馬買ったことありますか?

犬猫, 生きもの,

馬を買うために

バイバイ契約

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動物王国をふかぼり
2021年抱負

私、元ペットショップの店員でした。忘れてました。最近思い出しました。
今回は扱う動物が犬猫ではなく、馬であること。
また、売る方ではなく、買う方であること。
ここが大きく違う点です。

ただ、いきものの売買、という意味では共通点もたくさんあります。
扱うのが生き物だと、「絶対」なんてことはありません。

万が一病気が発覚したら?
万が一亡くなってしまったら?
思ってたんとちがーう!ってことになったら???

いろんなトラブルが想定されます。
そのために販売保証書、売買契約書みたいなものを取り交わすんですね。

馬の前にちょっとだけ犬猫の場合を思い出してみましょう。

犬猫の場合

犬や猫をペットショップやブリーダーから買う場合、
動物愛護法があって、ペットを販売する前に「事前説明が必要」と決まっています。

動物愛護管理法について(全国ペット協会)

そこには品種から成熟時の大きさまで環境省が定める、対面説明が必要な18項目があります。

  • 1.品種等の名称
  • 2.性成熟時の標準体重、標準体長その他の体の大きさに係る情報
  • 3.平均寿命その他の飼養期間に係る情報
  • 4.飼養又は保管に適した飼養施設の構造及び規模
  • 5.適切な給餌及び給水の方法
  • 6.適切な運動及び休養の方法
  • 7.主な人と動物の共通感染症その他の当該動物がかかるおそれの高い疾病の種類及びその予防方法
  • 8.不妊又は去勢の措置の方法及びその費用(哺乳類に属する動物に限る。)
  • 9.前号に掲げるもののほかみだりな繁殖を制限するための措置(不妊又は去勢の措置を不可逆的な方法により実施している場合を除く。)
  • 10.遺棄の禁止その他当該動物に係る関係法令の規定による規制の内容
  • 11.性別の判定結果
  • 12.生年月日
  • 13.不妊又は去勢の措置の実施状況
  • 14.繁殖を行った者の氏名又は名称及び登録番号又は所在地(
  • 15.所有者の氏名
  • 16.当該動物の病歴、ワクチンの接種状況等
  • 17.当該動物の親及び同腹子に係る遺伝性疾患の発生状況
  • 18.前各号に掲げるもののほか、当該動物の適正な飼養又は保管に必要な事項

ペットショップで犬猫を飼うとこれだけのことを説明する義務が売主側にあるということです。
説明が長い丁寧な人だと数時間、犬猫の飼い方講座を聞かされることになります。
(犬猫の販売契約って大変なんですよ)
でも、初めて犬猫飼う人が飼う直前、心が犬猫を迎えることでいっぱいになっている中、数時間の飼育講座を聞いて、余さず覚えていられるんでしょうかね・・・私には無理です。

さらにこれを元にして、「販売保証書」が添えられるのが一般的です。
万が一病気が発生したら?万が一亡くなったら?
どういう保障がされるのか、されないのか。トラブル防止のためのものです。

改めて見直してみると、

いや、しっかりしてる!
めちゃくちゃ、「ちゃんと」してます。

かなり買主側に配慮された内容になっています。
馬を買うときもこれだけ説明があると安心!

馬の場合

でもこれはあくまでもペットして販売されている哺乳動物、主に犬猫に限ったことであり、
産業動物である馬や酪農、畜産にはこの法律には該当しません

これは調べるのに本当に骨が折れました。

だってね?馬買ったことあります?身近に買ったことある人います???

前例が(ほぼ)ない

たまたま見つけたのが、JAみついしのホームページにある、
軽種馬売買契約書なるものです。

ひな形ハッケーン!やったー!これだー!と思ったけど、
詳しく読むと、ずいぶん売主に有利な内容になっていました。
これはどういうこと?

日本軽種馬協会さらに日本馬事協会に問い合わせてみました。
そもそも、どこに、誰に聞いたらいいのかすら、不明!
(ここにたどり着くまでにも色々あったってことです)

まず、軽種馬とはサラブレッドなどの競走馬のことをいい、
ドサンコとかアパルーサーは「乗軽種馬」と言うらしい。

そして先の売買契約書は競走馬のセリで使われるようなものだそう。

なーるーほーどー

この条件が嫌ならセリで買わなきゃいいよね。ってスタンス。
そりゃあ売主に有利なわけだ!

日本にいる馬の9割がサラブレッドで競走馬と言われていますからね。
そりゃそれが基準になりますよね。

じゃあ他の一般的な取引ってどうなってるの?

これが問題。
まず、普通に馬を買うこと自体が一般的ではないですからね・・・

私がいろんなところに問い合わせて調べた結果は、

現物確認現金取引

いや、シンプル!わかりやすい。

契約書云々

契約書なんかはありません。
その場で馬を見て、歩かせて、走らせて、具合を見て、
いくら?そう、じゃあ買うわ。はい○○万円ね。

そんな感じ。
そこには馬を見る目だったり経験だったり、取引する相手との関係性や信頼も全部ひっくるめての話。

博労(ばくろう)と呼ばれる馬のブローカーたちがまだ活躍している世界なんですね。

「馬の品質が聞いてた話と違う?そりゃーお前さんの馬を見る目がなかったんでしょうよ」

そういう世界が未だにあるってことなんです。
全部が全部ってわけじゃないと思います。
でもそういうケースが多いってこと。

犬猫と比べると全然違いますよね!面白いですよねー!

新しく道を拓く

とはいえ、このままだと私のような新規参入が非常にしにくい世界のままです。
「馬を見る目がない奴は買うんじゃねぇ」
「変な馬を買わされた?そんなの自己責任じゃ」
では文化が進みません。

買う前に馬の品質ー例えば調教の入り具合、気性の良し悪しなどが評価できて、
それを売主買主お互いにチェックできる項目、シートなんかがあるといいですよね。
あるいは、

この子はこれだけの調教が入ってます。

みたいな、わかりやすい検定というか基準があるといいですよね。

もしかしたら私が知らないだけでそういうのがあるのかもしれません。
そういうのがもっともっと普通になってくれば、より馬文化が進むと思いました。

いやー馬の道は茨の道。

犬猫, 生きもの,

Posted by kyotako

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