新しい時代を切り拓く
ムツゴロウ逝去
これまでも、これからも。私の心血です
いつかこの日が来るとはわかっていました。
おそらく、何年、何歳になっていたとしても、
「まだまだやり残したことがあるでしょ!」
と私だけじゃなく、多くの人たちがつっこんでたと思います。
それくらい、生命力があふれて、情熱的に、パワフルに生きる人でした。
「やりたいことが見つからない」
そんなことを言ってる今の若者たちにこそ、ムツさんの生き様を見てもらいたい。
いきもの、自然には不思議で面白いことが溢れているんだよ!
私はそれをムツさんに教えてもらいました。
周りの人を元気にするから、
「歩くパワースポットだな、こりゃ」
と思ったものです。
昔は、
「この人は絶対普通には死なない。未知の寄生虫や病に侵され、ジャングルやサバンナでライオンとかワニとかの野生動物に喰われて、生態系の循環に組み込まれて死ぬんだろうな、、、」
と本気で思っていました。そう思わせるような生き方でしたもんね。
あの話も、あの疑問も、あの答えも、全部、聞けずに、いってしまいました。
そんなもの、自分で探せ、自分で見つけろ、そういうことですね。。。ハイ。
幼い頃にテレビ番組
「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」
を見て、また、作家、畑正憲の多くの著書に触れて、
いつかは動物王国で働きたい
と思った人は同世代でたくさんいたでしょう。私も多分にもれずその一人でした。
運よく、縁があって、私は動物王国に仲間入りすることができました。
同じ時代を生きただけでもよかった、さらにご一緒にお仕事もできるとは、私にとっては夢の時間でした。夢、かないました。本当に感謝しかありません。
身近になればなるほどムツさんの怪物っぷりが肌で感じられて、ヒリヒリすることがありました。シンプルにムツさんとあった時の気持ちを表現すると「怖い」です。畏怖に近いですかね。
「スッゲェ、、、天才って本当に実在するんだ・・・」
っていう鳥肌です。
ムツさんは本当に我が道を行く人で、弟子とかそういうのをすごく嫌う人でした。
だから聞けばもちろん答えてくれることもありましたが、ムツさんから積極的に教えてくれたり指導してくれることはほとんどありませんでした。
それでも近くにいて学んだことはたくさんたくさんあります。
私が勝手に思っているのは、私が幼い頃、ムツさんや動物王国に出会って、大きな影響を受けて人生が変わったように、今の若い人たちにも、ムツゴロウという人物、動物王国という素晴らしいものを遺していきたいということです。
といっても、場所を柵で囲って遺跡とか博物館みたいに残すってことじゃなくて。
その意志だったり文化だったり、伝えてきたことだったり、本質的なところをってことですね。
全然力及ばずなことばかりですが、自分がやれることを、精一杯、やるだけ。
あの世でムツさんにあった時に自分なりにちゃんとやりきりましたって胸張って言えるように。
YouTube、「ムツゴロウの656」も何らかの形で続けていきたいと思っています。
ムツさんが直接語ることはできなくなっても遺すべきもの、伝えていくべきものがまだまだたくさんあるので。
最初、タイトルは一つの時代が終わったというニュアンスを付けていたのですが、それじゃあムツさんに怒られるなと思って。一つの時代が終わったということは、新しい時代が始まったってことです。
その主役は今生きてる私たちです。ムツさんに
「オイ!何やってんだよ!しっかりしろ!」
なんて言われないようにしないと。
本当に、ありがとうございました。
生前は絶対できなかったと思うんで。ゆっくり休んでください。