いのちと暮らす
ヴォルガ、その後
応援してくださった皆様、ありがとうございました
ヴォルガの子犬たちは、残念な結果となりました。
結果としては、陣痛「超」微弱。
「というかほとんど陣痛を感じていなかったんだろうね」
と執刀してくださった獣医さんは言いました。気がつけば胎盤の一部が少し出てきているような状態で、、、陣痛促進剤を注射してもらってもかんばしくなく、その日のうちに帝王切開をしたものの、子犬たちは助かりませんでした。
予定日に帝王切開していたら、、、という話もあります。
でも、いきものに「たら」「れば」は厳禁。
結果論でしかありません。
術後のヴォルガを見に行った時に、摘出した子宮と子犬たちを見せてもらいました。術後の母体に負荷が大きすぎるとのことで、結局子宮も摘出することになったのです。
先生は、見ます?と遠慮がちでしたが、見ないという選択肢はありませんでした。ちゃんと見届けないといけない、目をそらすなんてあり得ない。という気持ち。
すごくショックを受けました。案の定。
出産目前だったので当たり前なのですが、子犬はもう完全に、子犬でした。ちゃんと育ってた。。変な日本語でごめんなさい。でもそう思ったんです。本当に、もう、あと少しだった、、、
痛恨。
言葉が出ませんでした。
絞り出すように、
「ありがとうございました」
と頭を下げ。
ヴォルガが助かっただけでも。そう、思わなきゃ。そう思うように。
でも、、、うん、、、
昔は庭先で犬が子を産んだとか、野良の子犬を拾ってきちゃった、なんて話がよくありましたけど。動物愛護の文化も進んで、犬の繁殖もそう簡単にできるものではなくなりました。いいことですけどね。
ヴォルガを迎え、資格を取得し、動物取扱業の取得申請をして、、、北海道に行き、交配、出産準備、、、。
数年がかりで、一つ一つ、コツコツと積み上げ、準備してきたプロジェクトが、足元から崩れ去って行きました。時間的なこと、積み上げてきたもの、、、
「残念だったね」「これも勉強だね」
なんていう言葉ではとてもとても、、、消化しきれないほどの。
生き物相手のこと、「絶対」はないし、ハードルがいくつもあることも承知の上だったのですが。。わかってはいるんですが。
たとえここで子犬が無事生まれていたとしてもゴールではありません。
それから先もまだ、子犬が丈夫で健康に育つか、ハンデを持って生まれてくる可能性も。
だから、「普通に」「生きてる」って、すごいことなんですよね!
生き物や自然を相手にしている時点でギャンブルみたいなもので。
もうそれも長く生き物に携わっているので承知していることなんですけれども。
出産に備えて仕事もかなり休んでしまっていましたし、
肉体的、精神的、経済的にもかなり追い詰められた状態になってしまいました。
これから先、どうするかぁ、、、
ぼやっとしてる暇はないんです。ヴォルガの手術代稼がないと。
ヴォルガを退院させてきましたが、ひくくらいの高額請求がきました。。。ペットには国民健康保険みたいなものがないのと、たとえ任意でペット保険に入っていたとしても出産関係は病気じゃないので保険が適応されないものがほとんどです。。。ヒィィ
ヴォルガ、おかえり
いきもの相手の仕事は想像以上に厳しいものです。
「理想の暮らしの作り方」、、、遠い、遠いなぁ、、、
思い出す名もなき子犬たち
昔、王国にいた時に、生まれて3日で亡くなった子犬を思い出しました。
その日、私は宿直の日で、寝ずの番です。
どこか痛いのか、寂しいのか、子犬はずっとミューミュー鳴いているんですね。
でもどうしてあげることもできず、ただ、声をかけ、撫でてあげるくらいしか。
翌日、その子は息を引き取りました。
「この子なんのために生まれてきたんだろう・・」
なんて空を見上げるのは精神が弱ってるなまっちょろい考えで。
生きるものたちは生まれた時から生存競争の真っ只中の命がけ。
生きたくても生きられないものたちがたくさんいて。
たくさんの命の犠牲の元に自分は生きてる。
それが自然。優しい面もあれば厳しい面もある。
今回の子犬たちも、私が望んで、招いたこと。被害者ヅラは卑怯だなと思い直す。
そういう子たちのためにも、生きてるものは、一生懸命生きなきゃならん。
そうでなければいつかあの世に行った時に彼らに会わせる顔がない。
2004年に動物王国に仲間入りしてもう18年、いきものに携わってきた。
もう、逃れられないほどたくさんのものを背負ってきた。
今回、またそれが増えた。
彼らの命を背負って、これからも、一生懸命、恥じない様に、生きる。
それを、いきものを扱う者の責任だなと、私は思っている。