ルーシー法に注目

犬猫

世界のペット業界が注目

ルーシー法がまもなく施行

コロナウィルス騒動で世界中が
てんやわんやしておりますが、
冷静にペット関連の「アンテナ」は
張り続けていきたいと思っています。

来る2020年4月6日、
いわゆる「ルーシー法」が、
イングランドで施行されます。

ルーシー法とは
ウェールズにある繁殖メインのブリーダー、
いわゆるパピーミル(子犬工場)から1頭の
キャバリア、ルーシーが2013年に救出されました。
長い間狭い檻の中にいたことによる骨の変形や
てんかんなどが原因でルーシーは2016年に亡くなりました。
それをきっかけにパピーミルや、
ショップによる生体販売をなくす大規模な運動が
イギリスで広まりました。

これをきっかけに生まれた法律をルーシー法と呼んでいます。
2018年に発表され、
施行されるのが2020年4月6日からになります。
内容は

ペットショップ(第三者販売業者)による
生後6ヶ月未満の子犬子猫販売禁止

これだけ聞くとへぇーイギリスは進んでいるなぁ
で終わってしまいますが、せっかくなので
もうちょっとふかぼりしましょう。

今回の法改正のふかぼりポイント

世論が法律を作った

(大変失礼ながら)
たった1頭の犬がパピーミルで
亡くなったことがきっかけで
法改正にまでこぎつけたこと。

です。

非常に残念なことではありますが、
こうしている間にも、ひどい環境で
繁殖を強いられたり、虐待に近い状態で
飼育されている犬猫たちはたくさんいます。
もちろん、これまでにも。
でも、法改正に漕ぎつけたことはありません。

「なんでルーシーの時だけ?」

ルーシーを引き取った飼い主のリサさんが
SNSで発信し、パピーミル撲滅を訴え、
著名な獣医師や有名人、有力者を引き入れて
大規模なキャンペーンをうった結果なのです。
結果15万人もの署名を集め2018年には国会審議に。
そしてようやく、ついに、今年、施行されるのです。

注目の理由がお分かり頂けたでしょうか。

日本でもSNSでそういったニュースを見ることはありますし、
動愛法改正のたびにパブリックコメントを送る運動は見ますが、
ここまで明確に法律制定に漕ぎつけた例は知りません。

対象は「少数」の業者

A ban on the commerical third-party sales of puppies and kittens in England

こちらのサイトによれば、この法律によって
取り締まることができる第三者販売業者
(いわゆるショップ)はイングランドにある
63社だそうです。え?たったの63?

でもその63ライセンスから販売されている子犬子猫は
年間で4万〜8万頭とのこと、、、なんて数だ。

つまり少数の大手ペットショップが
年間4万〜8万頭の子犬子猫を世の中に送り出している
そういう構図が見られます。

おそらく、日本も一部の大手ペットショップ企業が
多くの犬猫生体を世に送り出していると言う、
同じような構図になっている気がします。

ペットショップ&関連企業の行く末は

自分で繁殖させた子犬子猫をブリーダーが販売していくことになります。
保険は?用品は?販売保証は?トラブルは?
これまでペットショップが行ってきた緩衝材的な役割も
全てブリーダーが行うことになるのでしょうか。
それとも販売契約以外の部分は提携したショップが行うとか?

また、これまで4万〜8万の子犬が毎年世に出されていたのが
減ったことによる経済的損失も少なからずあると思います。

日本の人口が減り、少子高齢化が進むことで
税制や年金のシステムが崩壊しつつありますよね。
ペット業界も同様に動物病院やペット保険、
フード、用品業界に影響が出ることは明らか。

生体販売に多くの問題があり、環境改善を訴えるのは大切。
でも経済活動を止めてしまわない方法は誰も考えてくれない。

今回のコロナウィルスの件もそう。
ウィルスを広めるのはよくない。
イベントや施設を中止することは抑制に繋がる。
でもそれによる経済損失については?
むしろそっちをみんなで
話し合った方が良いのではないか?

背景が違う

もともとイギリスでは生後6ヶ月未満の販売禁止や
販売業者のライセンス制など、
ペットの先進国であるイメージも少なくありませんでした。
今回の件で調べてみると、スコットランドのネット販売が問題になっていたり
今のイギリスの状況は以外と日本に似ているなと思いました。

イギリスのペットショップに並ぶ子犬たちは
ヨーロッパの他の国で繁殖された子達も多かったようです。
この法律を作ることで、
「海外のパピーミル→国内ペットショップで販売」
のスタイルを潰すことができますね。
それぞれのお国柄の事情もあるということ。

何れにしても日本の少し先を行く

海外ではこうしている、とか、海外ではこうだ!
と言う論調を目にすることがあります。
私も以前はそう考えていましたが、

ここは日本であり、みんな日本人だということ。

なんですよね。
ドイツには犬を保護して収容し、しばらく預かった上での
安楽死処分をする施設、いわゆる「保健所」はありません。
しかし、狂犬病の危険がある野良犬を
警察官が銃殺することは普通にあること(らしい)です。
路上でバンバン撃ち殺されて焼却処分されていたら
そりゃー保健所なんて必要ないですよね・・・。

銃社会、税制、経済、文化、、、全て違うのに
犬猫のことだけ他の国を見習って合わせることは
多分不可能なんだと思います。

ただ、全く関係ないから無関心でいろ!
ってことでもありません。

法律施行後のイギリスのペット業界動向にもまた
注目していきたいですね!

犬猫

Posted by kyotako

1つ星 (5 投票, 平均: 1.00 / 1)
読み込み中...