傷跡の思い出

犬猫, 生きもの

傷跡の思い出

動物と生きていいたら怪我くらいする

殴られたことのないボクサーがいないように、
動物と接していたら怪我くらいはつきもの。
こちらは私の知り合いの動画

印象的だったのは相談室でムツさんが質問を受けた時のこと。
今まで怪我したことありませんか?の質問に対して、
「今まで怪我なんてしたこともありません!」
と答えてたこと。
えー!あの時のアレとか、アレとか、、どうなの?!と聞いてみたら
「あんなもの!怪我のうちに入らん!」
って。昭和のコントみたいにその場にいた人全員ずっこけましたね。

象とかライオンとか、大きな生き物と体当たりで遊んでいたら、
肋骨の1本2本が折れることなど、怪我のうちにははいりません。

犬社会の話

忘れられないエピソードがあります。
サモエドのエニセイは上下関係に厳しい子で、
後輩にかなりキツく当たるパワハラ的な行動もみられました。

エニセイの名誉のためにフォローさせてもらうと、
写真のようにまだ完全に成熟する前から後輩がいっぱいいて、
先輩としてのプライドとか立場を守るために
そうならざるを得ないような環境でもあったからというのも一つ。

とはいえ、目に余るイジメは注意、指導が必要です。

子犬にがぶりとヤキを入れてキャンキャン泣かせたエニセイを
「やりすぎ!ちょっといい加減にしなさい!」
と、追いかけて行く私の側を、大きな白い影がスッと追い抜いて行きました。

次の瞬間、エニセイの首にガブッと噛みつき、組み伏せたのは
次期ボス候補として名を上げてきていたオビでした。

普段はとても優しく温厚なオビ。

もちろん、ひっくり返してエニセイが降参したらスッと離れておしまい。

かっこいいじゃん!オビ!って思わず叫びました。

左手の甲の傷

当時犬社会のボスを張っていたのはカザフ

それにお供のように付いて回っていたのがチロル。


昔、他所の群れにいて後から仲間入りしたチロルは去勢済みのオス。
もうボス争いには参加しません。
最も力の強いカザフに付いて回ってその立場を守っていました。

でも、時々、カザフ親分の機嫌が悪い時もあるんです。

いつも周りをウロウロ付いて回るチロルが
目障りになるときもあるんでしょうね。

ある時、チロルにカザフが襲い掛かった時があったのです。
完全にチロルには不意打ちで、
「えー!聞いてないっす!!!」
って感じだったんですけど。よほど機嫌が悪かったんでしょうね。

犬の喧嘩の仲裁に、手を出すのはご法度。

手って一番噛まれやすい部位ですよね。
出すなら足を出したほうがいい。
まぁそれも知ってたことではあったんですが。

引き離すためにチロルの首輪に手を掛けたその上から
カザフがガブッと来たものですから、犬歯が左手の甲にがっつりささりまして。

傷を見るたびに、2頭を思い出すわけです。

ナポリタンマスチフ

担当するスタッフによって、犬たちはいくつかのグループに別れていて、
それが絶妙なバランスを保って存在していたのです。
その中の1頭がナポリタンマスチフのビアス。

このグループにはメキシカンヘアレスドッグたちもいて

面白いですよねー!毛がない犬たちです。

普段はずっと平穏なのですが、
この日たまたま、担当者が不在の時に犬たちの喧嘩が始まりまして。

犬のトラブルにもいくつか種類があって、すぐに終わることもあるんですけど、
誰かが負け犬の声を出すと、群れでその犬を一斉攻撃して
最悪、亡くなるか、大怪我するようなケースもあるんです。

これ、昔の「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」のテレビ番組で
よく放送していたんですけどねー!

秋田犬のタムとか懐かしいなぁ・・・

この時のトラブルは、ヒトが介在して止めないと、
負け犬の声を出したその犬は死んでしまうかも!
という状況でした。

本来なら担当者が止めるべきですが、不在なら仕方ない。

彼らは場所、テリトリーも非常に大事にするので
部外者の私が入ると、攻撃対象にもなる。
番犬気質の犬たちに特に多いことです。
マスチフなんてまさにそうですよね!!

でもそれがきっかけで喧嘩が止まるなら・・・

思い切って中に入って、
「コラー!!!やめなさーい!!」
と叫んだら、案の定、犬たちの矛先がこちらに。
(うわ!誰か侵入者だ!)
そんなところでしょうか。

文字通り飛んで来たビアスの一撃は、
「噛まれる」というよりバットで殴られたような打撃。
左太ももにジーンズを突き破って上下8本の歯型が
はっきりわかるくらいの傷を残しました。

社会的攻撃

歯型が残る=噛みついてない
ということです。
歯を当てるだけに留めて、牽制しているんです。

本気でやろうとするなら首を狙いますし、
肉を食いちぎって致命傷を与えることもできたはずです。

興奮状態の中でもちゃんと手加減をしていたってことです。

喧嘩で興奮状態の中、侵入者に対してのソーシャルアタック。
あぁなんて素晴らしいんでしょう。。。

私はそれを承知で受けたので全然気にしてないのですが

シュンです。

のビアスがとても可愛いかった。

ペットショップにて

ショップにいて一番噛まれることが多かったのは
柴犬とウェルシュコーギーでした。

これもまた犬種特性の一つだろうなーと思っています。

もちろん、大人しいコーギーや柴犬がいますけどね!


一度攻撃を受けると興奮が一瞬収まって攻撃が止みます。

彼らも極度の緊張の中、これ以上やったら本気でやるからな!
というギリギリの精神状態にいると思うと優しい気持ちになれますね。

怪我はしないに越したことはないのですが、
噛まれることで学ぶことも多くあると思いました。

こうしてみると、強がりでもやせ我慢でもなく、
噛まれて傷ができるのも悪くないものだと思うようになります。
15年経った今でも消えない古傷をみて思い出す彼ら。

犬猫, 生きもの

Posted by kyotako

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