大地の犬、テリア

犬猫

テリア特集

いや、テリア多すぎでしょ

犬種ふかぼりで避けて通れない道ですね。
ついにやってきました。テリアです。
ある程度犬に詳しい人は、
「うわーテリア行っちゃうかぁ〜」
って思うはずです。というのも、
テリアってめちゃくちゃ数がいるんです。

JKCの3G:テリア ですね。
ここに挙げられているだけでも30犬種近くいます。
wikipediaに至っては60種以上の犬種が列記されています。

'テリア’とはラテン語のterra(地)が語源で
'穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬’
というグループになります。

ネズミ、ウサギ、キツネ・・・様々な小動物を狩るために
地面を走りまわった小回りの効く犬たちってことですね。

今回、全てのテリアをふかぼりするわけにはいきません。
他にはない切り口でまた攻めていこうと思います。

テリアはどこから来たのか

JKCサイト3G:テリアグループを解析

デカルトは言いました。「困難は分割せよ」と。
JKCで3Gにあった犬種は全部で32種。
うち、原産国がイギリス
(=「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」
つまり、ウェールズ、スコットランド、アイルランドも
含むってこと。以下「イギリス」と略す)なのが26種。
実に81.25%がイギリス原産です。

ほぼイギリスじゃん!

おそらく、ユーラシア大陸よりイギリスに
流入して、イギリスで大発展を遂げた、
と考えるのがこれまでの犬種ふかぼりの流れでしょう。

イギリス以外の原産国のテリアは?
ジャーマン・ハンティング・テリア
チェスキー・テリア
JKC:3Gに含まれる、イギリス以外の原産国のテリアは
イギリスにいたテリアから派生した「新しい」テリアたち。
つまり、
ユーラシア大陸→イギリス→ユーラシア大陸
逆輸入で作られたテリアたちになります。

テリアはどこから来たのでしょうか。

スピッツの流れ

スキッパーキという犬をご存知でしょうか。

ベルギー原産の犬で歴史上に登場したのは17Cと比較的
新しい種類ではありますが、おそらくもっとずっと以前より
こういった犬がいたということは想像できます。

(15C頃)本種は、ネズミやモグラなどの害獣をよく捕えることでも知られていた。

そう、テリアという名が付かないだけでその役割を果たしていた
犬たちは確実に存在していたんですね。

また、スキッパーキは元は番犬、牧羊犬としても使われていて、
獲物を追う牧羊犬気質飼い主を守る番犬気質小型化
テリアの成り立ちにつながったと考えられます。

思えば、昔飼っていた柴犬(小型スピッツ系)は
新聞紙や布の下にある「ガサゴソ」=小動物の獲物に
過敏に反応していたなぁと思いました。

ガサゴソに反応

 

牧羊犬の流れ

チベットの犬で取り上げたチベタンテリアも

Sebdenekだと推定されます(著作権の主張に基づく)投稿者自身による作品だと推定されます(著作権の主張に基づく), CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1465370による

wikipediaには’テリアと言われるがテリアではない’
と書かれてしまっていますが、
テリアの流れを作った源流にいることは確かだと私は思います。

最古のテリア

ボーダーテリア
イギリスに多くいるテリアの中でも最古と言われているのがボーダーテリア。

Charles J Sharp – Pentax 35mm with 300mm lens, Skylight filter, CC 表示 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1317331による

こういう古代犬種をみるとゾワッとしてしまいますね!
街中やドッグショーで見かけたら声をかけずにはいられない汗

ベドリントンテリア

ベドリントンテリア

独特なスタイルを持つベドリントンテリア、
見た目は羊のような風貌と例えられることもありますが、
実際気性が強く、その運動能力と体型からサイトハウンドの血が
入っているとも言われています。

まとめ:牧羊+スピッツ+サイトハウンド=テリア

ロシアのサモエド(スピッツ)→ジャーマンスピッツ
チベットのチベタンテリア(牧羊犬)→スキッパーキ
中東のサルーキ→ベドリントンテリア

こんな流れでしょうか。

ペストの流行

テリアが世界を救った?

昔からネズミを狩るのは猫と言われていましたが、
実際猫がネズミを狩るのは自分が食べる分+αだけです。
それでは「ネズミ算」と言われるように
爆発的増加するネズミに対してネコの駆除能力はほぼ期待できません。

一方、犬は捕食以外の理由でネズミを狩ります。

本犬のゲーム感覚(楽しい)もあると思います。
飼い主に指示されたから、というのもあると思います。
フリスビーを投げて持ってくる、
ボールを投げたらくわえてくる、
おすわりをする、フセをする・・・
いろんな「芸(ここでは敢えて芸と表現します)」
がありますが、これはイヌたちにとってあまりメリットがないことですよね。

ドーパミンが作用して行動を連続的に引き起こさせているのは
まちがいないですが(正のフィードバック)それは犬に限ったことではないはずです。

ドーパミンが分泌されるのは以下のようなときです。
・目標を達成したとき
・ほめられたとき
・新しい発見をしたとき
・嬉しい・楽しいと感じたとき
・感動したとき
・運動したとき
なぜ”達成感”を得ることが重要なのか?より引用)

他の動物には、

メリットがないのに人の指示で同じことを繰り返し行い、
それが犬の喜び、楽しさに繋がっている。

という行動はほぼ見られません。
単純にこの説明では済まされない
やはり犬には特別な「何か」があるんだと思います。

ペストについて

ネズミが媒介した感染症

ペストとはペスト菌が原因となって引き起こされる感染症。
皮膚が黒くなって亡くなっていく人が多かったため
別名「黒死病」とも言われていた。

GFDL, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=464932

死亡率が60%から90%とめちゃくちゃ高い。
人類の歴史の中でもっとも大きかったのは
14世紀に起こった世界規模の大流行で
当時の世界人口4億5千万→3億5万になったと。
1億人!20%の人が亡くなったそうです。
コロナウィルスの比ではありません。。。

歴史的にはこの14世紀以降、17世紀18世紀にも
流行はあったものの規模はだんだん小さくなり、
現代ではほぼ見られなくなりました。

古いテリア種もちょうど14世紀以降から
現れ始めているので、犬がペスト予防に一役買っていると
考えたいところではある。

私の勉強していた中では
ネズミがペストを媒介していたため、
ネズミ駆除で活躍したテリアが世界を救った!

というヒーローストーリーでした。

が、よく読むと、ネズミは中間宿主でそれに寄生するノミが
媒介すると書いてあります。

ネズミから犬猫にノミがうつり、ヒトにも広がった、
となると犬猫もペストを広げた片棒を担いだ悪者にもなる。

どっちが正解なんだ。。。

また、イギリスにだけ異様にテリアが多いというのも
まだ私の中で理由がはっきりわかっていません。

日本の「柴犬」のような感覚でしょうかね。
日本でも美濃柴、信州柴、山陰柴などいろんな柴がいましたが
今は(公認犬種としては)柴犬と統一されています。
その土地、その土地の地犬が一つの犬種として
独立していったような感じなのでしょうかね。

ジャックラッセルテリア

一緒に遊ぶならジャックしかない

お世辞にも飼いやすいとは言えない、
人気犬種ジャックラッセルテリア!
一緒にお出かけしたり、スポーツしたり、
アクティブな方には最高のパートナーになると言えるでしょう。

一回、パチッっとスイッチが入ったらもう止まらない。
その、瞬間的にONになることと、圧倒的な集中力を
うまい方向に使えば、他の犬種に追随を許さない様々なことを
やってのける素晴らしい犬種です。

その小さい体のどこにそんな無限大のスタミナが入っているのか。

大型犬は体が大きいから運動がたくさん必要で、
小型犬は小さいから運動は少なくていい?

冗談でしょ?そんなことを言う人は
このジャックラッセルテリアを知らないんだと思う。
むしろ大型犬の方が運動が少なくて済むわ。

動物王国の時にやった挑戦 その1

この素晴らしい犬種を使って、
私が仲間と挑戦したことが幾つかありました。
一つは「ルアーコーシング
小動物に似せたものを高速で走らせてそれを追う競技。
ドッグレースのようなものですね。

当然、コーシングで使用する器具などは高額で
買うお金もありませんでした。

思い出したのはミニ四駆。調べたところミニ四駆は
最高速度が50km近くなるとのこと。
これは犬の最高速度にも近いものがあります。
追いつかない程度に差をつければ似たようなことが
できるかもしれない・・・

芝生の広場にプラダンでコースを作って
挑戦しました!

直線だけでは面白くなかったんですよね。
競馬でもそうですが、醍醐味はコーナリングにあると
言っても過言ではありません。手間はかかりますが
敢えてコーナーを作りました。

飼い主であるスタッフが抑え、
ミニ四駆をうまく発車させるスタッフがいて、
撮影で待機する私がいて、
先にミニ四駆を走らせて、いい具合のハンデが
できたタイミングで犬を解放する。
なかなか、なかなか難しいんですよこれ!

結果。。。

速攻捕獲され破損。実験は強制終了。
ジャックラッセルの瞬発力&捕獲力、
ミニ四駆の路面状況の影響と弱さがわかった実験でした。

動物王国の時にやった挑戦 その2

アジリティと言って、犬が障害物をこなす競技があります。

そもそもこのアジリティは馬術競技から始まったと言われています。
動物王国には犬も、馬も、いるじゃないか。

人馬一体は普通。

人馬犬一体は動物王国ならではでしょ!

広場に牧草の塊を並べて
馬と犬と人と同時にアジリティをやるショーを決行しました。

その、貴重な瞬間をおさえた一枚がこちら

最高でしたね。鳥肌立ちました。

まだまだいろんな可能性を秘めるテリア。
私の憧れの犬種の一つです。
最後に私の友であり、尊敬する存在でもある、人と馬と犬の写真で
今回のふかぼりを終えようと思います。

犬猫

Posted by kyotako

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