ペット用シャンプーバーの作り方 準備編

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ペット用シャンプーの作り方 準備編

コールドプロセス製法Cold process manufacturing method

石けんを作る方法はいくつかあるのですが、石けんの正体

油脂+アルカリ なんです。

コールドプロセス製法は熱を加えず、この反応熱だけで石けんを作る方法です。

石けんを粉にして再整形する方法を除けば、最もシンプルで原始的な石けんの作り方です。

 

今回、私は初めて石けんを作りました。
実際に作っていく経過や困ったこと、必要だったものなどをまとめましたのでこれから作ろうと思っている人はぜひ参考にしてください。

 

準備 (道具編)tool

さぁ作ろう!とする前に、道具が必要になります。
ポイントになるのは後述する苛性ソーダ(強アルカリ性)を使うということ。

素手で触ったり、目に入ったりすると非常に危険な劇物です。

また、鉄やアルミの道具は腐食してしまうのでステンレス、プラスチック、ガラス製のものなどを使うようにしなければなりません。

ゴーグル(必要度★★☆):飛沫が入らないようにするためのものです。
メガネやサングラスを掛けていれば、、とも思いますが、万が一がありますからあったほうがいいと思います。

マスク(必要度★):これは普段持ってるもので十分でしょう


ゴム手袋(必要度★★):苛性ソーダは素手で触るのは厳禁です。
これの他に使い捨ての薄いやつもあると便利かもしれません。

エプロン(必要度★☆☆:汚れてもいい服ならOKですが肌が露出しているものはNG

ガラスのビーカー&かき混ぜ棒(必要度★★☆):苛性ソーダを溶かすもの

ビーカーはコップで代用できても、マドラーって金属が多いですよね。
普段使いの食器でもちゃんと酢で中和して洗えば問題ないのですが、
そんなに高いものではないので買って損はないと思います。

温度計(必要度★):1個は必要。ステンレス製かガラス製

二つ必要と書いてあるところもありますが、私は1本を使い回しました。アルミ製はNGです。

ボウル(必要度★):ガラス製が理想

油脂を湯煎にかけるので耐熱性のものを。

泡立て器(必要度★):ステンレス製

使い終わったら洗えばいいので普段家庭にあるものでもいいですが、石鹸作り専用のがあると便利。

ブレンダー(必要度☆☆☆

初心者は泡立て器だけで作った方がいいんですって!!
私はアマゾンスーパーセールに合わせて買ってしまったよ汗
まぁ別に他でも使い用があるからいいんだけどさ。

石鹸生地の中に突っ込んで使うので、金属製は避けたいのと、エア抜きがあるものがいいそうです。空気が混ざると良くない。

牛乳パックなど石けんを入れる型になるもの

作った石けんを流し込む型です。もちろん、作る量によって大きさが必要です。
初心者は牛乳パックがお手頃で良いと思いますが、専用のモールドも売られています。

スプレーボトル

モノはなんでも良いのですが、苛性ソーダを使用した道具を洗う時はお酢をスプレーに入れてシュシュッと吹きかけ、アルカリを中和してから洗う必要があります。

 

道具はだいたいこのくらいです。細かく言えば湯煎にかける用の鍋や石鹸をカットするナイフなどがありますが、一般家庭にありますよね。代用できるものも多いですが、石けん作り専用に、と、一式全部揃えるとなるとまぁまぁかかります。

準備 材料編 material

道具に続いて、次は材料

油脂

いろんなオイル(油脂)がありますが、常温で液体の油、例えばオリーブオイルだけで作ったりすると最後の行程で固まりにくくなったりします。油脂によって泡立ち、洗浄力、出来上がりの石けんの硬さなどが変わってきます。油脂の配合が石けんの特性を決めるのです。

どの油脂をどのくらい使うかは後述。

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)

劇物なので薬剤師さんがいる薬局でしか販売していません。
購入するには身分証明書印鑑が必要で使用目的などを書かされます。
まぁ逆に言うとそれさえクリアすればだれでも買えます。

量や値段もまちまち。買いに行く前に薬局に問い合わせるといいと思います。

精製水

普通の水道水や煮沸した水でも作れると思うんですけど、私は精製水を使いました。
不純物を含むとあまり良くないんだと思います。

材料は以上です。

 

どの油脂をどのくらい配合したら良いか?

こちらのサイトでは油の鹸化価と特性が一覧になっています。

こちらのサイトでは使用する油を入力すると脂肪酸組成が出て、チャートで出来上がりの石けんを評価してくれます。

ちなみに、私は、ペット(犬)用に特化して作ろうと考えたので
オリーブオイル、ココナッツオイル、ラード、パームオイル、みつろうを使いました。

ヒト用なら植物性が良いとされていますが、犬用にするなら動物性油脂があったほうがよく、さらに不飽和脂肪酸が少ない豚(ラード)が良いとのこと。
ラードは豚肉の脂から抽出しました。

私が今回作った石けんは

オリーブオイル、ココナッツオイル、ラード、パームオイル、ミツロウ

を原材料としました。脂肪酸組成と評価は以下の通り。

脂肪酸組成 含有量(%)
カプリル酸 1.6
カプリン酸 1.3
ラウリン酸 10.0
ミリスチン酸 6.3
パルミチン酸 16.7
パルミトレイン酸 0.9
ステアリン酸 5.3
オレイン酸 49.3
リノール酸 8.7
リノレン酸 0.4
リシノール酸 0.0
エイコセン酸 0.0
その他 0.0

 

特性 ポイント
肌適性 6.9
洗浄力 7.6
起泡力 7.1
硬さ 6.7
崩れにくさ 7.1
安定性 6.9

ペットに優しく、と言うのも大切なのですが、泡立たなくて汚れが全然落ちないと意味がないし、柔らかすぎてすぐ溶けちゃったら洗えないし、この配合を考えるのがとても時間がかかりました。ペットの毛&皮脂、油脂の特性から洗浄効果、脂肪酸まで色々勉強して、やっとこの配合にたどり着きました。

 

作るのに結構な時間と手間がかかるので、「ちょっと試しに作ってみよう」がなかなか難しいんですよ・・・

 

長くなりましたので、次回、行程編に続きます!

 

参考
脂肪酸による石けんの性質
ペットソープを作る

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Posted by kyotako

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