レアな熱帯植物から多様性を考察する
ミルメフィツム・セレビカム
Myrmephytum selebicum
レア植物がまた一つ仲間入りしました。
ご覧のように、幹の部分がぷっくりと太った「塊根植物(codex)」です。
その名も「ミルメフィツム・セレビカム」
今回はこの新入りのヘンテコな植物から、
生きものの多様性について深掘りしていこうと思います。
ネットでも調べましたけれど、ほとんどsoldoutですね。
そしてまぁまぁなお値段。。。
ハーブガーデンポケットに遊びに行った際に偶然発見して入手できました♪
今、アツい!アリ植物!
よく見ると、塊根部に小さな穴があいています。
実はこの植物、いわゆるアリ植物と言われていて、
この塊根の中にアリを住まわせて共生関係をとる植物なのです!!!
こちらに、貴重なその中身の写真がありますので是非ご覧になって見てください。
ミルメフィツム・セレビカムの投稿画像 by あん里ガーデンさん||
🍀GreenSnap(グリーンスナップ)
名前の知らない花や植物の名前もすぐ検索できちゃいます。
先日農産物直売所で買った花の名前がわからず。
投稿したらわずか数分で回答を頂きました。
「ゴテチャ」だそうです。知りませんでした。
ご存知な方も多いかと思いますが、
アリは、特に熱帯地方のものはある意味で最強とも言える生きものなのです。
・肉食性・攻撃性・集団・大量
水中におけるピラニアなんかメじゃないくらい凶暴・凶悪。
(ピラニアは言われているほど凶暴では無いそうですがアリはガチでヤバイ!)
そんなアリに守ってもらえたらそんな心強いことはないですよね。
しかも、アリが巣に運ぶエサや排泄物が植物の栄養にもなります。
いやー考えましたよね!こんな植物があるんですね。
熱帯雨林や熱帯の海は栄養が少ない?
レア植物は育て方を含めて、情報が少ないです。
数少ない情報からどういう植物かを考察するのがまた、マニアックな楽しみと言えます。
インドネシア・ニューギニア島のナビレというところが原産の植物。
海の方でジンベイザメと泳げるダイビングスポットで有名な場所のようです。
この辺りは熱帯雨林(ジャングル)です。
年間通して暖かく、多様な生物がすむ一方で、栄養が少ないのが特徴です。
サンゴ礁が広がり、カラフルな熱帯魚達が泳ぎ回る熱帯の海も同様で、
栄養=プランクトンが少ないからこそ、水が澄んで見えるのです。
熱帯の海やジャングルは栄養が少ないのです。
意外ですよね!
生きものが多い場所ほど栄養が豊かだと思っていませんでしたか?
生きものの「多さ」の違い
これは、生きものの「多さ」の解釈の違いにあります。
生きものが多いには2種類あって
「種類」が多いのか「数」がのかで分かれます。
熱帯の海も、ジャングルも、生き物の「種類」が多い方ですよね!
栄養が少ない→同じ餌を取り合わない→種類が増える
栄養が多い→それを餌にする生きものが爆発的に増える→大量発生
熱帯の海やジャングルは餌や場所を棲み分けるのですね。
これを「ニッチ」と言います。
一方、栄養が豊富な場所はどうなるかというと、
プランクトンが爆発的に増殖して赤潮を引き起こしたり、
今、中国でも問題になっているバッタの大発生が起きたりします。
少ない餌や生息環境の奪い合いから多様な動植物が生まれるんですね。
ウツボカズラを代表とした食虫植物も熱帯性のものばかり。
少ない栄養をなんとか確保するために進化したのでしょう。
ニッチを埋める
アリ植物に戻りましょう。
塊根の部分にはトゲのようなものが生えていますね。
おそらくアリが登って来やすいようにしたり、
湿度を溜めて水分を補給するためのものだと思います。
(サボテンのトゲも似たような役割を果たします)
そして新芽の部分がボコッと取れてクレーターのように
なっているところがまた新しい出入り口になっているようです。
この植物、着生植物といって他の木や石にくっ付いて生きるようです。
着生蘭などと同じですね。
土に触れない分、栄養素が不足しがち。
だから栄養を運んでくれるアリに住んでもらうようになったのでしょうね。
いかがでしたでしょうか。
そんな植物の背景を知るとまた欲しくなって来ちゃいますよね!
今後も面白い植物を見つけたらレポートしたいと思います!
先日、香川照之の昆虫すごいぜ!でアリが特集されていました。(タイムリー!)
見逃した方は下記リンクより「6時間目」をご覧になってみてください。
アリの奥深さがより一層分かる番組でした。
香川さん・・・いや、カマキリ先生の攻め具合が好き。