鼻ぺちゃの犬たち
まとめ
犬猫に興味を持ってもらえたら満足
はい!今日も内容がモリモリで面倒臭いと思われるので
最後に書いたまとめを一番最初に持ってきました。
もう皆さんお分かり頂いていると思いますが、
私も趣味で犬猫の勉強、調べ物をしているだけで、
それを専門にして研究している人ではありませんし、
みんな勉強しましょう!という気もありません。
あくまでも、皆様がもっと犬のことを知ってもらえたら、
こんな切り口で犬をみるのも面白いよね!
という人が増えてもらえたらいいな、と思ってやっています。
世界中で愛される鼻ぺちゃ犬たち
人気犬種ランキング上位常連
ついについに、きてしまいました。
今や、世界中で愛されていると言ってもいいと思います。
短吻種、いわゆる「鼻ぺちゃ犬」です。
毎年発表される「人気犬種ランキング」で
上位10位に入る常連犬種
日本:フレンチブルドッグ、シーズー
アメリカ:ブルドッグ、フレンチブルドッグ
イギリス:フレンチブルドッグ、パグ、ブルドッグ
しかも毎年じわじわと順位を上げていってるという人気っぷり。
迷彩服を来たアメリカ軍人さんたちがよく来ていました。
ある日、
'イングリッシュボーダー?'
って聞かれたんですよ。
イギリスのボーダー?ボーダーコリーのこと?
なんて思っていたら、そのガイジンさん、
フレンチブルドッグを指差していたんですね。
ピンときました。
あー!’English bulldog’ね!と。
bulldogをボーダーと聞き違えていたんです。
日本では
フレンチブルドッグはフレンチブルドッグだけど、
English bulldogは普通にブルドッグって言うんやで。
と教えてあげましたとさ。
鼻ぺちゃといえばもうチベット
中国史がスタート
いやーついに来てしまいました。鼻ぺちゃの起源と言ったら
もうまちがいなく、チベットなんですよ。
文献や史実に出てくるのはやはり中国になると思われますが、
その起源はチベットからの献上品であったんですね。
(ちなみに、今ってチベットで調べても
「西蔵自治区」になるんですね。)
なぜチベットでそういう犬がうまれたのかは謎も多いですが、
やはり高地で隔離されたことによる
遺伝的浮動と近親交配が原因でしょう。
多分最初は偶発的な誕生だったのではないかと思います。
ほんの少し、鼻が低い犬がうまれた感じ。
当時の中国にそれを「面白い!」と思った人間がいたんでしょうね。
桃太郎のおばあちゃん的な人ですね。
川から流れてきた巨大な桃を、
『拾って割ろう』と『考えて行動した』
おばあちゃんが最も偉大な功労者であるという話です。
また、宗教も強く関連していて、
チベタンスパニエルとラサアプソはラマ教と
ペキニーズとパグは仏教と関連が深い。
鼻ぺちゃ+マスチフ=パグ って考えるとチベットの集大成とも考えられますね。
パグ、スゲェ。って勝手に思ってます。
この後に紹介する論文でも書かれていましたが、
空想上の動物「瑞獣」も関わってくると思います。
獅子犬、獅子舞、狛犬も宗教、瑞獣と関係があるのは
専門家でなくても感覚的に
「あーなるほど!」って感じますよね。
これまでの世界史、地理に加えて、
宗教についての内容も加わってきます。
ほんと、一筋縄ではいきません。これらの犬たちは。
ペキニーズがうまれ
ラサ・アプソとペキニーズから
シーズーが作られました。
チベタンスパニエルに関しては献上品でもあり、
そこから作られたペキニーズも皇帝以外は門外不出。
そこで一般富裕層にも飼える犬を、ということでシーズーやパグができた。
ざっくりだとそんなところだったと記憶しています。
中国って改めてすごい!
昔から人気!
三国志や水滸伝なんかは昔からありますが、
今人気なのは何と言っても「キングダム」ですよね!
創作・脚色も多い点で言えば、昔で言うところの「三国志演義」ですね。
なんでしょう、中国史ってすごく人気がありますね。
現代でも人口や経済において群を抜いて
文字通りの巨大国家となっている中国ですが、
なんだかんだ言って、やっぱりすごいなと思います。
その文化や歴史もそうですが、
史書、文献、記録に関しても、他の分野に比べて
圧倒的に資料が残っている+研究している人たちが多い。
中国と犬の歴史を調べていくと、私がやるまでもなく、
ちゃんとした論文が見つかります。
以下、2本をご紹介します。
中国史と犬
中国古代のイヌの品種改良
こちらは非常によくまとまっていて面白い内容でした。(どの目線だよ!)
犬のの形態変化に着目したもので、
ほとんどのウェブ情報はコピペが多いので、
「中国絵画にも登場し・・・」
しか書いてなくて、肝心の絵画はどんなものか、全く書かれてません。
こちらのpdfはそれが全て入っています。めちゃくちゃ面白い。
新石器時代から周代にかけて:柴犬と同程度が少し大きい
漢:猟犬・番犬・(犠)牲犬など用途別の緩やかな改良
魏、晋、南北朝時代:垂れ耳犬の登場=希少価値
唐:サルーキに似た大型犬、パピヨンに似た小型犬(払菻狗)の登場
(東ローマ帝国からシルクロードを渡ってやってきたと推測)
また、唐代に短吻種、長毛種の副葬品が出土
宋:払菻狗、アフガンハウンドに似た犬の登場。
富裕層のステイタスシンボル
『史記』や『漢書』には犬、馬を買うことが贅沢な事として度々登場。
秦の始皇帝、殷の紂王、斉の景公など。
いずれも唐の時代のもの。
「三彩狗」=ペキニーズ
「加彩婦女俑」=チベタンスパニエル
「短毛イヌ俑」=パグ
短吻のイヌはいずれ
も宗教的意義を以て作出された犬種と考える。
イヌの形態を極端に変化させてまで架空の瑞獣
を現出させたいという古代中国人の動機は、イ
ヌの品種改良の歴史において極めて珍しいもの
といえよう
と締めくくられている。
個人的には「纏足」の文化や「雑技団」なんかをみると、
中国は文化や宗教で体の形を極端に変えたりするのが得意に見える。
「そういうこともやっちゃうよね」
という気がむしろする。
良いとか悪いじゃなく、文化として、
なんか、中国ってやっぱりすごいなぁと思う。
イヌから見た中国古代の社会と文化
こちらは少し古い内容で、犬の生態や形態にはほとんど触れられず、
文献や文化から犬を紐解いていく内容になっています。
(一) 食用
(二) 狩猟
(三) 祭祀
(四) 愛玩物
(五) 娯楽
(六) 軍事(番犬)
(七) その他
でまとめられています。
後半には遺跡(出土資料)についても書かれていて、
首輪、ハーネスにも言及されていていました。
こんな時代からちゃんとしたハーネスがあったんだ!と感動。
鼻ぺちゃ深すぎてフレンチとかブルドッグに全然到達しない!
あんこの少ないたい焼きの端っこを食べている気持ち。。。
ほんのり甘くてそれも好き。