生体販売を考える。

国づくり, 犬猫

生体販売を考える

成長したら安くなる?

以前私はペットショップで働いていました。
今回は価値、つまり価格について考えていきたいと思います。
(ちょっとめんどくさいですがよろしければお付き合いください。)



デビュー直後の生後2ヶ月の子は高い値段が付いています。
それが、売れずにそのままでいると、値段が下がってきます。
生後2ヶ月で258,000円が
生後3ヶ月で228,000円、
生後4ヶ月で198,000円。
生後半年くらいになると半額128,000円(イチニッパー)ってところでしょうか。
1頭あたり1日3千円、価値が落ちている計算になります。

 10頭いたら1日3万円ロス です。

恐ろしく鮮度の落ちるスピードが速い生鮮食品みたいですね。

その先になるともう込み込み5万円!とか3万円セール!とかになります。
犬猫で金儲けしやがって!とか言われる方もいますが
そんなに儲からないですね。

なぜ値段が下がるのか。
 育ったらダメなんですか? 

育ってしまってダメなのか、育った方がいいのか。

海外では、
ある程度成長して、性格や大きさがわかってきた頃(生後5〜6ヶ月)
が、販売される価格のピークになる、と言われています。
それよりも若い、生後2ヶ月、3ヶ月では
性格も大きさも不確定要素が多く価値がつかない。と。

本当のところはどうかというのはさておき、一理ありますよね。
 ある程度成長した方が、むしろ、いいこともある 

若いうちから飼いたい!ってヒトもいますけど、
幼くて可愛い時期なんてあっという間ですからね。
じゃあその時期が過ぎたらもう価値なしですか?
若いうちから飼わないとしつけが入らないとか
成長期にきちんとした栄養管理と運動が必要とか
その辺の問題になってきますね。

日本人は農耕民族だから「若いのを手に入れて育てたい」
欧米人は狩猟民族だから「すぐ、使える、価値のあるものを手に入れたい」
という民族性が要因だ。とも言われています。
日本人にはロリコンが多くて、欧米人は成熟した女性を好むのも
(ボンキュッボーンってやつですね・・・表現が昭和)
その民族性からだという人もいます。

本当でしょうか?

私植物も好きなのでよく園芸店行きますけど
その理論がそのまま植物に適用されるなら
種とか苗の方がずっと高いはずですけど。。。
大きな鉢植えの方が高いですよ・・・?
育てるのに経費かかりますから、
むしろ高くなっていく方が自然な気がしますね。

オリーブなら一年一万円でしょうか。100年なら100万円しますね。
まとめ
成長しても特別ダメ、ということはない。
求めている人が多いだけ⇨需要を開拓すれば変わる。
成長したメリットをきちんと提案して浸透すれば変われる。

安くてもいい。「回転率」と「顧客の創造」

値段を下げて売ってしまいたいのはお店の方ですね。
他の商品に比べて、犬猫たちは場所をとります。
店舗スペース、ケージ数にも限りがあります。
「もっと小さくて売れそうな子が激安で仕入れられる!」
ってことがあっても、置く場所がなければ、泣く泣く諦めなければいけません。

安くして売ってしまって、新しく売れる子を仕入れた方が賢いですね。
商品回転率です。

特に生体は居ればいるほど経費がかかり、
一般的に成長する方が手間がかかります。

さらに言えば、生体販売では利益は出ません。
むしろ赤字経営になっているところもあります。
生体購入と同時に買ってもらうケージなどの用品、
その後の継続的フード、用品、トリミングの利用が
大きな利益につながるのです。
ドラッカーでいう「顧客の創造」ですね。

大型犬のトリミングは利益につながる。
まとめ
安くしてでも売れば顧客が創れる。
利益は生体ではなく用品とサービスで出ている。
高く1頭売れるより安く5頭売れた方がお店にはいい。
売れ残りは保健所に、、は半分都市伝説。
安くしてでも売って、顧客が作れた方がいい。




生体販売をやめたショップ。里親のお店

一時、生体販売をやめたショップが話題になりました。
生体販売をやめた代わりに、里親の子を置くようにした。と。
生体は顧客創造。用品・サービスで利益を出す。
なので生体は販売じゃなくても別にいいはずです。

ただ。
譲渡頭数が足りていない。

スタート当初は全国的にニュースで取り上げられたものの
経営は楽ではないという話も聞いています。
もし、そんなに儲けていたら、他が追随しないわけがない。
会社経営者の殆どは生体モラルより利益ですから。
儲かるとなったらさっさと生体販売を止めて
みんな食いつきます。「静観」されているのが何よりの証拠。

逆に「儲かるよ!」ってことがわかったら!
そっちにみんな流れていくってことですよね!
それが経済。それが資本主義ですから。
これはある意味ではチャンス。

物語を売っていこう

可処分所得⇨時間⇨精神

今回のBRUTUSで箕輪さんと前田さんの対談が掲載されていました。

以前は可処分所得(自由になるお金)を取り合う経済だったのが
スマホやPCが普及して、何に時間を使うのか、を取り合うようになった。
そして今は、何に心を奪われるか、を取り合う時代になった、というお話。
非常に面白い。すごい。

少し前から言われている、
「価値のあるもの」から「意味のあるもの」への推移。
物語が大事。

この時代の流れは生後間もないショップの仔犬仔猫より
(残念な経緯ではあるけれど)里親を待つ犬猫の方が有利になってくる時代でもある!
個人的に思っています。経営者の方、チャンスですよ。笑

動物王国の犬猫たち

まさに、物語が価値を持つ

動物王国が東京に進出していた時、
北海道に戻る、となった時も、
王国にいる犬猫たちをぜひ、飼いたい、という
お申し出があった。
王国の犬猫を愛し、当時の経営状況を察しての部分もあったと思います。
お申し出自体は非常にありがたいことでした。
しかし、やはり動物王国は人(飼い主)と動物との絆を大切にしてきた場所です。
彼らを愛してくれた気持ちは本当に有難かったですが
基本はスタッフが引き取り、一般のお客様への譲渡販売はしませんでした。
でもここで一番とりあげたいのは、
 ヒトが求めるものは犬種とか若さとかとまた別のところにある  ということですね。
「柴犬」が欲しいんじゃないんです。「ラッキー」が欲しいんです。
モノの価値ではなく、その子そのもの。その子の持つ物語。そこに価値があるんですね。

左母犬シグレ
右ラッキー

1頭1頭に物語は、ある!

生まれたその日から物語はスタートしている!

ショップにいる成長犬、里親を待つ子たち。
この子たちに需要が薄いのは、「物語の欠如」ではないかと思っています。
悪いかいいかは別で、知らない歴史、「闇歴史」です。
どんな生活で、どんな飼われ方をして、どんなストーリーを持っていたのか。
崖っぷち犬、話題になりましたよね。その後はちょっと微妙でしたけど
当時は里親希望が殺到したそうです。あの子には分かりやすい物語があったからですね。

崖っぷち犬 リンリン (wikipedia)

 物語をちゃんと添えて、里親もちゃんと価格を付けて売ればいいのではないか 
私は思っています。




動物王国のセントバーナードたち

昔動物王国でセントバーナードを産ませた時、
最初は「もうけるのが目的じゃないから」と無料で渡していたそうです。
すると、やれ病気だ、足が曲がった、しつけがきかないなどで
返品されたり、大事にされなかったことがあったそうです。

悲しいかな、人間はやっぱり、ある程度のお金を出した方が
大事にする傾向があります。
タダどうぜんでもらったカバンと、5万円のカバン、
同じように扱う人はほぼいませんよね。

それからはそれなりに、料金を頂くようになったのです。
里親でも同じようなことが言えませんか?
里親なら安く入手できるだろう?と思われていませんか。

 大事にしてもらいたいからこそ、
それなりの価値(価格)を付けて
お渡しするのがいいのだと思います。 

これもまたうまくいくかどうかわかりません。でも。
「里親も、物語をちゃんと付けて、それなりの値段で、販売する」
そうすれば、保護活動もしやすくなります。
軌道に乗れば、もしかしたら企業も乗り出してくるかもしれません。

里親はボランティア、里親は儲からない。
これが衰退している原因の一つだとも考えています。

私自身、全然やれてないし、口だけ野郎と言われても仕方ありませんが。
なので、これを見て、お、それいいじゃん!ってアイデアだけパクって
成功してもらっても全然構わないから書いてるんですけど。
多分、戯言と思って誰もやらないでしょうから。
言い出しっぺがなんとかやりたいなーと思っているんです。
やってみることから挑戦は始まると思っています。

売れない理由を他に求めてはいけない

ショップにいたころの話

「お前の店はよく売れるよなーいいなー」
そんなネタみ?やっかみのような愚痴はそこそこありました。
仲間なのであんまりキツイ言い方はしませんでしたけど、
それなりに努力して考えて行動してましたからね。
休みの日だからって昼くらいまで寝てる人たちと一緒にしてもらっては困ります。
それでも私は全然努力が足りないと思っています。
努力、してますか?

ところでキミは西野より努力をしているか?

この記事、最高ですね。ぐうの音も出ません。
里親とか保護活動をされている方たちは
その目の前の子たちをなんとかするのに追われて
睡眠時間や貯金を削ってやりくりしています。
どう売り上げを上げるか?
どうやったら儲かっているか
考える余裕が無さ過ぎですね。
頑張ってるのは本当にすごいと思います。
だからこそ、しっかり売り上げを出して、
儲かって、潤ってほしいと思いますね。

新しい言葉がまだ浮かびません

なんとなく横文字の方がスタイリッシュな感じがします

前回の続きですね。

ウェルフェア welfare 福祉
ベネフィット benefit 恩恵
フォーチュン fortune 幸運

前向きな言葉がいいんですけど、ちょっと飛びすぎてる感じもしますね。

相変わらず、まとまりのない記事だ。。。




国づくり, 犬猫

Posted by kyotako

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