自然とバランス
自然の健全性
奈良県高野山の麓
先日、奈良県高野山の麓を視察しに行ってきました。
なんとなーく綺麗だなぁ、自然はいいなぁと思う風景ですが
病気だったり、虫食いだったり、枯れている植物はほとんどありません。
うちで育てているきゅうりはヒョロヒョロで実をつけません。
根元の方はうどん粉病にやられて葉も落ちて黄色くなっています。
これは自然の新陳代謝があるからで、
動物も植物も、病気になったり、弱ったり、死んだりするものは、
すぐに分解されてなくなってしまいます。
最近借りた本でもありましたが、私たちの排泄物や
死骸などが食べられて分解され、また植物の栄養になっていく、
『下りの食物連鎖』ですね。
そこで活躍する「掃除屋」は、多くの人たちにとっての嫌われモノ。
ダンゴムシ、ゴキブリ、フンコロガシ、ウジなどの幼虫、カビやキノコなど。
私たちの真逆にいる存在だからこそ生理的に無理!ってなるのかもしれません。
どうあがいたって、私たち人間も自然の循環の中でしか生きてはいけない、ということです。
ナウシカ、好きです。
北海道中標津でみてきた子犬たち
ヴォルガの生家、中標津でみてきた子犬たちは森の中を自由に駆け回っていました。
本当に微笑ましい光景ですが、これを都会で見ることができません。
それは自然が無いからという意味ではなく、
感染症のリスクがあるから
です。
ペットショップは今のコロナ対策と同じ
都会のペットショップに行くと、1頭1頭別々で
マンションのようなゲージ内で飼育されています。
これは感染症予防のためです。
ペットショップは犬猫たちにとっては「3密状態」なのです。
パルボのような感染力・致死率が高いウィルスが
持ち込まれると、「クラスター」が発生してしまいます。
そうしないためにどうするか、
1頭1頭、隔離してソーシャルディスタンスを保ち、
トイレや食器の共有(濃厚接触)は厳禁。
まめに消毒をして感染を予防するのです。
本当に、今のコロナの状況と一緒です。
三密を避けると言う意味では、
外に散歩に出すことは認められてもいいはずなのですが、
ペットショップでそれをやると、「病気が!」「感染症が!」と言う人がいました。
(多分今でもそうでしょうね!言うならばペットショップの自粛警察です)
新型コロナウィルス同様、屋外では紫外線や湿度によって
ウィルスもそう長いこと生きていられないor感染リスクが極端に落ちるのではないかと思います。
無菌=清潔では無い
「清潔にする=無菌にする」と思い込む人が多い。
大学の研究室なら話は別です。
「実験」とは余計な要素を全て排除して、
条件を一致させた上で比較しないと正しい結果が得られたとは言えない。
自然界には排水溝や沼の底などにアメーバは存在するけれど、
実験室のシャーレの中で育てるには徹底的に消毒をしていかないと、
あっという間に溶けて死んでしまいます。
ペットショップは実験室のシャーレを一生懸命作ろうとしているのに似てる。
無菌状態を必死で作り出そうとしている。
本当の意味での清潔とは
良い菌も悪い菌もそれぞれ沢山いるけれど、
バランスが取れていること(恒常性)を言うのだと思います。
難しいように思えるけど、
私たちを含めて哺乳類の腸の中はみんなそうなっているはずなんです。
善玉菌と悪玉菌が両方、バランスよく存在している。
私たちも自然の一部ですもんね。
家畜が多い場所や国でコロナ感染率が少ないと言う事例も報告されています。
理由はまだ明らかになっていませんが。。
私たちの理解の及ばない、清潔さ、バランスがあるんだと思います。
人工的に作り出すのは難しい
この「バランス」を人工的に作り出すのはとてもとても難しい。
だから
ペットショップでも、
実験室のように無菌状態にする方が手っ取り早いんです。
農業でも
一旦土を無菌状態にしてから必要な肥料を入れる方が手っ取り早いんです。
医療でも
とりあえず抗生物質で腸内細菌をリセットしちゃう方が手っ取り早いんです。
でも、このままじゃダメかもしれない、ダメなんだ、ってことに
最近、ようやく気づいて来たところ、ですよね。
アクアリウム、苔テラリウムも
自然をそのまま切り取ってくるインテリア。
魚が出す食べ残しやフンをバクテリアが分解して綺麗にしてくれれば
水換えや掃除やお手入れを減らすことができます。
微生物と仲良くなってバランスを作り出すことが
これからの課題になってきますね。
それは生き物の健康や農業、アクアリウムなど
いろんなシーンで役に立つことになるのは間違いありません。