庭の雑草から生物多様性を見る

植物, 生きもの

生物多様性を考える

この季節の厄介者?

みなさん「ヤブガラシ」って知ってますか?
名前は知らなくとも、その姿を見たら、
「あー、これかぁ」と思う人もいるかと。

見たことありません?
今の時期、綺麗な粒々の花を咲かせます。
この小さな花、実は蜜が豊富で蜂や蝶などいろんな虫を集めます。
特に蜂が多く集まるイメージ。
写真に写っているのはアシナガバチです。

別名「ビンボウカズラ」という
とっても残念なネーミングをもつツル科の植物で、
庭の手入れをする余裕がない、貧乏な人の庭に生えるからだそう!汗
なんて失礼な!

ヤブガラシ(wikipedia)

全く食べる気はありませんが、一応食用にもなるそうです。。。
庭の厄介者ヤブガラシを食べる
駆除するのも大変で、根が残っていたらどんどん増えちゃいます。

地下茎は横に長く伸びるため、一度広がってしまうと、その土地から完全に取り除くのは難事である。(wikipediaより)

お隣さんとの境に生えていて、
根っこはお隣さんのところなので、より駆除は難しいでしょう。

蜂もいっぱい寄ってくるし、なんだかなーと思っていました。

事件です

そんなある日、事件が起きました。
ふと見ると、あんなに生い茂っていたヤブガラシが・・・

見事なくらいに丸裸です。たった1日でですよ。

そして写真下のブロックをご覧ください。
アップは控えますが、明らかに何か「フン」らしき黒い粒々が。。。
それもかなり大きめの。

犯人特定

あまりにショッキング?なのでモザイク処理をかけさせてもらいました。

セスジスズメという蛾の幼虫です。
見たい人は各自自己責任でググってください。

何よりも驚くべきはそのサイズ。
大きさ約8センチ。大人の人の中指くらいあります。
ある程度虫に耐性がある人でもギョッとしますよね。
幼虫はその異常な食欲で爆発的に成長します。

これが畑に現れると、数日で丸裸にされてしまいます。
サツマイモやサトイモなどが狙われるそうです。

ヒトからしたらめちゃくちゃ迷惑な害虫ですよね!

生物多様性を考える

爆発的に成長し、根絶が難しいヤブカラシ、
異常な食欲で葉を食べ尽くすセスジスズメの幼虫

人間からすると両方厄介者ではありますがー

セスジスズメがヤブカラシをガンガン食べてくれれば
畑の作物食害は多少なりとも減るはずです。

ヤブカラシを根絶しちゃうと、
食べるものがなくなったセスジスズメはその爆発的な食欲を
ヒトが作った大切な作物に向けてくるでしょう。。。恐ろしい・・・。

逆にセスジスズメを農薬などでガンガン殺すと
今度はヤブカラシの天下です。
食害される天敵がいなくなってどんどん繁茂するでしょう。

ヒトに対して害のある側面だけを見て手を下すと
そこからバランスが壊れて引くに引けない道になるんですね。

映画「ビッグリトルファーム 」でも
ニワトリを狙う憎きコヨーテを駆除しようとすると、
畑を荒らすモグラやウサギなどが激増し、より悪い結果を招いたと。

そういうバランスを知った上で、
行動していかないとダメですよね!という話です。

自然は非効率

実(タネ)は食べられる前提

多くのフルーツがそうであるように、
植物の実は他の動物に食べられて、タネが運ばれる結果、
それが生き残り戦略、繁栄につながるので
「食べられる前提でできるもの」
と考えられています。だから美味しいんでしょうね。

「どうぞー美味しいですよー食べてくださいー」
って。分りやすい。

マンボウの場合

ところで、マンボウという魚をご存知でしょうか。

この魚、1回で3億個も卵を産むそうです。やばいですよね!
でもそれが全部育ってしまったらさすがに広大な海でも
マンボウだらけになってしまいます。

生き残るのはわずか2匹くらいだそうです。
残りの299,999,998の卵か幼魚は
他の動物の犠牲になる前提で産んでいるんですね。

これは先のフルーツと全く同義ですね。
2匹が生き残るために他が犠牲になるケースもあるでしょう。

小魚が群れるのも同じ理由で

群れて大きくなれば目立って狙われやすくなります。
しかし、多少の犠牲は出ても生き残る者が多ければOK。
ある程度犠牲が出るのはやむなし。
そういう生き残り戦略なんですよね。

そう考えると
自然界の多くは非効率的にできていると言っても過言ではありません。

私たちの体の消化・吸収のメカニズムでさえ、
「10食べたら1吸収して9捨てる」
そんな仕組みになっているんです。

詳しくはこちらを。

 

「自然の恵」とはよく言ったもので、
自然界は「Give」で成り立っているんですね。

他者に与えることで自分たちが勝つ。

 

今の人間の多くはTaker

いまある第一次産業の多くは、
効率よく効率よく作物や収穫ができるように努力がされています。
搾取する者=Taker(テイカー)ですね。

Giveで成り立つ世界に現れた究極のTaker(テイカー)それが人間。
そうすると、バランスが崩れてどこかでしっぺ返しが来るんですね。

 

私は、
今こそ
逆の方向を目指すべきなのではないかと考えています。
それが唯一、ヒトが勝ち残る道であるとも思います。

皆さんはどう思いますか?

植物, 生きもの

Posted by kyotako

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