スペルト小麦に魅せられて
ヒトと自然との共生
私は以前から動物王国のような場所を作りたいと思って活動しています。
他の生き物や自然と、人間がどうやって共存、共生していけるか。
サスティナブルな世界を。
ヒトにとって一番身近な生き物ってなんでしょう?
イヌ?ネコ?それとも米?トウモロコシ?
いろんな見方があると思いますが、見落としがちなのが菌ではないでしょうか?
今回取り上げるパンなどの発酵や乳酸菌もそうですし、私たちの体の表面の常在菌や、体の中、特に腸内細菌は太古のご先祖様の頃からズーーーーっと共生してきたわけで。
話は逸れますが話題のウィルスもDNA進化の一助になっている=共生しているそうです。
そんな古い付き合いの菌なのに、
菌の世界は見えない世界。まだまだ未知の部分が広がっています。
最近になってようやく、いろいろ、わかってきたところが出てきていますね。
ちなみに、腸内細菌の研究においては日本が割と進んでいるらしく、善玉菌とか悪玉菌とネーミングしたのも日本人の研究者なんですって。
スペルト小麦・天然酵母のお店
先日の沖縄視察で出会ったのが、天然酵母とスペルト小麦を使ったパン屋さん、シンプルパン。
ここのご主人と酵母、古代小麦、パンの話で数時間も居座って話し込んでしまいました。
パンが、、、絶品です。
特にこのこのノワ・レザンとカンパーニュ!
天然酵母を捕まえる
これも沖縄でいただいたアイスクリームバナナから天然酵母を起こしました。
酵母オーディション2022です。
天然酵母オーディション2020の様子はこちら
煮沸消毒した瓶に煮沸して冷ました水とバナナを投入。
(ちょっと糖分も足しました)
暖かいところに数日置いて。1日1回は蓋を開けて振ります。
気泡が出て酵母が繁殖しているのがわかります。
パンの香り(発酵香)がしていれば成功。
皮でも同様。
水と糖分だけ。これだけで天然の酵母が捕まえられるんです。
人間に都合の悪い菌が繁殖すると「カビる」「腐る」
人間に都合の良い菌が繁殖すると「発酵する」
メカニズムは同じ。
そう考えると酵母ってすごいですね。
酵母と一括りで言ってもいろんな種類の菌がいて、
その中に、炭酸ガスを出す(パンを膨らます)イースト菌がいたり
糖を分解して香りやコクを出す奴がいたりするんですよね。
ぶっちゃけどんな性質の菌がいるかはわかりません。
毒ではないけども。
だから、ある意味でちょっと危険。
菌を継いで飼い続けるのもいいけど、正体不明だし、もしかしたら害を及ぼす菌が繁殖してしまう可能性も十分にある、っていうことを知っておかないといけません。
よくも、悪くも、まだよくわかってないところが多い、菌の世界。
パンを焼く
捕まえた天然酵母でパンを焼きます。
初回は普通の強力粉、普通の白砂糖を使います。
そして、酵母の良さを最大限活かすためにストレート法で作りました。
12時間置いて一次発酵させます。
12時間後、約2倍に膨らんでいい感じです。
とりあえずパンの形にはなりましたが、ちょっと硬い。
練り方と発酵が足りなかったのかもしれません。
スペルト小麦で
強力粉でうまくいったので次はいよいよスペルト小麦粉で挑戦です。
強力粉よりまとまりが良いです。
柔らかいパンにしたくてがっつり練りました。
これで12時間発酵・・・しっかり発酵させるために温度もとって。
と、、、
かなり膨らんでるなぁ・・と思ってたら!
ベチョー!!
なんじゃこりゃあ!!
過発酵ですね。
どうやらスペルト小麦は強力粉に比べてグルテンが少ないんだそう。
グルテンはパンの生地を支える柱、構造物の役割を担います。
柱がゆるくて形を維持できず崩れてしまったんですね。
長時間発酵で、途中経過をよくチェックせずにいた結果です。。。
とりあえずべちゃっとしたまま焼きました。
気泡はちゃんとあるので酵母の発酵はしっかりしてますね。
ただそれに構造(グルテン)が少なくて支えられなかったと。
美味しくいただきました。
まだまだ修行が必要です。頑張る。