野生動物保護とネコ

書評, 犬猫

ネコが生態系に与える影響に警鐘

訳された本は作家さんに書いてもらいたい

久しぶりにネコの本を買いました。2019年に出版された本です。
まず最初に受けた感想ですが。

読みづらい

です。翻訳って文章をそのまま日本語に訳すことじゃないと思うんです。
英語独特の言い回しがそのまま日本語にされているので、
めちゃくちゃウザいです。

英語が得意な人が訳をしてはいけないですね。
文章が書ける作家さんが訳をする方がいいと思います。


同じ本でも訳者が作家さんの方が圧倒的にその「面白さ」を
出してくれます。

なんども言います。めちゃくちゃ読みづらいです。

とはいえ、じゃあ原文でお前読めるのか?と言われるとそうでもない。
でも、辞書や翻訳サイトに頼って海外のページとか見たりしませんか?
誤訳も苦笑いして許せるじゃないですか。
それに比べれば、英語が堪能でない私のような者に
一応読めるようにしてくださっているので、文句を言ってはいけません。

※さすがに誤訳まではないはずです

尻尾が邪魔




本題は野生動物🆚ネコの話

舞台は海外の話がメインですが、ネコが様々なシーンで
野生動物の絶滅の一役を買ってしまっているということです。

日本でも奄美大島でのネコが在来種、固有種を狩って
絶滅を進めてしまっている件で問題になっています。
ネコを殺処分するとか、里親として出していくとか。

ネコはヒトを頼らずともある程度生きていけることと
天性のハンターであるところが、犬と大きく違うところですね。

絶滅種の14パーセントにイエネコが関与しているそうです。

野生動物を守るためにはネコをなんとかしなければいけません

愛護団体との闘い

本来、闘うべき相手ではないはずなのです。
著者も含め、ネコ「も」好きなヒトたちが多いんです。
いやむしろ好きな人しかいない!と言ってもいいくらい。

でも他の反対している愛護団体と違うのは、
ネコに襲われて数を減らしている野生動物も守りたい、というところです。
ある愛護団体にとっては、
ネコ以外の野生動物はたとえ絶滅に瀕していたとしても、
餌やオモチャ程度の認識でしかないのだそうです。

これに対抗するのが、愛鳥団体ですね。
愛する鳥たちを襲うネコは害獣でしかないと。
こうなってくると愛護団体🆚愛護団体。
話は一層ややこしくなります。
こういう構図は世界共通なんだなと思いました。
(愛鳥文化の歴史も書かれていてこれは非常に面白かった!
 軍用からくる双眼鏡が普及するまでは鳥を見るために撃っていたそうです)

もちろん、野生動物の減少はネコだけによるものではありません。
だからと言って、そこだけ免除してもいいかというとそうでもなく。
総合的に、いろんな要因を一つ一つ、消していく必要がありますね。

私もネコが外で安心して暮らせる街は素敵だなーなんて思っていましたけど、
絶滅危惧まで行かずとも、周辺の生態系への影響を含めて考える必要があるなと
思いました。

ネコの歴史・特性

偶然にも、前回イヌの発祥についての記事を書きましたが、
この本ではイエネコ発祥の地についてのことも書かれていました。
イエネコもやはり、イヌと同様、イラン、イラク、サウジアラビア、トルコ、エジプト北部
この辺りが起源と言われているんです。なんだかすごいですよね。犬猫両方って。
リビアヤマネコの他に、ヨーロッパヤマネコとの交雑もあったりするそうで。
その辺りは想像に難くないですね。

そしてネコは食べるためだけに狩るわけではない、ということ。
餌をちゃんと与えている半野良猫も、
かなり高い確率で屋外で何かしらをハンティングしているそうです。
飼い主は断固否定しますけどね。

以外にも病気を広げる要因にも

ペストを広げるのはネズミで、ネズミを狩るネコは
病気蔓延を予防する大切なパートナーと私は思っていました。

が、(全てがそうとは言えませんが)

一部ではネズミを狩るためにペストを保有しヒトに感染させてしまったり、
狂犬病、猫ひっかき病、トキソプラズマなど様々な病気を媒介してしまう
リスクが伴う、ということです。

ちょっとショックでした。
確かに、狂犬病はコウモリなども媒介すると聞きます。
犬だけちゃんとやっていてもどこまで効果が見込めるか、疑問です。
むしろ、野良が多い猫の方をちゃんとしないと蔓延するリスクは大きいのでは?
と思ってしまいました。片手落ちな狂犬病予防法。。。

TNRは解決しない

不妊・去勢をして住んでいる場所に戻すTNRは日本でも多く採用される
野良猫を減らす手段として知られています。
確かに、増えないようにすれば、徐々に縮小してくのでは?と
思いがちですが、実は落とし穴があるそうで。
TNRで生息数を減少させるためには2つの大きな条件が必要だそうです。

71%〜94%の不妊化
新たな猫の流入がゼロ

この2つの条件が満たされれば、TNRの効果が期待できるそうで。
これを満たす方が難しい、、、常時監視員が居てその頭数やTNR率の把握と
新入りがこないようにすることを考えると経費がかかりぎる・・・

やはり屋内飼育がいい

外で飼う方が不慮の事故や病気に晒され短命で不幸になることが多い
自然に、外で飼う方が幸せだと思うのは幻想でしかない。
やっぱり室内飼いが理想という結論を言いたいんだと思います。




書評, 犬猫

Posted by kyotako

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