発光生物を深掘り

生きもの

なぜ光る

ホタルが光る意味

昨日のホタル記事からのスピンオフです。

【ホタルはなぜ光るのか?】

この問いには2種類あって、
「光らせる意味」と「光るメカニズム」です。

まず意味の方から

ホタルが光る主な理由は繁殖行動です。
オスがメスにアピールし、メスがそれに応える。

前回の記事にも書いたように、ホタルの光りかたは
地方によって異なる、すなわち、方言があるということ。
光を使ってのコミュニケーションですね。ロマンチックすぎだろ。

アメリカやカナダでは数多くのホタルが集団同時明滅をして
森全体がウェーブのように点滅するそうです。
なぜそうなるのかは不明とのこと。

バラバラだった光りかたが段々とタイミングがあってきて大きな波を作り出す。

「これは、、音楽だ!」
と私は直感的に思ったのですが。

そう、Queenの名曲 We Will Rock Youを思い出しました。

 

光るメカニズム

後述のように、ホタル以外にも光る生物は実はたくさんいます。
そのメカニズムはどれもが

「ルシフェリン」という発光する素(もと)に
「ルシフェラーゼ」という酵素を加えて発光する

という説明に終わっています。ざっくりしていますが、
それぞれの発光生物によってその素となるルシフェリンも異なり
よくわかってないところも多いそうです。

ルシフェリン(wikipedia)

なんでこんなに光ってるのに熱も出ないの?
LEDも真っ青

青色LED

あっさり人知を超えた能力を出してくる生き物たち。

発光バクテリアでライトを作ろうとしている記事がありました。面白い!

発光バクテリアを育てる

ホタル以外の発光生物

発光生物はホタル以外にもいっぱいいる!

発光する生物はホタルだけにとどまりません。

毎年春になるとスーパーにも並ぶ、ホタルイカ。

個人的には酢味噌が好き。

そして私が住む千葉県には海ほたるがありますね。

アクアラインの海ほたる

ウミホタルっていう生き物から名付けられたことを知る人は少ない。

発光するウミホタルUser:Almandine – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7810309による

ウミホタル

と、、、ちょっと待って。ウミホタルのwikipediaに
「畑正憲『ムツゴロウの博物志』文藝春秋、1975年。」とある。


戦時中に使用したという記録はここからの引用だったようです。
節足動物という高度な生き物でありながら体長は数ミリ。
その採取方法はペットボトルに魚肉ソーセージを入れて沈めるというもの。
肉食なんですね。
数千という群れを作り、生きた魚も食べてしまうそうで
ムツさんは著書の中で「ミクロのピラニア」と表現していました。

光るミミズ

衝撃的な記事も発見しました。
光るいきものはホタルとか深海生物のようなレア生物だけじゃなく、
ヤスデやミミズにも光るものがいるらしいと。

そして、光るミミズは、割と全国に存在しているらしい!

その名も、ホタルミミズ
やば!完全にSFかゲームの世界じゃん。

うぉー!見たい!見て見たい!
しかし!惜しい!時期が悪かった。
見つけられるのは11月から5月まで。
丸一年くらい先の話になります。

覚えていたら、探しに行こう。代わりに見つけた記事をどうぞ。

当たり前ですがミミズの写真ばっかり出てくるので閲覧注意です。

光るミミズ、ホタルミミズはどこにでもいる!

ミルクのような海

ジュール ヴェルヌの名著「海底二万マイル」の中で

「海はまるで一面に乳汁を流したように見えた」
という一節があります。単なるSFの中の作り話かと思っていたら、

人工衛星の画像からその様子を確認することができるのだそうです。

その正体は海面に大量発生した藻類を食べる、発光バクテリアのことらしい。

作り話じゃなかったんだ!!

なんかロマンすら感じた。

蛍光色

光る生物はたくさんいますが、蛍光灯や、電球のような光はないですよね。
どちらかというと青や緑、蛍光色がほとんど。

はじめ見たとき、作り物か着色しているものだと思っていたくらい
鮮やかな蛍光色で光るサンゴたち。
その理由の一つは「日焼け止め」というから驚きだ。

サンゴは蛍光タンパクを蓄積して紫外線を吸収して光を再放出しているので
これまでの発光(ルシフェリンールシフェラーゼ)とは少し違う。

それにしてもこれほど鮮やかに光るのを見ると自然のアートセンスに舌を巻く。

蛍光灯や電球など私たちが普段利用する光は物理的に光らせているのに対し、
生物発光のほとんどが化学的に光らせているところにヒントがあるかもしれません。

 

光る意味も様々

ホタルにおいては繁殖行動(音楽活動?)がメインになっていますが、

・威嚇
・めくらまし
・日焼け止め
・獲物を呼び寄せるエサ
・エサを探すためのサーチライト
・逃げるための身代わり
・襲われる敵をマーキングすることで
より強力な敵に狙われるようにする捨て身の術

もうね、戦略が高度すぎて、特殊任務部隊ですか?って思うくらいです。

発光する渦鞭毛藻(夜光虫)はエビに捕食されやすいのですが、
発光する→エビが目立つ→エビが魚に食べられる→自分の身が守られる
こんな戦略です。おそるべし。
ホタルを食べて体が光るようになってしまった
カエルの映像を見たことがあります。
夜中にそんな光っちゃってたら、カエルもすぐ食べられちゃいますよね。

逆に光る生き物(バクテリアなど)を食べて体内で飼育することで
自身が光るように見せている生き物もいるし、発光バクテリアのDNAを
自身のDNAに組み込んで進化してきているものまでいるとのこと。

本当に、いきものは、奥深くて、不思議がいっぱいです。

 

 

生きもの

Posted by kyotako

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