ペット業界の今

犬猫

数値規制について

動物愛護法改正案

何年かに一度、動物愛護法が改正されています。
販売できる日齢を制限する、いわゆる「8週齢規制」などが知られていると思います。

今、話題になっているのが、「数値規制」と言われるものです。

有名なせやろがいおじさんが概要を説明してくれています。

この時点での数値規制案が

ケージの高さは体高の1.3倍
ゲージの長さは体高の1.1倍

というもので、普通に考えたら狭いと思います。
そしてケージの「幅」を決めるのに何故「体高」の1.1倍なのか。

まるでキャリーですよね。移動用のキャリーで育てるようなものです。

ペットショップとかオークションなどで使われるキャリーはこういうものです

ダンボールは断熱性、保温性に優れ、使い捨てができる=衛生面も良い
という部分でとても優秀で、
特に子犬子猫の時はまだ体の大きさも定まらず、
とりあえずという意味ではこの簡易キャリーは非常に使い勝手は良いのです。

でも、これは一時的な移動するためのもの。
一部で、これをケージとして使ってそのまま育てるような
乱暴な繁殖業者や販売業者がいるということですね。

この数値を提案したのがペットフード最大手マース ジャパンリミテッド副社長、
犬猫適正飼養推進協議会・ペットフード協会会長でもある石山さんという方で、
あまりにペット業界寄り、ビジネス先行寄りな姿勢と発言が
愛護団体の猛反発を買う結果になりました。

数値規制案を見直そうという動き

これを受けて、この数値規制をなんとか変えよう!という
パブリックコメントや署名がたくさん出回ることになりました。

そして先日、7月10日に
動物の適正な飼育方法等に関する検討会」が開かれました。

ここで出された見直された案が

ケージで飼う場合は
床面積=体長の1.5倍×体長の2倍の広さ
運動の義務

平飼いの場合は
ケージ面積の6倍

他にも従業員1人当たりの飼育頭数や繁殖させる年齢と回数の制限なども
案として出されました。

いや、極端ですよね。それができたら素晴らしいですけど、、、
多分これを守れるブリーダーとショップは1割から2割くらいでしょう。

それ以外のほとんどのブリーダーやショップはほぼ全ての
ケージを買い直すか、作り直すかし、
運動できる場所と人員を確保しなければなりません。
まぁていよく廃業してもらうのが狙いなのかもしれませんが。

(ケージの数値はヨーロッパの基準からアメリカの基準に「緩く」したから、
飼育頭数などは愛護団体のいう数値にペット業界が譲歩したということ
らしいです。。。)

せやろがいおじさんも叫んでいましたがこれを施行してしまうと、
「適正な飼育」ができなくなり、行き先を失う犬猫が溢れかえります。

今度はこれに反対する署名運動が出てきています・・・

泥沼化ですよね。
うーんちょっとこれは違うなぁ。と思ってしまいました。
みんながそれぞれの正義を振りかざして戦い、
自分の意見こそが正しく、
自分の意見を通すことしか頭にない感じ。。。

まさに、正義の反対は別の人の正義状態。

まとめ(個人的意見と感想)

数値規定も(最初は1.1倍からでも)
段階的に理想に近づいて行ければいいなと思います。
(販売日齢も段階的に改善され、ようやく8週齢まで来ました)
そして数値規定が守れているからOK!ではなくて、あくまでも最底辺の基準

この規制であたふたしているところは
モラルギリギリ、法律ギリギリ、ボーダーラインにいるようなところですよ、
ということですから、利用者は初めからそういうところは避けていけば良いかと。

コロナ禍でも学びましたが、
これだけ世間を騒がせて、亡くなる人が出ていても、
風俗店やパチンコ店を営業し、そこに行く人はいる。
そこにはそれで生計を建てたり、暮らしている人たち=生活があるからで
十分な補償も無しにその人の生活や営業活動を止めることはやっぱり不可能なんだなと。

悪徳ブリーダーを無くす。生体販売を無くす。
そこで行き場を無くす犬猫たちのセーフティーネットを用意しよう!
という話や動きは見られるのですが、
そこで行き場を無くす「ヒト」に対しての救済措置を用意しよう!
という話は一切出てきませんよね・・・。
世の中が許さないでしょうね。
でもそのほうが結果的には目標達成するのも早い気がするのですが。
お金儲けだけが目的の悪徳ブリーダーなら、
もっと楽に儲かる方へと流れて行くと思うのです。
規制を厳しくすると、真面目な人たちはより厳しくなり、
ルールをハナから守る気のない悪徳業者の伸び代を増やすだけで本末転倒です。

ちなみに、
このコロナ禍の影響でペットの価格が1.5倍から2倍に高騰しています。
びっくりしました。私が勤めていた昨年から比べて、シンプルに倍です。
旅行に行けないからペットでも買おうよ、という人たちが増えたんですね。

これでまた安易にブリーディングを始めたり、
頭数を増やしたりするブリーダーが増えてしまったら困るなぁ。
安易に飼い始めてコロナ禍が過ぎたら要らないとか言い始める人が
増えてしまったら困るなぁ。
不幸な犬猫たちが増えないようにしてほしい。。。
景気が良いのは本当はいいことなはずなのですが、
こと、ペット業界においてはちょっと喜べない複雑な気持ちです。

犬猫

Posted by kyotako

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