ブリーダーレポート!その裏側と浮き彫りになる問題点を考える

犬猫

ブリーダーに取材に行きました

関東某所。都内から車で約2時間強。
緑に囲まれた自然あふれるいいところに
今回取材に行かせていただくブリーダーさんの家があった。

天気こそいまいちだったが、山あり川あり自然いっぱい

今回お邪魔させていただいた方は別のお仕事をメインでされているので
ブリーダー業はあくまでも副業。
それでもちゃんと第一種動物取扱業は取得していますよ。
近所でやってる人で、「ビジネスじゃないから」と
取得しないでやってる人がいると言ってました。
グレーゾーン。

※ブリーダーさんの個人情報を守るため、場所や名前などは一切伏せておきます。
※これは取材した事実だけを書いています。某週刊誌みたいな捏造はしません。笑
 これが業界のすべてではありません。あくまでも一例として読んでください。

これが現実。ペットを取り巻く環境はまだまだ未熟だった

「保護犬」黒柴くん

まず一番最初に目に入ったのは、身体がしっかりした黒の柴犬だ。

不審者を見る目だが、よそ者を排除するほどではない。

「ムッ」とした表情がなんともかわいらしい。

「あ、気を付けてください、その子。噛むかもしれません」

そのあたりはこちらも多少心得はある。
警戒こそしているが、耳もしっかりこちらを向いているし、背中の毛も立ってない。

声をかけ、手を出すと、鼻にしわを寄せて、軽くうなってみせた。
「歓迎してるわけじゃないからなっ!」
という「挨拶」を見せてくれた。
初対面の妙に馴れ馴れしい男相手なら無理もない。笑
柴好きの私はそれすら「可愛い~♪」と思ってしまう。

「その子、保健所にいくところだったんですよ」
「え?」

飼われていた飼い主が
噛むからということで保健所に持ち込む話を聞いて
このブリーダーさんがレスキューしたそうだ。

なんて安易な、、、

この程度で放棄されていたら、将来的に
病気になって、介護が必要になって、、と
そのたびに飼育放棄の危機にさらされる。

 命がいくつあったってたりねーよ! 

ちゃんとした血統書もあり、未去勢、健康、とのことで
今はお父さん犬として活躍しているとのこと。

心臓病の赤柴ちゃん

シャイで半顔しかみせてくれなかったが、美人さんといっていい顔立ちだ

奥から半分顔だけだしている赤柴の女の子。

「あの子は心臓病だってことで飼育放棄された子です」

心室中核欠損だったそうだ

心室中隔とは心臓の4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)のうち、右心室と左心室の間を隔てる筋肉の壁のことです。 心室中隔欠損はこの壁に欠損(あな)が開いている状態。(国立循環器病センターより引用)。

以前私が担当した柴犬もその症状で、心臓病の権威と言われている病院に
連れていったことがある。そこの獣医さんは
「あくまでも経験上の話ではありますが」という前置きをしたうえで、
心室中核欠損は成長につれて穴が塞がっていくこともあるし、
日常生活で支障をきたすようになるような重症はまれです。と

実際、この子も3歳になるところ。今のところ普通に生活はできているとのこと。
当然のことながら、この子は繁殖には使われない。保護犬として飼っているだけだ。

ナチュラルボブのシェルティ

とっても甘えん坊で撫でて!と寄ってくる
赤柴ちゃんと一緒のサークルにいた、小柄なシェルティの女の子。
性格がまったく対照的で、赤柴ちゃんを見ようとしたら
「私の方を見て見て~♪」
と寄ってくる、超かわいい子。笑

「この子は?」
「生まれた時から尾が無かった子なの」

ほんとうだ!あるはずの尾が見事に無い。
(不謹慎かもしれませんが、かわいいとおもってしまった。。)

ウェルシュコーギーペンブロークやオーストラリアンシェパードでも
生まれつき尾がない子、「ナチュラルボブ」がいると聞いたことがある。
牧羊犬グループの特定の犬種には何かあるのかもしれない。
また、今回の記事内容からはずれてしまうので割愛するけれど、
ワクチンに対するショックもシェルティ(他牧羊犬グループ)には多い。
ワクチン後に鼻血がでちゃったりしたことも、、(怖)
だから手術とか麻酔もわかっている獣医さんにお願いしないと怖いと言っていた。
別記事で掘り下げていきたい。

「困っちゃって、他のブリーダーさんはどうしてるのかな、と聞いたら・・・」
手をひねったジェスチャーを見せた。
「私はとてもそんなことできないから。。。」

そうだろうなとは思っていてもこういう生々しい話を聞くと
やはりショックだ。

でも、こうやって、 当たり前のように(ここ重要!)  そんなことをせず、ちゃんと面倒をみるブリーダーさんもいる、ということだ。

繁殖引退犬

このブリーダーさんは大体6歳くらいで繁殖を引退させていた。
引退した子たちも
「家族なんだから手放すなんて考えられない」
と言っていた。

「(繁殖引退犬を)安く譲ってもらえませんか?」
というオファーもあったそうです。
それもビジネスになっているのかもしれませんね。。。

ブリーダーさんのところに来たつもりが・・・

どちらかというと保護施設に来たような内容が続いてしまった。
でもブリーダーという業種だからこそ、
生きものトラブルの現場に居合わせることも多く、
保護活動も並行して行っている人も大勢いるのだと思う。

繁殖に使って!
とショップから売れ残りを安く買わされることも
あるというが、しかし、、、

(繁殖をするには)あまりにも体が細くて
まずは身体を作っていくところからしていかないととても使えない、と。
大切な成長期のご飯のコントロールがちゃんとできていないと
そこを取り戻すのは相当時間がかかると思う。
未熟なショップで世話をするとそうなってしまうのだ。

ここのブリーダーさんの場合、
繁殖に使える犬たちは約8割。残りの2割は
保護犬、引退犬など繁殖には使えない子たち、だった。

注:記事にはしていませんけど、元気で健康で明るい子たちも
  たくさんいましたからね!

ペアリング中のシェルティ夫婦。まだヒートはきてないけどね、と。
お散歩も全頭一日2回、ご家族総出で行かれるとのこと。
環境には恵まれていて、山あり川あり畑ありで
お散歩コースはいっぱい。

ショップとの関係、ペットオークションの存在

柴犬は2万円??

「近所で欲しいという人とかがいたら交配もしますけど。。」

以前まではペットショップに直接卸していたこともあったが
原価交渉で折り合わず、取引をやめたそうだ。
その際、提示された値段はなんと2万円、、、

小規模ブリーダーは生まれた子たちの売り先も少なく、
個人対企業(ショップ)となると立場も弱い。
今はネットで販路を広げることも可能だが、
まだまだ、そこまで、ネットに強い人たちばかりじゃない。

最終的な受け皿になっているのは、やはりペットオークションだ。

ペットオークションの存在

  • 1.ショップとの折衝が不要
  • 2.トラブルも第三者が入ってスムーズに解決
  • 3.他数の企業相手に相場価格で販売できる
  • 4.多少問題があっても安く買おうとするショップには売れる

家族経営の小規模ブリーダーには、なくてはならない存在だ。

デメリットも当然(いっぱい!)ある。
どこに行ってどう売られてどんな家庭にいったかわからない、と。

全てのブリーダーさんがそうであるとは言わないけれど。
少なくともこのブリーダーさんは、「我が子を出す思い」だと。

多少遠くても、自分の子が売られているペットショップには
できるだけ足を運んで見に行くと言っていた。

いい形の柴だ

流通に乗ってしまうとペットも「モノ」扱い

残念なショップ

以前、ショップに行った際に、自分の子が売れていたそうだ。
飼われるのは80代と思しきご夫婦。
行先が決まってうれしい一方、ちょっと不安にもなった。
「ご夫婦がなんかあった時に、面倒見てくださる方とかを
確認したりしますか?」と。
ショップの回答は「しません」とだけ。

「我が子のように一生幸せに生きてほしい」と思うのは
ブリーダーさんまでで、一般のショップでは
商品が一つ売れたことに過ぎない。

ましてやオークションやブローカーを経由すると、ショップ側は
ブリーダーさんの顔すら知ることはない。

先の原価交渉しかり、オークションしかり。
これが生きものでなければ、やってることは当たり前のことかもしれない。
流通に乗った時点で「生きもの」のタグは外され「商品」になってしまう。

物語に価値がある

「価値のあるもの」から「意味のあるもの」へ

崖で立ち往生した野良犬が保護されたのち、
たくさんの支援が集まり、里親になりたい人が殺到したという。
言いにくいことを敢えて言えば
野良犬自体に経済的な価値はない。
でもその子の存在に、物語に意味がある。

商品として、じゃなくて、
その子の物語に価値を見出していけばいいのだ。
まだまだ浸透できていないけれど。

いま、犬猫の生体販売頭数は頭打ちと言われている。
オークションやショップの在り方も変わってくるのではないだろうか。

まとめ

生きものを扱うからには、いろいろなイレギュラーが生じる。
ブリーダーをやっているからこそ、
そういうイレギュラーな現場によく居合わせる。
犬が好きだったら、見捨てることはできない。
ましてや、そういう仕事をしているのであれば、
責任も感じるところでしょう。

今回取材したブリーダーさんは違ったけれど
生活がかかってくるとなると、きれいごと?を
言ってられなくなるんだろう。

面倒なところ、経済的に負担がかかるところに
目をつぶって、スルーしている人たちは何のマイナスもなく、
「いいブリーダーさんだね!」
と言われるところにどんどんしわ寄せされていく。
どうやったらこれを解消していけるのか。
不安を感じた。

犬猫

Posted by kyotako

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