間違いだらけだった腸内細菌研究

犬猫, 生きもの

腸内細菌を深掘り

いきものとの共生を考える

いきものとの共生を考えた時、最初に向き合うべきはまず、
自分の体にいる腸内細菌ではないでしょうか。

When thinking about coexistence with living things, the first thing to face is
Isn’t it the intestinal bacteria in your body?
在考虑与生物共存时,首先要面对的是这不是您体内的肠道细菌吗?
생물과의 공존을 생각할 때 가장 먼저 직면해야 할 것은당신 몸의 장내 세균이 아닙니까?
เมื่อคิดถึงการอยู่ร่วมกันกับสิ่งมีชีวิตสิ่งแรกที่ต้องเผชิญคือมันเป็นแบคทีเรียในลำไส้ใช่มั้ย
Ketika berpikir tentang hidup berdampingan dengan makhluk hidup, hal pertama yang harus dihadapi adalah Bukankah itu bakteri usus dalam tubuh Anda?

最近になって「腸活」とか「腸は第二の脳」などと言われ
腸内細菌についての商品や記事が多くなりましたが、
イヌネコの腸内細菌研究はごく最近始まったばかり。
それも、日本からはじまったと言っても過言ではありません。

今回は腸内細菌を深掘りします。

腸内細菌についての、
めちゃくちゃいいインタビュー記事を発見したので
これをシェアしつつ、深掘りしていこうと思います。

腸内細菌学の祖

世界に先駆けて「腸内細菌学」という学問を提唱し、
「善玉菌」「悪玉菌」の名付け親にもなっている腸内細菌学の祖
理化学研究所名誉研究員

光岡知足(みつおか ともたり)農学博士の対談記事から。

大切なことはすべて腸内細菌が教えてくれた

昭和5年生まれの御歳90歳!ムツさんの先輩ですね!
第一回目からしてもう、面白いです。やっぱり第一人者の話は面白い。

一つの食品を摂っただけで健康になれるということはありません

いきなり真理です。よくぞ言ってくれました!
この当たり前のことがわかっていない人も多い。

生きた菌が腸まで届いて、そこで増殖するということは普通はない

生きて届くかどうかは重要ではない

ヨーグルトには必ずしもビフィズス菌が入ってるわけではない

 

どうでしょう?えー?って思いませんでしたか?

意外と知らないことが多いですよね!

まとめ

(先にまとめから言っちゃうパターン)

生きてても、死んでいても、ビフィズス菌でも、ガセイ菌でも、
ある程度の乳酸菌を摂取すると、腸内免疫が刺激され
自身の持つビフィズス菌が増えて腸内環境が改善する。
(詳しい量やメカニズムはまだ不明!)

 

ヤクルト中央研究所の「菌の図鑑」

様々な腸内細菌が話に上がってくるのですが、優秀なのが

ヤクルト中央研究所の「菌の図鑑」

さすがヤクルト!腸内細菌の図鑑ですよ!
こんな貴重な資料を無料で公開してくださっているなんて最高です。
好きです。飲みます。

ちなみに、ヤクルトにはビフィズス菌は入っていません。
入っているのはラクトバチルス菌です。

ビフィズス菌が入っているのはミルミルの方。

あれ?乳酸菌、ビフィズス菌、、何が違うの?

善玉菌、乳酸菌、ビフィズス菌についてまとめてみました。

善玉菌・乳酸菌・ビフィズス菌

善玉菌:腸内細菌の中で健康に貢献してくれる菌
乳酸菌:炭水化物などの糖を消費して乳酸をつくる細菌の総称
ビフィズス菌:乳酸菌の一種

乳酸を作る、という意味ではビフィズス菌も乳酸菌ですが
最近は他の乳酸菌と分けて別で考えられることが多いようです。

先に出てきたヤクルトに使われているラクトバチルスも乳酸菌の一種。

少し、整理されてきました。

カルピスもあるよね

もう一つ有名な乳酸発酵飲料といえばカルピスがありますね。

カルピスは殺菌されているところがヤクルトとの違うところだそうです。
先述のように、生きてる死んでるは関係ないのでカルピスでもOK!

でもカルピスは糖分が多すぎる。
ヤクルトは量少なすぎる。
どちらも嗜好品として飲むならいいけど。

普通のヨーグルトも脂肪分が多すぎるんですって!(低脂肪がおすすめらしい)

うーん。一長一短あるんですね。

 

ヒトの腸内細菌

イヌネコの前にまずはヒト。共通する部分も多いので
基本となるヒトの腸内細菌からスタートしてイヌネコに進みましょう。

・ヒトの腸内に多く生息する善玉菌はビフィズス菌(乳酸菌の一種)
・乳酸菌にはたくさん種類がある
・ヨーグルトによってどの乳酸菌が働いているか、違う
・善玉菌が20%くらいがちょうどいいバランス

誤解してしまいがちなのは、
生きたビフィズス菌を摂る→生きたまま腸に届く→ビフィズス菌が増える
ということにはならない!ということです。(がーん)

胃酸などの消化液で腸に到達するまでに死んでしまうこともあるし、
生きて腸に届いてもそこに止まらずにそのまま排出されてしまったり。
そこに留まって増えることはありません。

バイオジェニックス

乳酸菌を生きたまま腸に届けようと頑張っていた
「プロバイオティクス」という考えはあまり意味がないということに。。
腸内細菌の餌を摂取する「プレバイオティクス」と共に、光岡博士はバッサリと

科学的に正しい定義とは言えません。

えー。。。
数年前、私がペットショップで働いていた時はやたらと
「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」って言われていたのに。

そこで新たに光岡博士が提案するのが「バイオジェニックス」という概念です。
生きてても死んでてもいいからとにかく数を多く取って
腸を刺激することで自身の乳酸菌を増やそう!ってことです。

最近この「バイオジェニックス」をうたうサプリも出てきています。

華舞の食べる 1兆個の乳酸菌

高額なものが多いです。
光岡博士は最初におっしゃっていたように

一つの食品を摂っただけで健康になれるということはありません

ただ、イタリアで、潰瘍性大腸炎の患者に1日2兆個の乳酸菌製剤を摂取させて
効果が得られたという報告もあるそうですし、疾患を抱えているなどの
訳ありな子が効率的に乳酸菌を摂取するのにサプリは便利ですね。

そうでない子(ヒト)は後述のようにヨーグルトだけでも十分かもしれません。
それに、、、

これでいいんじゃないかな?

質より数

乳酸菌は、とにかく数を多く摂取することが大事だそうで。
でもどのくらいが「適量」かはまだわかっていない(もどかしい)

ヒトの腸内細菌は500〜1,000種で100兆個くらいだそうです。

1,000,000,000,000

一般的なヨーグルトに含まれる乳酸菌数は500mlで約50億個。

5,000,000,000

ヨーグルトでペットボトル1本分はお腹いっぱいになりそうな量ですが、
それでも200分の1。光岡博士は

少なくとも腸内の善玉菌がそれで増えるということはない。ビクともしないでしょう。

結論

  • 低脂肪でプレーンのヨーグルトを毎日250mlずつ
  • オリゴ糖やフルーツ、食物繊維を足しても良い
  • 人によって合う・合わないや適量の差がある
  • うんちの状態をよく見るべし
  • 消化しにくい「カス」が多い食品をとって腸を動かす
  • うんちが発酵している(pH6.0以下)か、腐っているか(pH8以上)で匂いなど状態が変わる

これあくまでも光岡博士が実際にやってることです。
全ての人に合うわけではありません。
うんちにもペーハーがあるのかー!

ヨーグルトはいいんだけど普通のものだと脂肪が多すぎることになるそうで。
なんか低脂肪って栄養が少なくて、
「通常より劣るもの」
って勝手に思い込んでました。ごめんなさい。
白米や上白糖、小麦粉など、精製されたものは
「カス」がないから消化しやすく、全部吸収されてしまうので動きが鈍くなる。
玄米や全粒粉など消化によくない「カス(食物繊維)」が
善玉菌の餌となり、腸を活発に動かすようにするのだー!

すげー!

 

いやーとても勉強になりました。
犬猫の腸内細菌については次回に持ち越します。

 

腸を鍛える

犬猫, 生きもの

Posted by kyotako

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