真菌とは

犬猫, 生きもの

ペットショップの天敵

真菌症を考える

ペットショップは何かと悪いイメージにされがちですが、
ある意味「商品」なので、大事に扱わないとビジネスとして成り立ちません。

万が一にも病気の犬猫を販売してしまったら
このSNSが発達した時代に、逃げきれるわけがありません。
健康な子を渡してトラブルがないほうがいいに決まっています。

そんななか、かかったら困る病気のトップが「真菌症」です。

人間で言うところの水虫、「カビ」ですね。

それで命を落とすようなことはほぼありませんが、
犬猫は全身毛で覆われているので、その部分がごっそりハゲます
菌が収まり、毛が生えそろうまでに数ヶ月、
時に1年以上かかることもあります
当然そうなれば、
若ければ若いほど高い値段がつく生体の世界、評価額はガタ落ちです。

免疫力が弱い子犬、子猫の時に一番かかりやすく、
同様に免疫力が弱い人間の子供や高齢者にも感染ります。

もう、一言でいうと、厄介

それが厄介で済まされればいいですが、
これが原因で廃業になるブリーダーがいるくらい、深刻なものです。

皮膚の常在菌を見てきたので今回は真菌症をふかぼりします。

真菌とは

これまで取り上げてきた細菌と真菌の違いはなんでしょう?

ラッパのマークのホームページにいい説明がありました。

病原体:ウイルスと細菌と真菌(カビ)の違い

前回まで扱っていた「細菌」は核膜もなく菌の簡易バージョン。
真菌は核膜やミトコンドリアなどを備えた「細胞」です。
私たちと同じレベルの細胞を持っている生き物ということですね。
まじめに言うと、細菌は原核生物、真菌を真核生物と言います。

パンやみかんにはえるカビも、お風呂にでるカビも、
チーズにつく白カビ、青カビも、麹も、みんな、「真菌」です。

動物や植物も朽ちてくると菌類が分解をしていきます。
分解の過程で人に害がないと発酵、害があると腐敗と言います。

弱っているから菌がついて分解しにかかってるってことですね。
そう考えるとちょっと怖いです。

いろんな「真菌」がいる中で、動物について悪さをする犯人は
犬で70%猫では98%が
ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)だそうです。

By Medmyco at English Wikipedia – Transferred from en.wikipedia to Commons., CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48280378

お、おぅ、、こんな感じね。
なんか想像していたのとだいぶ違う。。。

真菌は常在菌

小学生がやるように、
「うわ!俺、触っちゃった!」「ばいきーん!」「えんがちょー!」

みたいになりがちですが、(実際、ショップでもそんな感じに・・・)
真菌はその辺に普通にいて、触れただけで真菌症が感染るとか
そういうものではありません。

真菌感染における自然免疫活性化の分子機構
こちらから引用させていただきますと、

真菌の大部分は土壌などの環境中に存在しており,
空気中には真菌の胞子や乾燥した酵母が浮遊している.
これらは体表に付着したり,吸入されて体内に侵入することがあるが,
ほとんどは感染を起こすことはなく,感染を起こしたとしても免疫機能が正常であれば,
排除されるか常在菌として存在する

いくら言っても、プロのショップのスタッフにさえ、なかなか理解してもらえない。

「でも、感染るんでしょ?」

普通にその辺にいるから、感染るっていうのも違うんだよなぁ・・・

蛍光

真菌の簡易的な検査としてブラックライトを当てると患部が光ります。
これは真菌が代謝によって生成するプテリジンに起因するとあります。

ショップにいた時は全店にブラックライトが用意されて、
感染チェックに使っていました。簡易検査でどこまで信憑性があるのかと
思っていましたが、wikipediaにもちゃんと書かれていましたね。

チーズとかも光るのでしょうか?

猫に多い

これは完全に経験則ですが、
(子)犬よりも(子)猫の方が真菌になる子が多いです。

皮膚の常在菌の違いからでしょうか。

猫にカビが生えた!?皮膚真菌症の症状と原因、対策を知ろう!

抗菌剤を塗る、飲む、薬用シャンプー、殺菌灯
この辺りが今できる対処法なのですが、
常在菌なので駆逐することもできないですし、
やたらと殺菌消毒しても他の常在菌をも無くしてしまうことで副作用も出てきます。

腸内細菌を整えて免疫力を高めると言う意味で
毎日乳酸菌(ヨーグルト)を取るとか
ショップではビオフェルミンを毎日ご飯に混ぜて食べさせてました。

ビオスリーH 36包

科学技術がいくら発達しても、
身近な菌と仲良くバランスを取るのがいかに難しいか。
ということです。

 

犬猫, 生きもの

Posted by kyotako

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