皮膚の常在菌

犬猫, 生きもの

皮膚の常在菌をふかぼり

菌がいるのは腸内だけじゃない!

これまで2回にわたって腸内細菌の話をしてきましたが、
私たちを人間を含めた動物たちの皮膚にも、たくさんの菌が存在しています。
今回は皮膚の常在菌についてふかぼりします。

There are many fungi on the skin of animals including us.
I researched the indigenous bacteria on the skin.
We have a symbiotic relationship with many fungi.
包括我们在内的动物皮肤上都有许多真菌。我研究了皮肤上的本土细菌。
我们与许多真菌有共生关系。
우리를 포함한 동물의 피부에는 많은 곰팡이가 있습니다.
나는 피부의 토착 박테리아를 연구했습니다.우리는 많은 곰팡이와 공생 관계가 있습니다.
มีเชื้อรามากมายบนผิวหนังของสัตว์รวมถึงพวกเราฉันวิจัยแบคทีเรียพื้นเมืองบนผิวหนัง
เรามีความสัมพันธ์ทางชีวภาพกับเชื้อรามากมาย
Ada banyak jamur pada kulit binatang termasuk kita.
Saya meneliti bakteri asli pada kulit.
Kami memiliki hubungan simbiosis dengan banyak jamur.

そもそも菌はどこにでもいる!

前回記事にした腸内や今回のテーマ皮膚に限らず、私たちには見えないけれど、
空気中にも土中にも、普通の生き物がとても住めないような
深海の熱水噴出口にでさえ、菌は、います。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Blacksmoker_in_Atlantic_Ocean.jpg

菌は互いに熾烈な勢力争いをして
それぞれに住みやすい場所に移動していった結果が、今です。

多分、深海の熱水噴出口なんて場所も、今でこそ、
「すげー!」って崇められていますが、
好きで住んだわけじゃないと思うのです。
他の菌との競合を避けて、逃げて、追いやられて、
結果こんなところにしか住めなかった菌たちかもしれません。

そう考えると、生き物の皮膚に常在菌がいるって聞いても
「まぁ、住みやすいわな」
って思えませんか?
ある意味、「勝ち組」の菌たちなのかもしれません。

菌の分布=個性

常在菌の分布は

年齢、性別、人種、住んでいる地域、食事、生活習慣

で変わってきます。つまり、オンリーワンなのです。

糠みその味が家庭によって違うのはかき混ぜる人の常在菌の影響から。
昔、酒造が女人禁制だったのは女性にだけつく常在菌の混入を防ぐためだとも考えられます。
今は製造工程も機械化され、他の菌の混入を防ぐ技術も進んできているので
昔ながらのそういった風習も必要とされなくなっていますが。

いきものの皮膚にいる常在菌

人間の皮膚は体重の約16%を占め(体重60kgなら9.6kg!)最大の「臓器」です。

手や体を石鹸などで洗うと、一時的に菌は少なくなりますが、
ある程度時間が経つとまた増殖して菌で覆われるようになっています!

その数、なんと1兆個

たくさんの菌が私たちの体の表面に存在し、時に悪さもするのですが、
私たちが生きていく上でとても重要な役割も果たしています。
私たちが意識していないかもしれませんが、
これは「共生関係にある」と言うべきだと思います。

(もうほぼ、まとめです)

人体常在菌のはなし

皮膚の常在菌は約200種いるらしいのですが、その代表となる数種を
ピックアップしてご紹介します。

こいつと仲良くなるべし!表皮ブドウ球菌!

お肌の潤いを保つ&体臭を駆逐!

表皮ブドウ球菌
スタフィロコッカス エピデルミディス (Staphylococcus epidermidis)

表皮ブドウ球菌Staphylococcus epidermidis
菌の図鑑より引用
https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4213/

この菌は私たちのアルカリ性の汗や皮脂を食べて、グリセリンと脂肪酸を出します。
菌が汗や皮脂を食べて出す排泄物=グリセリン&脂肪酸

そう聞くと「オェ」ってなりそうですが、このグリセリンと脂肪酸が
肌の保湿性を高め、肌を弱酸性に保つのです!

また、この菌が、独自で抗生物質を出すこと
他の悪い菌の増殖を抑えてくれたりもします。

もう、この菌と仲良くなること=美容と言っても過言ではありません。

ポイントは
過度に洗いすぎたり殺菌したりしないこと。
角質を落としすぎないこと。(角質に多く住む)

適度に汗をかいて栄養をあげること。

洗いすぎてこの菌が少なくなると、
他の悪さをする菌が移住して増えてしまうので
肌がカサカサになったり、病気になったりするのです。
(悪さをする菌の多くはアルカリ性が好き)

一方で、この菌は
洗濯物の生乾きの臭いの原因菌だったり、
コンタクト装着による角膜炎の原因菌でもある。
人体に埋め込む医療用器具に付着して体内に入り
炎症を起こすこともあるとのこと。
(心当たりある!こいつだったか!)
あんまり増えすぎて調子に乗られるとまたよくない。

悪役はこいつ。黄色ブドウ球菌

表皮ブドウ球菌に駆逐される悪役

表皮ブドウ球菌がアンパンマンなら、この黄色ブドウ球菌はバイキンマン。
悪役ながらも、割と多く皮膚に存在しているのがこの菌だ。
黄色ブドウ球菌
スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus

黄色ブドウ球菌スタフィロコッカス アウレウス菌の図鑑より引用
https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4212/

アルカリ性と塩分が大好きで、病原性が強い。
塩味の強い鼻の穴に多くいるそうです。
傷口が化膿したり、おできができたり、
肺炎を起こしたり、食中毒の原因になったり。。。

見た目あんまり変わらないのに全然違うんですね。
そして表皮ブドウ球菌エピデルミディスより名前がかっこいい。アウレウス。

引きこもりだけど実はいいやつアクネ菌

ニキビの原因と思われがち

アクネ菌
プロピオニバクテリウム アクネス (キューティバクテリウム アクネス) (Propionibacterium acnes
(Cutibacterium acnes)
)

アクネ菌プロピオニバクテリウム アクネス菌の図鑑より引用
https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4234/

嫌気性(酸素が嫌い)のため普段は毛穴や皮脂腺の奥に隠れて
表皮ブドウ球菌同様、ひっそりと酸を出しているが、
毛穴が詰まったり皮脂が多かったりして増殖するとニキビを悪化させる。

ニキビから多く見つかるのでアクネ菌が悪さをしているように思われがちですが、
そもそも、皮脂の異常増加や毛穴詰まりがなければ、
アクネ菌も増えることはないので、むしろ、異常を教えてくれるいいやつ。

 

以上、3種をご紹介しました。

全然犬猫の話ができていませんね。。続編をお待ちください。

参考サイト
ちょっと気になる健康問題 ~第4回~
【ウェブ講座⑥】 皮膚常在菌の力
皮膚の常在細菌について
目に見えないヒト常在菌叢のネットワークをのぞく

犬猫, 生きもの

Posted by kyotako

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