ダックスフンドをふかぼり。

犬猫

犬種について勝手にマニアックに深堀りするコーナー

犬が好きだから犬のことを書く

今回はダックスフンドを掘り下げまーす♫

ちょっと前まではトイプードル、チワワと合わせて
人気3犬種「御三家」と呼ばれたダックスでしたが、
ここ数年、MIX犬が台頭してきたこともあって、
ランキングを落としています。

とはいえ、とはいえ、人気犬種であることに間違い無いですね。

このダックスフンドという犬種
掘り下げる部分が相当たくさんある「興味深い」犬種なのです。

ジャパンケネルクラブ(JKC)も所属する、
国際畜犬連盟(FCI)において、沢山あるイヌの品種をその用途などから
10のグループに分けて分類しているのですが。

JKC公式サイト

第1G 牧羊犬・牧畜犬(コーギー、シェルティ、シェパードなど)
第2G 使役犬(グレートデン、ニューファンなど)
第3G テリア(テリア・説明不要)
第4G ダックス
第5G スピッツ・プリミティブ(日本犬など)
第6G 嗅覚ハウンド(バセット、ビーグルなど)
第7G ポインター・セッター
第8G 第7G以外の鳥猟犬(コッカー、レトリーバーなど)
第9G 愛玩犬(シーズー、マルチーズ、パピヨン)
第10Gサイトハウンド

あれ?って思いません?なぜダックスだけ特別扱い?
前々から疑問でしたけど、、理由はよく知りません。
やはりその歴史の長さからでしょうか。
第8Gなんて、「第7G以外の・・・」っていう。
その他扱いですよ。
この分類の起源、知ってる方がいたら教えて。

まぁとにかく、ダックスは特別ってことで。

サイズと毛質と毛色でパターンは無限大

ご存知な方も多いかと思いますが、ダックスにはサイズがあります。

サイズ

  • スタンダード
  • ミニチュア
  • カニンヘン

「知ってるよ!カニンヘンが一番軽いんだよね?」
ブッブー体重基準は一切ありません

穴に入って獲物を追うために作られたダックスは、体重というよりは
その穴に入れるかどうかの「胸囲」が基準です。
だから、胴が細ければ、体重が重くても、「カニンヘン」です。

毛質

  • スムース
  • ロング
  • ワイヤーヘアード
スムースダックス

チワワやジャックラッセルテリアにもスムースがいますよね。
コリーやセントバーナードにも。

毛色

  • 単色(ソリッド)
  • 2色(ブラタン、パイドなど)
  • その他(ブリンドル、ダップル)
チョコダップル

私が知る限り、ダックスが最も毛色のパターンが多く、
そして最も遺伝的に複雑で難しいと思います。

組み合わせによって疾患が多くなるケースもあるため
繁殖はよく勉強してからやることをお勧めします。

以上の組み合わせからするとバリエーションは無限大!

ダップル、マール、ブリンドル、ハルクイン、
ローン、ベルトン、グリズル・・・毛色は面白いですよね!!
毛色、遺伝学を勉強するならこれがお勧め!

イラストも可愛くてわかりやすいんですよ。

毛色について

「タン」は雑種化の象徴

発生学によれば、毛の色素は背中側から広がっていきます。
顔の両サイドから広がってきて丁度顔の中心でぶつかるので
顔の正面や額に「星」や「白」が残ります。

ボーダーコリー顔の中心に白が残る

ボーダーコリーを見ると毛色の流れがよくわかりますね。
背中から黒が広がって顔の正面でぶつかり、お腹側に白が残る。

道産子の「地子」馬の額にある「流星」も同じ

眉のところに色が出るのを「タン」と言います。
ブラック&タン、チョコレート&タン。
略してブラタン、チョコタンと言いますね。
知らない時はブラたんって名前かと思いました。

ブラタンのダックス、
トライカラーのコリー

眉やソックスがあるように「見える」だけで、
実際は色素がそこまで届かなかった、ということです。
血が混ざっていく、雑種化がされるとこういうカラーが発現します

つまり、タンは本来、雑種化を占めす象徴的な色なのです。
家畜化された動物以外ではあまり見られない色なので、

逆に重宝され、「純血種」の色として認定するようになったのでしょう。
なんという皮肉。面白いですよね!!

そういう知識を持って改めて犬種を見ていくと非常に面白いものです。
(かなりマニアックな方向に行ってます)

今大人気の大型犬バーニーズマウンテンドッグはこのブラックラスト&ホワイトのカラーのみ認められている。
黒柴もブラタンですよね。
セントバーナード。頭頂部や肩甲骨の部分は届きにくいのですね。

足先や眉部分だけ「黒い(色素がある)」というのはありえません。
眉や靴下を作ればいいんでしょ?と白い犬に眉や靴下を描いても
そういう色の出方はありえないので、すぐバレます。笑

以前お店にいたトイプードル。耳は染めないと濃くなることはありません。

パイボールド(パイド)というカラー

白地にブチが入るカラーをダックスではパイボールドと言います。
フレンチブルドッグでは「パイド」と言いますし、
チワワでは「パーティ」と表現します。
ダルメシアンはその犬種自体がそもそも白地にブチですね。

パイドカラー

ダックスにおいてこのパイボールドは「ミスカラー」になります。
一説にはテリアの血が入っている証拠だから、という話も。

ん?だとするとワイヤーはいいのか?
ん?だとすると雑種化の象徴でもあるブラタンはなぜ認められるのか。

揚げ足取りはさておいて。
所詮は人間が作った線引きでしかありません。

ショードッグとしてミスカラーだから価値が低いのか
ペットとして珍しいレアカラーだから価値が高いのか。

この辺りもショップでは悩むところです。

この子も黒斑が入るパイボールド。ミスカラーかもしれませんがかわいいですけどね!

本当はマール因子(ダップル)についても掘り下げたいですが
遺伝的な病気が絡むこともあって、マール因子の記事は
他サイトでいっぱい記事があるのと、ここでこれ以上毛色に
入り込むとドツボにはまるのでまたの機会にします。

毛色、毛質によって性格が違う!

やはり遺伝的な要素が大きいと思うのですが、
毛色、毛質によって性格が違うと言われています。
これは他の犬種においても言われていることです。

スムースは気が強い、神経質
ワイヤーは気が強くて頑固

トイプードルでも、
もともとは白と黒だけしかいなかったところに、
テリアの血が入ったために、
茶色系(レッド・アプリコット)が発現するようになり、
茶系のトイプードルで時々気が強かったり、
落ち着きがない子がいるのはテリアの影響を受けているという人もいます。

キーワードは「テリア」

トイプードルも、ダックスも、性格や毛色に関して、
「テリア」の血が入っているから、と言われています。

特にワイヤーダックスは関してはシュナウザーの血が入っているといいますね。

元は猟犬で使われていた犬たちに
ネズミや小動物を狩る能力に長けていた
テリアの血を入れないはずはないですよね。

狐や小動物を狩る天才。ジャックラッセルテリア。

短足は正義か?

ダックスといえば短足

ダックスといえばその短足が最大の特徴ですよね。

シェーデッドレッドのダックス。成長につれて色が変わる。

その体型からどうしても椎間板ヘルニアになりやすいことは否めません。
しかし、一時ウェルシュコーギーで問題視された、
変異性脊髄症(Degenerative Myelopathy=通称「DM」)
のような遺伝的「疾患」とはまた違います。

どちらかというと「白人が紫外線に弱い」
と言っているようなイメージ。
体質的な感じがするのは私だけでしょうか。

同じ短足でいうならば、猫のマンチカンが知られています。

うちの愛猫もマンチカン。

歴史がまだ浅いとみられているからか、
スコティッシュフォールド同様、
遺伝的疾患の危険性やモラルを指摘されやすいです。

ダックスフンドは多くの犬種の中でも
トップクラスで歴史のある種で、
エジプトの壁画にも描かれていると言われています。
(たまたま絵が下手だっただけかもよ?と私は思ったりする)

実はマンチカンも、種として登録されたのは最近ですが、
昔から世界各所で短足猫は見られていたようです。

ヒトがイヌと出会った時から既に
遺伝的疾患とのジレンマは
始まっていたのだと私は思います。

骨軟骨異形成、軟骨形成不全

共通して挙げられるのは

「骨軟骨異形成」「軟骨形成不全」

です。
これで調べるとダックス、コーギーのほか
ダンディデイモントンテリアやスカイテリアなど
歴史ある犬種名が続々登場してきます。
形成不全に至ってはいわゆる鼻ぺちゃ犬種全般がそれになります。

猫においてはスコティッシュフォールド、マンチカンのほか
ペルシャなど鼻ぺちゃ系の種にも見られます。

軟骨=柔らかいだけあって交配を重ねての
変異が現れやすいのでしょうか。

たまたまダックスやコーギーが目立つだけですね。
また、今ある品種の多くにこれらの犬種の影響が
少なからずあることを考えるとその存在を否定すること自体が
犬の存在を否定することにも繋がりかねない気もします。

「白か黒か」「ここがボーダーライン」
と決めてかかると争いになります。
緩衝域があってグレーゾーンの中で、
真っ白を目指すわけでもなく、
黒くなりすぎたら白に寄せていきましょ。

というバランスを取っていくことが
が大事なのではないかなー?
と個人的には思っています。

まだまだ、まだまだ、
いろんなヒトの話、意見を聞いて、
勉強し続ける必要がありますね。

日々、アップデート!

いやーやっぱり犬種ひとつひとつ、奥が深くて面白い!

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Posted by kyotako

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