生き物のソーシャルディスタンス
ソーシャルディスタンスをふかぼり
ソーシャルディスタンス
新型コロナの流行もあって、
’ソーシャルディスタンス’という言葉が一般的になりました。
これはコロナにはじまった話ではなくて、
いろんな動物をみていくとその行動様式によって
距離の取り方が変わってくるのがわかります。
同じ種類の動物の場合
ネコ編
まずは同種間に置ける距離の取り方です。
ネコは単独行動型の動物で、
パーソナルスペースがない(少ない、小さい)のが特徴
同種間でくっついても、ストレスになりにくい。
寒くなるとくっついて「猫団子」を作ったりします。
単独行動の動物だからこそ、社会性のルール、縛りが少ない。
「これ以上くっついたら嫌だよ!」
というパーソナルスペースが少ないんですね。
イヌ編
イヌは「群れ型」の動物なので、集団生活を送る上での様々なルールがあります。
その一つが今回のパーソナルスペースですね。
あまりくっつきすぎると、ストレスを感じるようになります。
離れすぎず、くっつきすぎず。
仲良しでもべったりくっついてということがありません。
ヒト編
以上を踏まえて、ヒトはネコ(単独型)、イヌ(群れ型)
どちらのタイプでしょう?
例えばエレベーターの中とかで同種間距離が縮まると
会話が止まったり、目線を合わせないようにしたり、しますよね。
私は大体○階って表示を見続けちゃいます。
そう、ヒトはイヌと同じ、群れ型の動物です。
その行動様式を観察するとどういうタイプに属するかわかるんですね。
面白い。
ディスタンスと行動様式
その距離の取り方から行動様式がわかります。その逆もまた然り。
ネコ科の動物でもライオンは群れを作ります。
ライオンの群れは家族ですよね。
最近の研究ではネコは母娘で共同育児する報告も出ています。
ネコももしかしたら完全に単独行動型ではなく、ゆるい群れ型かもしれません。
トラは完全に単独行動型ですね。
おそらくパーソナルスペースはあまりないと思われます。
イヌ科の動物、キツネは単独行動型ですし、
オオカミはイヌと同じ群れ型ですよね。
単独行動型か群れ型かがわかるだけでもその行動様式が予測できます。
例えば、
単独行動型の動物は体臭が少なく、糞尿の匂いが強い。とか。
そうやって「いきもの」を見ていくと本当に面白いです。
異種動物間
これまでは同種間のディスタンスを見てきましたが、
異種動物間になるとどうでしょう?
異種動物間の方がストレスが少なくて仲良くなりやすいですね!
発展編、応用編
未成熟の子の場合
まだ社会性が成熟していない子犬のうちだと
距離間ストレスもまだ少ないです。
だんだん成長して社会性が身について来ると、
ストレスが出てきますね。下の写真の大きさになると
「ウ゛ーウ゛ー」言い合うようになります。
犬種差
代表的なのはチワワ。
私は小型犬種の一部はネオテニー(子犬のまま大人になってる)
に近いと思っているのです。
先に紹介した子犬のように、これらの一部の犬種は
ソーシャルディスタンスが少ない。犬種特性と言ってもいいと思います。
他の群れとの遭遇
違う群れのイヌが来るとまた違う変化が現れます。
真ん中の黒い犬(ナポリタンマスチフのカーラ)は
他2頭のサモエドとは違うグループ。
よそ者が来るとみんなで一斉に取り囲んでチェックです。
モノが介在する場合
棒とかおもちゃが介在する場合、
一時的に、ストレスでも顔が近くなることを許すことがあります。
逆にそういうストレスを楽しみながら学ぶ大切な機会なのかもしれません。
体のケア
傷口や汚れなど匂いに対して舐め行動が発動します。
これはお互い体をケアするためのものですね。
こういう時も一時的に許されます。
ヒトの世界でもそうですよね!
美容師やお医者さんなど体をケアする職業のヒトは
特別に触れたり距離を詰めることを許します。
関係性
これは特にヒトに言えることですが、
ある程度の近しい関係性ならば距離が近くても許せますよね。
家族だったり、恋人だったり。これはイヌでも同じこと。
犬猫の世界では母娘(♀同士の親族)間は
協力して育児をするケースも含め、同種間であってもストレスが少ない。
疑問と課題
これまで述べてきた話はあくまでも哺乳類の話。
社会性をもついきものは哺乳類以外にも多くいますよね!
彼らの生態もまた掘り下げると新たな発見が得られそうな気がします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ソーシャルディスタンスからいきものをふかぼりするのも
なかなか面白いですよね。何種かの動物を同じ軸で見ていくと
その違いが浮き彫りになって面白いと思います。
ネコ同士の喧嘩。ヒトとイヌは全く関係ない。