猫が噛む理由
猫は嫌いな人を噛むのか?
常識を疑え
ある分野、あるグループの中では「当たり前」「常識」とされることでも
その外に一歩出ると全然知られていなかったり、
時に「非」常識とされていたりすることが多々あります。
某まとめ(curation)サイト」で、
『嫌いな人に見せる猫の態度』として「噛む」をあげていました。
びっくりです。
猫を飼ったことがない人が書いたのではないでしょうか。
それくらい、誤まった内容のものが多くあるということです。
なぜ、それが間違っているかをガチレスします。
猫はなぜ噛むのか
攻撃の種類
生き物が他を「攻撃する」理由には3つのパターンがあります。
捕食攻撃(predator attack)
外敵攻撃(enemy attack)
社会的攻撃(social attack)
捕食攻撃
獲物を狩る時の攻撃。
群れで狩りをする動物たちは、長距離を追い回して疲れさせ、
酸欠、高体温で脳死状態にして仕留める方法もとりますが、
多くのネコ科は単独行動型で、狩りは一人で行うことが多い。
その場合、忍び寄ってから急所への一撃必殺攻撃が必要になります。
これがプレデターアタックです。
外敵攻撃
捕食者の攻撃があるならば、捕食される方も大人しくはいられません。
襲われた敵(エネミー)に対し、防衛のための反撃をするでしょう。
自分の命を守るためのものですから、手加減など皆無の攻撃です。
ツノ、体当たり、頭付き、自分の持ちうる最大の武器と攻撃を
全力で敵にぶつけることでしょう。
草食動物の強烈な後ろ蹴は大型肉食動物といえど致命傷になり得ます。
社会性攻撃
群れ社会を作る動物に多いのがこれですね。
「嫌だよ、やめてよ!」
と、手を払うような、そんな攻撃。
あるいは、
「それ以上やったら先に出た「外敵攻撃」に移行するぞ?」
と言う脅し、牽制に当たる攻撃がこれに当たります。
尾を太くし、背中の毛を立てて、威嚇するのもある意味攻撃ですね。
これまでの2つの攻撃と違って、
この攻撃だけは「手加減」されています。
よく、犬に噛まれた!と言うのもほぼ、これです。
「いやいや、噛まれて血が出たんだよ!手加減なしだったよ!」
と、言う方もいます。
本気を出していたらあなたの指はなかったかもしれません。
咬傷の多くが、ヒトの手足に集中しているのも理由の一つ。
相手は致命傷を与えるつもりはないと言うことです。
犬がこの社会性攻撃を行う時は歯を「ガッ!」と体に当ててきます。
「当ててくるだけ」です。
これが社会性攻撃ではない場合、グッと犬歯を突き立て、
ブンブン首を振ってさらなる致命傷にしていくはずが、
「ガウガウガウッ!」
と歯を当てたら、自分からパッと離しますよね。
当てるだけにとどめているので皮膚に穴が空いたような傷になります。
ここでサッと手を引いてしまったりするとザックリ裂けて本当に大けがにつながります。
噛まれても、力を入れず、引かず、最初の攻撃を柔らかく受け止めましょう。
大けがに繋がらない場合が多いです。
最初の攻撃が成功すると一瞬冷静になるんですよね。格闘ゲームに似てます。
猫が噛むのは攻撃ではない
該当なし
猫を飼っている方はもうお分かりだと思いますが、
上記3つのどれにも該当しません。
頭から頬を撫でたタイミングで「噛む」
お腹を撫でていてご機嫌かなーと思ったら突然「噛む」
トイレに立ったら急に走ってきてふくらはぎを「噛む」
ご飯の時間を無視していたら足にじゃれついてきて「噛む」
嫌いな人に対する行動(攻撃)ではないんですね。
野良猫には噛まれない
そもそも猫は嫌いな人、いやなものには近寄らず、逃げて行きます。
野良犬に噛まれる事件はあっても、野良猫に噛まれる人はいないと思います。
猫に近づけるのは、その野良猫と親しい人だけ。
近くことすら困難
結論 なぜ猫は噛むのか
猫は愛情表現の一つとして、噛むのです。
猫に噛まれるのはその猫に近しい、好きな人だけです。
まったく逆の結論になりましたね。笑
好きな人に対してとる態度の一つが、噛む です。
もし、家族の中で一人、噛まれたことがない人がいたら、
自分だけ噛まれていなかったら、それはある意味でショックを受けることかも。
その人は猫にとって最も疎遠な存在だと思ってください。