トリマー株は上がる一方

犬猫

トリミングは赤字産業なのか

トイプードルのシャンプー&カット

わかりやすく、日本で最も頭数が多く、最もメジャーな
トイプードルの「シャンプー+カット」の料金で比べてみると、

安いところで5000円、高めなところで8000円程度です
これにはだいたい、爪切りやお手入れなどの料金も込みになっています。

それに要する時間は混み具合にもよりますが、2時間半から3時間くらい。

人間では「カットのみ」というサービスもありますが、
やはり毛先などが揃わないなどの弊害が多いので、
シャンプーとカットはセットで行われます。

時間に換算すると10分あたり278円〜534円ですね。

なぜ10分計算にしたか、そう、人間のサービスと比べやすかったから。
人間の世界では10分1000円(最近は1500円)の格安カットの業態があります。
駅前とかデパートの中とかに入っていますよね。

私も前職は小売業で、とりあえず短くしておけばOK。
おしゃれになんかする余裕もなかったのでよく利用していました。
この10分1000円というのが、
採算ベースになっているんですよね。

つまり、トリマーを採用してサービスを始めても
人間の美理容業界の約半分=全く儲からない計算になります。

救いは「需要過多」ではないでしょうか。
トリミングサロンの多くは予約制で、
週末や年末年始、お盆などは1ヶ月以上前に予約をしないと
埋まってしまっていることが多いと思います。

人間の格安カットはその回転率も伴って、
予約なしでもだいたいすぐにカットしてもらえますね。
当然、アイドルタイムもそれなりに出てくるのでそれも込みで
10分1,000円ライン、ということになりますね。

「超薄利多売スタイル」が今のトリミング業界になっています。



サロンが儲かるのは「お手入れ」と「大型犬」

私はショップでも働いていましたが、「お手入れ」を嫌うトリマーさんもいました。
やはりトリマーとして腕を磨いたからには、カットしたいのかもしれません。
が、
実際、お手入れ(爪切り、肛門線絞りなど)は短時間(10分弱)で済み、
料金は500円〜1000円なので収益を上げるのに最も効率が良いのです。
しかも、シャンプーカットに比べて来店頻度が高いので
本業をお手入れにして欲しいくらいです。
先ほど書いたように、カットが最も利益の少ないボランティアサービスなんですね。
これは由々しき問題ですね。
最も技術が必要で最も売りなはずのものが、最も安売りされているのです。

もう一つ、収益が上がるのが、「大型犬のシャンプー」です。
1万円以上が相場であるにもかかわらず、それに要する時間は
1時間半〜2時間とトイプードルのカットに比べると早く終わります。
10分あたり1112円〜834円です。人間の10分カットに近づいてきました。

それ相応のサービスにすればいいと思う

10分1000円カットに求めるのは利便性であっておしゃrではありません。
バリカンを使っても仕上がりが多少雑でもそこまで文句は出ません。

トリミングは?
ちょっとイメージが違うとクレームになりかねません。
同じくらい、仕上がりにこだわるトリマーさんも多いんです。

多分現状の料金だと10分1000円以下のレベルですから
ガーッとバリカンで刈った後、パッパッとハサミで仕上げて終了!
くらいが本当は妥当なんですね。
そういうカット方法もあるんです。
当然仕上がりはそこまで良くはなりませんが、
とりあえず短くはなります。



効率を上げる

今はどこまでかわかりませんが、分業制にして
カットする犬の頭数を少人数で数倍にする方法があるんです。
慣れるまでに時間がかかるのと、マネージングが必要になりますが
私が勉強した時は、上手に回すと
2人で1日10頭以上消化することができていました。
同じ飼い主で相性が良ければ2頭同時シャンプーとか。

そんな無茶な!と普通のトリマーさんに言うと笑われますが、
その程度の料金設定なんですよね。。。
トリマーに払う時給が安くてもいいならいいんですけど。。。

犬は動くし、嫌がるし

トリマーは民間資格=自由すぎる

トリマーは民間資格なので、正直、何の資格がなくても、トリマーにはなれます。
ただ、会社やサロンの判断基準、問題が発生した時のお客様への対応においても、
(この国は本当に資格が大好きだから)
そのために資格を取る、持っている人が多いです。
民間資格なので、発行する団体によって
「1級」とか「C級」とか「中級」とか表現もまちまちで
何がどれだけ「いいの」かはさっぱりわかりません。

採用側も期待していない

専門学校卒業とともに「○級」資格取得が付いてくるケースも多く、
採用側はあまりその技術の高さには期待していません。
特に新卒はできない、切れない、前提でいるので安心?してください。
サロンの方針や特性によってこれまでの経験ややり方が全く変わってくる
ことも含めて、即戦力になることの方がレアケースではないでしょうか。

現場で学ぶ

よほどのレアなケースを除き、経験がものを言います。
資格なんて後から付いてくるようなもんで。
上達の早さは人によりけりですが。

AIには無理

ヒトの業界でもできていないのに、犬の世界ではまだまだ先でしょう。
AIやロボットでカットは難しいと思います。
特に、犬は嫌がるし、暴れるし、
カットだけではなく、犬の心理や扱い方にも慣れていないといけません。

時おり、犬の扱いが下手なトリマーさんがいます。
厳しいことを言うようですが、
多くの犬にとって、トリミングは「嫌なこと」なので
嫌がらないようにやるのがプロのトリマーだと思っています。
ぬいぐるみをカットする職業ではありませんから。

犬が嫌がるからって注射が下手な獣医さんはどう思いますか?
嫌がられないように、話しかけながら、さっとすませる先生もいますよね。
そういう先生こそ、プロだなぁーと思うのです。

トリマーは本当に大変な職業だ

以上、厳しいことも言いましたが、まとめると、

トリマーってスゲェぜ、ってことなんです。

そして機械化も難しいとなると、今後トリマーの地位は
上がる一方なのではないかと思っているのです。

トリマーの株があったら買っておきたい。



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Posted by kyotako

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