イギリスの牧羊犬

犬猫

世界に誇る牧羊国の牧羊犬

ボーダーコリー

ボーダーborderとは「国境」という意味で
イングランドとスコットランド、あるいは、
ウェールズとイングランドの国境付近で活躍した牧羊犬という意味です。


前回は牧羊犬の歴史から中部ヨーロッパで止まってしまいましたが、
もう牧羊犬と言ったらこの犬しか出てこないのではないでしょうか。
ボーダーコリー

最も賢い犬としても知られていますが、
その運動能力と賢さをしっかりと理解し、
コントロールするにはかなりの経験と知識が必要となるため、
初心者にはあまりおすすめできません

起源は8C〜11C頃、ヴァイキングがトナカイ用の牧畜犬
スカンジナビア半島から持ち込んだとされています。

トナカイ犬!トナカイを飼育するってすごいですよね。
家畜として成り立つんだぁ。

そもそもなぜイギリスか

理由はあった!

イギリスの歴史
もはや普通に世界史の勉強になりつつある。汗

あくまでも犬を追っての話!
難しい話はなるべくカットします!
(自分は記事を書くために必死ですけど汗)

広大な西ヨーロッパ各国を差し置いて、
なぜイギリスの牧羊犬が目立つのか。
そこにはちゃんと理由があった!

藤田幸一郎著
近代イギリスにおける牧羊の歴史的意義

時間のある方は上記リンクをお読み頂きたい。
土壌、広さ、風土、取れる羊毛の質、
羊の種類、当時の経済
など様々な条件が重なって、

イギリスでは牧羊や畜産が盛んになり、
その他ドイツ、フランスなどヨーロッパでは
小麦などの穀類耕作が盛んになったのです。

なるほど!こいつはすごい。

また、白い大きな犬でも述べたが
島国イギリスでは早いうちから
オオカミが絶滅していたため
護羊犬がいなくても済んだ、
ということも大きいと思う。

イギリスは牧羊国になるべくしてなった

そういうのを踏まえて、イギリスの牧羊犬を
改めて見るとまた見え方が変わってきます。

牧羊の種類

モンゴルのように農耕地が乏しく、
草原が牧畜に利用されるところでは、牧羊は「遊牧」
草を求めて延々移動して暮らす

西ヨーロッパでは
農耕社会だったので、牧羊スタイルは「移牧」
季節に合わせて高地ー低地を行き来する。

島国イギリスでは、
農民定住地の周辺で小な面積での集約的放牧「定住牧畜」
小さな農耕地を分けて移動させて行う。

まさにボーダーコリーが行うような、
多くの羊を、狭い場所に入れたり出したり集めたり。
牧童の細かい指示に瞬時に反応し、
理解して羊を追い立てる賢い犬が必要だった。

最右のボーダーコリーだけ動きが違う。

これは驚くハーディング〜牧畜犬って本当にスゴイ(別サイト)

感動です。
それぞれの地方で
それぞれ必要となる仕事があるからこそ
犬種の特性が現れるんですね。

コリー



言わずと知れた名犬ラッシーとはコリーのこと。
紀元前よりスコットランドに存在し、ボルゾイと交配したとある。
やはり!サイトハウンドの血ですねぇ。

 

シェットランドシープドッグ

一時期日本で爆発的に人気のでたシェルティ。
今はあまり見かけなくなってしまって寂しい。

ビアデッドコリー


その見た目からもわかるように、
もしゃもしゃ犬で取り上げればよかったかなーと後悔していた犬種。
でもこうやってハーディングドッグで返り咲きできてよかった。
この長い毛をたなびかせて走る姿は本当に「風」そのもの。
風になって走る犬だなぁと思いました。
昔動物王国にいたビアデッドコリーも「風(ふう)」と
名付けられていたそうです。素晴らしい。
ポーランドからポーリッシュローランドテリアがスコットランドに
連れてこられたのが始まりのようですね!もしゃもしゃ。

オールドイングリッシュシープドッグ


こんなに存在感がある犬なのに、起源が不明であるという。
ヨーロッパ、あるいはロシアからの
「もしゃもしゃ」がルーツになっているのは間違いない。

ウェルシュコーギー・カーディガン

CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=944535

紀元前1200年頃ケルト民族によりヨーロッパから連れてこられた古代犬。
他の牧羊犬とは一線を画す感じがします。起源が全く異なる。
これはこれでふかぼりする価値があるかもしれない。

ウェルシュコーギー・ペンブローク


2013年原産国イギリスでは登録数が激減して
絶滅の危機というニュースが流れた。
原因の一つとして断尾の禁止があるのではないかと言われている。
是非はともかく、ブリーダーとしては
そもそもそういう議論になって争うこと自体がもはや面倒で、
全く別の犬種を扱う方が健全・安全な方に流れていくのは
普通のことかもしれない。
さらにその後もDMという遺伝的疾患が問題視され、
ますますブリーダー離れが進んだと思う。

これもやはりまた改めて、ふかぼりしていかなければいけないなと思った。

犬猫

Posted by kyotako

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