マスチフの歴史を追う

犬猫

マスチフの歴史を追う

困難を極める

マスチフの歴史を追う!と宣言したものの、
想像以上に大変すぎてびっくりします。
泣きそうです。心が折れます。笑


もう世界史の勉強を一から初めている感覚です!
私が勝手に好きでやってるのでいいんですけどね。。。

絶対そこに犬はいたのに、資料やwebには
ほとんど触れられてない、書かれていないんですよ。

手に入る情報は場所も時代もバラバラ。
ジグソーパズルのピースがどんどん出てくる感じです。
どこをどう繋げていけばいいのかさっぱり・・・

おそらく、これまで、
ヒトと犬を軸にして歴史を
考察してきた人があまりいなかった
証拠ですね。

ここから先はジグソーパズルになぞらえて
これまで得た私のピースをバラバラに並べていきます。
時系列や整合性はまた後日、精査していこうと思います!

つまり、バラバラのピースがあるだけで
いったいどんな感じなのかはよくわからん。
というのが現状です。

ご理解のほど、よろしくお願いします。

アレキサンダー大王のピース

紀元前300年頃

初期のマスチフの歴史を語るのに重要な人物は
アレキサンダー大王でしょう。

アレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)

Giovanni Dall’Orto – 投稿者自身による作品, Attribution, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3136329による

紀元前334年(『さーさしっかり東方遠征』で覚えた)
マケドニアの王、アレキサンダー大王は
東のアケメネス朝ペルシャに侵攻を始める。
有名なアレキサンダー大王による東方遠征の始まりである。

紀元前326年(東方遠征を初めて8年後)ようやくインドの西端に到達する。
ここでインド王ポロスとヒュペダノス川畔の戦いが行われ、
アレキサンダー大王勝利。

マケドニア王国の最大版図
ヒュペダノス川畔、現在のジェルム川

そのインド王ポロスから贈られた大型犬の末裔が
ナポリタンマスチフと言われている。

ナポリタンマスチフ

それ以前の東方遠征の中では

ここまでのアレキサンダー東方遠征の中で、
犬の記述が見られない。

ヒト以外で出てくる動物は
アレキサンダーの愛ブーケファルスや
アケメネス朝ペルシャのダレイオス3世や
インドポロス王が使った『戦』だけだ。
(いや、そっちもかなり驚きだけど)

イッソスの戦い。左の騎馬がアレキサンダー&ブーケファロス

後述のように、すでにメソポタミアには
マスチフの原型となる犬が既にいたはず。。。
にもかかわらず記述に登場しないのはなぜだろう。
ウクシオンの戦い」、および「ペルシス門の戦い
があるが、ここには犬の記述はない。

アレキサンダー大王の進軍ルート。ちゃんとメソポタミアかすめてるじゃん。

:] Jniemenmaa, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=531485による

マスチフ、どこに行っとんねん!

と、思ったら、こんなサイトを発見

アレキサンダー大王の愛犬、Peritas

こ、これは間違いなくマスチフ!いるじゃん!
なんで出てこないんだー・・・
と、まぁこんな感じで振り回されています。

メソポタミアとバビロニア
よくこの二つの「地名」が出てくるのですが、
何が違うのかよくわかってないと余計ぐちゃぐちゃしちゃいます。
にたような場所を示していますが、メソポタミアって広い地域の
北のほうをアッシリア、南の方をバビロニア
と呼ぶみたいです。
テストやるわけじゃなし、だいたい同じ場所、あのへん!
ってことでいいと思う。笑

遺跡・遺物のピース

これは、、マスチフでしょ!

冒頭の壁画と逆に、

これはマスチフだ!

って見た瞬間に思う遺物もあるんです。

メトロポリタン美術館にあるマスチフの像


これはマスチフでしょう!
メトロポリタン美術館のサイトより。
このサイトによれば、紀元前2000年頃の中部バビロニアで、
カッシート人が作ったもののようです。

また気になる一文がこのサイトにありました。
’dogs were often associated with Gula, the goddess of healing. ’
「犬はGula(治癒の女神)と関連していた」
Gulaも調べてみました。
AncientHistory「Gula」より
'Originally Gula was a Sumerian deity known as Bau (or Baba), goddess of dogs. '
「元々Gulaは犬の女神Bauとして知られるシュメール人の神でした」
シュメール人!メソポタミア文明作った人たちですね。
さらに古代にさかのぼることができそうです。

古代メソポタミアのレリーフ


引用サイトはこちら
Dogs & Their Collars in Ancient Mesopotamia(古代メソポタミアの犬とその首輪)

うわ!これもマスチフじゃん!またメソポタミアじゃん!
記事の内容は首輪についての話がメインになっていますが
いや、そこじゃないっしょ!って突っ込みたくなります。
(まだ英語が不勉強すぎて全部読み切れてない)
ここでもシュメールとGulaの話が書かれていますね。

謎のピース

よくわからない情報

調べていくと気になる文章がヒットします。

紀元前1800~1000年頃、ヨーロッパの青銅器時代の遺跡にピレニーズに似た犬の絵が・・・
えー!青銅器時代に、すでにヨーロッパに
ピレニーズ(=マスチフ系)が存在したなんて、
アレキサンダー大王も真っ青じゃないか!

ってなりました。
後述のアレキサンダー大王の時代は紀元前300年代ですから
それよりも1500年〜700年以上前から
マスチフがヨーロッパにいたことになります。

マジか。

いったいどんな壁画のクオリティで
ピレニーズとか言っているんじゃい!

って調べまくりました。結果、
「ピレニーズに似た犬の壁画」そのものは
見つけられませんでした。。。(誰か見つけたら教えて!)

そもそも
「紀元前1800~1000年頃、ヨーロッパの青銅器時代」
ってざっくりすぎて。もう少し詳しい時代や
地名などを挙げていただかないと調べようがない。

ただ、壁画のクオリティの「参考」として下記サイトが見つかりました。
HAARETZ’3600-year-old Swedish Axes Were Made With Copper From Cyprus’

3600年前のスウェーデンで見つかった壁画だそうです。
紀元前1600年頃ということですよね。
その壁画がこちら。

牛・・かな。

吹いた。

このクオリティで犬の絵を書かれても
ピレニーズだかどうかわからないじゃん!!

その代わり?と言ってはなんですが、
同じ文章を使ったサイトはいっぱいヒットしました。

出処はおそらくこちらの本。(私は持ってない)

(本には壁画が載ってるのかなぁ・・・)

ヒットしたサイトは複数あって、

ワン・ニャン図鑑
グレート・ピレニーズ

老婆心ながら
引用元は記載した方がいいと思いますよ。。。

アレキサンダー大王が軍用犬として使っ・・・た?

いろんなサイトを見ていると
アレキサンダー大王が軍用犬として使った
というような記述がちらちらと見られますが、
wikipediaにはそのような記述はどこにもありません。
「○○の戦い」というページでも、そこにある絵画にも
犬の姿は見ることができないのです。

もちろんwikipediaが全てではありませんが。。。

謎のピースに惑わされることも多いのは事実。

モロシア犬のピース

モロシアってなんだ

前回記事のに出てきた
「モロシアン・タイプ」って何でしょう。
なんか、知ってて当然のようにさらっと出てきましたけど。

モロシア人
古代ローマ時代(紀元前1世紀頃)の地理学者、
ストラボンが書いた歴史書によると
エピルスという地域を支配する14部族の中で
もっとも有力な部族のことであるらしい。
おそらくそこで飼われていた犬の
ことをモロシア犬と呼んだのだと推測されます。
エピルスはギリシャ西部の地名。

また、下記二つのサイトよりわずかばかりの
モロシア犬の姿が確認できます。
左:既にこの地球上にいない絶滅した犬種16選
右:JenningsDog

モロシア種はギリシャ北西部のエピルス原産で
紀元前168年にローマに略奪された、と書いてあります。
'The Molossian breed was native to Epirus in northwestern Greece, which was sacked by Rome in 168 BC’

時代的にはアレキサンダー大王が持ち帰った
犬が起源になっているのかもしれませんね。

チベタンマスチフのピース

元祖マスチフといえばこの犬

これまでの歴史の話とまた全然別で
マスチフの起源はチベットのチベタンマスチフと言われています。

チベタンマスチフ

アレキサンダー大王の記事を見ても、
ネパール、チベットまでわずかのところですよね。
彼が持ち帰った犬の祖はやはり、チベタンマスチフなのでしょう。

 

以上、集めてみたピースをとりあえず並べてみました。
古代ローマ、カエサルが軍用犬として使ったのも
このずいぶん後の話になります。(紀元前100年くらい)

また時系列と場所を精査して調べていく必要がありますね。。。

 

にしても、世界史、英語、地理、、、
大人になってこんなにも苦しめられるとは。。。
もっとちゃんと勉強しておけばよかった。

犬猫

Posted by kyotako

1つ星 (2 投票, 平均: 1.00 / 1)
読み込み中...