ケンカと遊びの間

犬猫

自分なりの犬語解説。

本当なら動画で撮って「犬語」を「記録」していきたい。
ただ、本気のケンカになってしまう前に止めるのがマナーだし、
そもそもケンカをしないようにするべきだから
そういう機会はまずない。

「撮ってる暇があったらケンカを止めろよ」

ってなる。ケンカしている時に
「待って!録画しているからもうちょっと!」
なんて言うのはかなりひんしゅくだ。

今でいう、ドライブレコーダーや常時録画しているような
ライブ配信技術、スマホ撮影機能が進歩すれば
様々な「犬語」が記録される機会も増えることと思う。

ワン!ワン!(青信号)


ワンワン吠えている間は平和だ。
遊びや挑発で
「遊ぼうよ!」「来いよ!」
と言う時もあるし、
相手が本気で怒っている時に抗議として
「そんなムキになることないだろ?!」
と吠える時もある。
番犬ならば
「怪しいやつ!なにやつだ!止まれ!」
そんなところでしょうか。

いずれにしてもこの段階ですぐにケンカにはならない。

体を低くして「ワン、ワン」と間隔を開けて吠えるのは
相手を遊びに誘う挑発。

ケンカの時はむしろ毛を逆立てて
体を相手より大きく見せようとする。

ただ、声をあげすぎると相手も興奮してきて
その先の危険なステージに進みやすい、と言うのも事実。

柴犬は遊びの段階から声をすごく良く出す。
だからケンカに発展しやすいと思う。
「ギャワワ!」とか「ギャウギャウ!」という感じの声。

ウ゛ゥゥ〜(黄色信号)

本当に怒っている時は
「ワン!」とは言わない。
低く、お腹から絞り出すように唸り声をあげる。
「う゛ゥゥゥゥ〜・・・」
動きも少なくなり、じっと力を蓄えるように。
体温と心拍数が上昇して筋肉にATPが溜まっていく。

歯をむいているけど背中の毛はまだ逆立ってない。まだ大丈夫。

体がこわばり、背中の毛が逆立つ。
「俺はマジで怒ってるからな、
それ以上やってみろ、痛い目を見るぞ・・・」
歯をむき出し、威嚇する。


番犬気質犬種の犬はお気に入りのおもちゃを
守る時などこういう声を出す時が多い。
こういう時に、素早く手を動かしたり、
おもちゃに触れようとしたりすると余計に刺激をして、
「う゛ぅ゛!!・・・」
と1オクターブトーンが上がる。

優しい子ほど、この時間は長くなる。
威嚇することで本気のケンカはなるべく避けたいのだ。
「もうそれでストップしてくれ。
それ以上やったら本当にケンカになってしまうぞ!」
いわゆる「黄色信号」だ。

こういう時には穏やかに声をかけて
体に触れた状態をキープするとテンションが落ち着いてくる。
特におもちゃの場合は、取られる!と思って守るので
取られないし、ちゃんと返してもらえるし、と言う
信頼関係が作れればこういう行動は起こさないようになる。
じっくり、ゆっくり、お互いに理解しあっていけば大丈夫。

ケンカっぱやいやつは「黄色信号」の時間が短い。
「ウ゛ゥ・・」から次のステージの「ガウガウ」まで
わずか0コンマ数秒の時もある。
一瞬でスイッチが入ってしまうパターンだ。

ガウガウガゥ!(ゴングが鳴る瞬間)

本当のケンカになると、まずガウガウ声が出る。
まだ、取っ組み合いまでギリギリ、数秒の余地。
ボクサーだってゴングがなってすぐには殴り合わない。
ただ、お互い臨戦態勢に入ったことは確か。
ここでビビり同士なら、ガウガウしあって
運良く引き分けになることも稀にあるけど、
ここまでくると後には引けないことも多い。

柴犬はガウガウしやすいだけあって
この程度のことも日常的。収まることも多い。

この段階までくると、動物王国のような
集団生活をしていると他の犬たちも
「大変だ!ケンカだケンカだ!」
とばかりに一斉に集まってくる。

取っ組み合いスタート(赤信号)

上になったり下になったりして縺れ合って噛み合う。
そのままずーっと噛み合うことは少ない。
ガウガウ言う時に口が離れるので。
途中、パッと別れる瞬間もある。

この瞬間に止めるのも一つの方法だけれども、
皮膚感覚がとても過敏になっているので、
反射的に体に触れたものに
噛み付く可能性もあるので注意が必要。

毛が抜けたり、流血したりすることになる。

組み伏せた相手に唸り声をあげて
参ったか?降参しろ!と言う瞬間も見られる。
血や毛がついた歯をむき出しにして
「ウ゛ゥゥー!」と言う。

これはケンカではなく、順位確認行動の一つ

途中、もうだめだ!と
キャンキャン負け犬の声を出すことは
集団生活では危険信号になる。

どういう原理でそうなるのか私もまだ勉強不足だけれども、
その声が上がった瞬間、一斉にその負け犬を攻撃し始めるのだ。
止めなければ確実にその負け犬は命を落とすことになる。

対処法いろいろ

柵越し、リードなど、制限するものはむしろ危険

【檻の中、柵越し】
柵越しで動物に触れる、柵越しに動物(犬)同士を会わせる
のは非常に危険です。これは犬だけによりません。
彼らは安全が確保されることで、
気持ちが大きくなっていることが多い。

おい!オビ!調子に乗んなよ!こっち見やがれ!byシバレ
オビは絶対目を合わせようとはしませんが、
あまりビクビクしすぎても自分の威厳をそこねます。
落ち着いて匂いを嗅いで、マーキングを丁寧にしていくのです。

あのムツゴロウさんも、
関係者からの依頼や制限があったとは言え、
「柵越しでは触らない」という禁を破り、
柵越しでライオンに触れたがために、
右手の指を1本失う大怪我を負いました。

また、ペットショップに在籍していた時、
お客様が連れてきた犬に対して
ケージ内の犬がワンワン吠えてうるさい時がありました。

そんな時はケージの扉を開けてあげます。

え?そんなことしたら危ない?

いえいえ、てきめん、吠えるのを止めるし、
飛び出すなんてことはありません。
むしろ、
(え?!開いちゃった?!やばっ!静かにしとこ・・・)
と言う風になるんです。

囲われて安全が確保されていたからこそ、
調子に乗って吠えてただけで、いざ囲いがなくなると
むやみで無謀な行動は取らなくなるものです。

柵越しでガウガウしていても
柵がなくなれば無謀な行動は取らない
まさかの結果(これも遊びの一環です)

また、リードを付けられている状態も同様。

行動を制限されている状態はむしろリスクが高いことを
知っておきましょう。

リードで繋ぐことは飼い主が考えている以上に犬にとって重要なこと。

ドッグランにたまにあるルールで、
「入場時には必ずリードを付けて入るように」
とか、
「万が一のことがあったら怖いのでリードを付ける」
ことなどがありますが、
それをすることによって
繋がれた犬の緊張状態は普段以上に上がって神経質になる
ことを知っておくこと。
「やってはダメ」
と言うことではなくて、
「リスク(ガウガウ危険度)が上がるよ」
ということを知っておこうってことです。

お互い距離を取り合える、フリーな状態の方が
無用なストレスやトラブルを防ぐことになります。

リード以外にも口輪など行動を制限するものは
使い方を間違えると余計トラブルになります。

大声をあげる

ムツさんがお手本を示していた時がありました。

これから大声を出しますよ、と断ってからでも、
「ビックリしたぁ・・・」
って思うくらい、腹の底から超大きな声で
「ゴルァー!!!!!!」
って言うと、ケンカが止まります。
大きな音には犬の心拍数を下げ、
一瞬、冷静にさせ落ち着かせる効果があります。
中途半端な大きさだったり、連続して声を出すことは
興奮を増長させることにもなるので、
ただひたすら、短く、大きく。

この心拍数を落とす効果を利用して
ワンワン吠える犬に対して大きな音を立てる
しつけ法?もあるようですが、
これはケンカを抑える際の一時的な
対処法だけに止めておいた方が良いかと思います。
犬が吠えるたびに大きな音を立ててたら
その方が「ウルサイ」ですよね・・・

足を入れる?

手は巻き添えで怪我をすることがあるので
足を使いましょう、とよく言われます。
取っ組み合ってる2頭の間を引き剥がすように。

でも私は怪我をする覚悟を持って、手で行きます

小型なら一人で二頭を引き剥がすこともできますが
中型以上になってくるとなかなかしんどい。

傷も思い出

動物王国でも、ペットショップでもいろんな犬たちと接してきて
たくさん傷ができましたけれど、一つ一つが彼らとの
思い出となって残っているんだなーと思っています。

酷いものは何年経っても傷跡が残っているのですが
その傷を作った犬たちももう老衰で亡くなってしまっています。
傷を見るたびにその子との思い出が蘇ってきます。

悪くないものです。(変ですかね)

犬猫

Posted by kyotako

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