センシティブな話
雑には扱えない話
毎日がドラマです
動物王国のような場所を作るべく、活動と発信をしています。
毎日365日こうやって活動報告や思ったことを記事にしています。
動物王国をふかぼり
2021年抱負
センシティブな話
センシティブ sensitive :繊細な、雑には扱えない話題や問題
今回の記事はセンシティブな内容になっております。
一応配慮はしておりますが閲覧注意です。
最近は動画も画像も全部が簡単に「編集」できるので、
何が本当で何が正しいのか、
が見えづらくなっている世の中です。
いいところだけを切り取って繋げるようでは真のドュメンタリーとは言えません。
「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」では、映ると都合が悪いところ
ー例えば、犬の群れ社会でのトラブル、動物の死、アクシデント、ハプニングなどー
全てを映していました。
そこに私は感銘を受けたんです。
こと、生き物や自然を相手に生きていると、雑には扱えない話、センシティブなことも多々、起きてきます。
毎日がドラマですね。
タヌキのロードキルを回収・解剖
朝、コーヒーを買いにコンビニに向かう途中、交通事故のタヌキの死体を発見しました。
いわゆる、ロードキルというやつです。
このまま放置されれば、さらに車に轢かれ、見るも無残なボロ雑巾のようになっていくか、あるいは保健所などの役所の人たちが回収、焼却処分されるか。
今後もいろんないきものと向き合って行くにあたり、内臓や筋肉、骨格など、解剖学的な知識や経験は非常に大切です。
これは自然が与えてくださった貴重な資料、教材、勉強の機会と思い、回収、解剖を行いました。実は初めてのことではなくて、今回で2回目です。
こんな時のためにいつも車にはビニル手袋と大きなゴミ袋を搭載しています。
今回の個体は体重4.4kg、体長約70cmの雌。前回より一回り大きいサイズ。
回収した時はまだ死後硬直していなかったため、事故直後だったのかもしれません。
前回はビビってあまり上手に解剖できなかったので、今回こそ綺麗にちゃんとやろうと頑張りました。
参考にしたのはYouTubeですが、やはり動画を見るのと実際やるのは全然違います。
まず、ナイフの切れ味が悪い。
今回もキッチンバサミを使いました。
(アドバイスを受け、次回はカッターナイフを使おうと思います)
今回の子は事故の際、内臓にもダメージがあったのか、そのものは綺麗でしたが、腹腔内に血が溢れ、上手にはできませんでした。
それでも、皮や肉、骨、内臓など、いきものの体というのは本当に、本当に、すごいなと。
もう、畏敬の念しか出てこないのです。美しささえ感じます。
実際に解剖をすれば、匂い、体温、(手袋越しとはいえ)手触りなど、全てがぐわーっと自分に降りかかってきます。ずっと息を止めているような、そんな息苦しさと、もう亡くなっているとは言え、命と対峙する緊張感。滴る汗。
ひよる気持ちに呑まれないように。己を奮い立たせて向き合います。
内臓を出すとこの季節、すぐにハエが寄ってきます。やめろ、うるさい、たかるな!
そんな気持ちにもなりますが、彼らも自然の中で分解者として非常に大切な役割を果たしているんですよね。
一通りみたら、内臓だけでも先に土に埋めてしまおう。
と、穴を掘ってからタヌキの方に戻ると、
(ちなみに奥の青い袋は前回の分の子がいる場所)
ガサガサガサッ!!
藪の中を走る音。ちらっと目に入ったのは赤茶の細身の下半身。
イタチです。
おそらく解剖したタヌキの内臓や血の匂いに誘われて現れたのでしょう。
私がこの古民家に住み始めて約1ヶ月。イタチを初めて見た瞬間でした。
谷津田で足跡も時々ありましたし、いるとはわかっていましたが、
こうやって本物を見るのは初めてでした。ホントにいるんだ・・・。
タヌキの体の中の様子、すぐに匂いを嗅ぎつけてたかってくる多くのハエ、隙を見て内臓を狙いにきたイタチ、いつの間にか頭上の木に集まっていたカラス・・・私が気づいていないだけで周りにはそういういきものたちの世界が広がっているんです。
いきものとか自然って、、マジで、ヤベェな。。。
自然に圧倒され、呆然としてしまいました。
狩猟をする方は日常的にこういうことをやられているんですよね。
某音声SNSで猟師さんが集まるルームにお邪魔させていただき、さらに詳しい解体方法を教えていただきました。次回はもっと上手にできるようになるはずです。
怖いですよ、もちろん。
見方を変えればすごいグロテスクですし、気持ち悪いという意見もあるでしょう。
生半可な気持ちでは対峙できません。
でもいきものと向き合うという非常に貴重な機会です。
今後も続けていきたいと思っています。
この地区の長に聞くと、この集落に猟師さんはもう居なくて、害獣が出ると役所にお願いし、別の地域から猟師さんが派遣されてくるそう。いつか、私が狩猟の免許を取ろうと考えています。