沖縄離島紀行 西表島
聖地巡礼
イリオモテヤマネコ
ついに、この日が来たと思ったものです。
西表と聞いて特別な気持ちを抱くのは生き物好きならわかるはず。
言わずもがな、イリオモテヤマネコの住む島です。
若い時から、いつかは訪れたいと思っていた所の一つ。
生き物好きにとっての、聖地巡礼ですね。
なぜ、ヤマネコにここまで憧れるのか。
犬とニホンオオカミ
先日、NHKの番組でニホンオオカミについて取り上げられていました。
ダーウィンが来た!「ニホンオオカミ」~オランダの標本が“交雑種”だった理由~(NHK)
ニホンオオカミは一部地域では、家で飼われていたイヌ、イエイヌに対し、「ヤマイヌ」と呼ばれていたそうです。昔は今と違ってイヌとオオカミの違いとかそういう認識に薄かったでしょうから。
ご存知のように、残念ながらニホンオオカミは既に絶滅してしまっています。
「まだ生きている」という人や「見た」という話もありますが、可能性はほぼ、ゼロと私は思っています。気持ちはわかりますが。
まだ生きていたらなんと素晴らしいことでしょう。。
120年前は確実に生きていた生き物です。
今はもう伝説になってしまいました。。
今回取り上げているイリオモテヤマネコは伝説でも過去の話でもありません。
いま、この世に存在しているんです。
もしかしたら後50年後、100年後にはニホンオオカミのように
「昔はいたんだよ・・・」って話になっている「かも」しれないんです。
それは絶対食い止めたいですが。
会いたい?
まだ生きてるなら、ここまで来たのなら、、、、一目会いたい、、と思うのがファン?心理なのかもしれませんが。
前回、ヤシガニの記事でもあったように、それが目的なのか?と自問自答してしまいます。ここで私が見れた!としても、それが何だと言うのでしょう。多分、目の端でチラッと映った尻尾が見えたりとか、写真に撮れたとしてもそのくらいでしかありません。それに何の価値があるでしょう。ただ自己満足を埋めるだけ、ホンモノ見たんだぜ〜ってちんけな自慢する程度にしかなりません。
そんなことよりも、彼らがここでちゃんと生きているという事実です。
オオカミのような伝説や希望的観測ではなく、ここには確実に、彼らの息遣いがありました。
もうそれがわかっただけで、充分だ、と私は思いました。
彼らは生きてる。存在している。このジャングルの何処かで。
この車が通る道路は数年前はなかったようです。残念なことです。
西表島は他の離島と違って、島を一周するような道路は存在しません。半分で止まっています。だからこそ、自然や環境が守られているとのこと。
保護センターへ
野生生物保護センターにはイリオモテヤマネコ以外にも希少な固有種の紹介、野生生物保護についての資料がたくさん展示されていました。
ここの職員の方から、以前、この保護センターの目の前でヤマネコを目撃した話を伺うことができました。
そうか、ここにも来てたんだ。。
何もない藪を見て、いろんな想いが駆け巡りました。
希少な生き物たち。豊かな自然。
観光を売りにすればするほど開発が進み、生き物たちの住処が奪われて行く。
先日、西表島の入域観光者数を制限するニュースがありました。
今はそれがいいと思いました。
制限なくヒトと自然が共存できる世界を創るにはまだまだ時間がかかりそうです。