかけ、沸騰したら15分くらい煮出します。
15分経ったらザルと濾し布で濾して染色液を取り出します。これを数回繰り返します。
染色液はたくさんあった方が染めやすい、とのこと。
1回めの色。
鍋の大きさを考慮して、3回煮出して液を作りました。
3回目。薄くなりましたけど色は出てます。
絞り染め
Tシャツが2枚あるので片方は絞り染めに挑戦。
ミョウバン媒染したやつを
ネジネジして
タコ糸で固定します。
黄色なので菊の大輪になるようなイメージで。
いよいよ染めます
染色液に染めたいものを入れて15分煮ます。
今回はTシャツ2枚の他に、ヴォルガの毛とウコッケイの羽も一緒に染めてみました。
煮たら冷めるまでまって、軽く脱水したら、干します。
できたやつ
思ってた以上に鮮やかな黄色に染まりました!
絞りもご覧の通り、かっこいいでしょ
ウコッケイの羽、左染める前、右染めたもの
ヴォルガの毛も黄色に。これで毛糸にしたら面白いね!